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第128話 ひ・・・引っかかったクマー!

「イリアース!どこですのー!?」


 声が聞こえて来たので洞窟へと入った私達でしたが、ここに来て少し疑問を抱き始めました。


「・・・なぁお姉様、おかしない?」


「ええ・・・」


 疑問は2つあり、1つ目は『洞窟に入ってから向こうからの返答が途切れた』です。

 これは『イリアスが最後の力を振り絞って叫んでいたが気を失った』なんてことも考えられるのですが、それにしては一向に姿が見えないのがおかしいのです。

 そして2つ目、『洞窟が思った以上に深い』です。

 イリアスの姿が一向に見えないと言いましたが、実はこの時点で洞窟に入って100メートル程進んでいるのです。


「いくら何でもこんなに奥へと入る訳はないし・・・脇道でも有ったのを見逃したのかしら?」


「かもしれへんね」


「でも脇道なんてありましたか?少なくとも私は見ていませんが」


「・・・く・・・暗いので見逃しただけかも・・・流石にこんな小さな明かりの魔道具じゃ光量が・・・」


「ん~・・・取りあえず一旦引き返しますわよ。その際に前方だけじゃなくて横をよく見ていてくれるかしら?」


 私達が持っている明かりの魔道具は緊急用としてノワールが収納から取り出した物なのであまり光量が有りません。かといって私達の中で光魔法なんて使える人も居ないのでコレでやっていくしかない・・・と思っていたのですが、ノワールの一言でハッとします。


「お嬢様、コレだけ広い洞窟ならば、火の魔法で光源を確保しても問題ないのではございませんか?」


「あ、それもそうですわね」


「あ、私も失念していました」


 元は狭い洞窟だと思っていたのでその考えがすっぽりと抜け忘れていました。

 私はマルシアへ最後尾へと回ってもらい、最前列の私と2人で明かりを確保する事にしました。

 そうして2人体制で明かりを確保し、脇道に気を付けて入口へと戻って行ったのですが、ここでもまた不可解な事が起こりました。


「ねぇ・・・私達は脇道も発見できずにずっと一本の道を通って来た筈ですわよね?」


「ウチの頭が夢の世界へ旅立ってない限りは間違いあらへんはずです」


「・・・ふふ・・・私は寝てない・・・正気・・・でもおかしい・・・」


「私も最後尾で注意して見ていましたが、確かに道は一本の筈です」


 私達は脇道があるかもと横に注意はしていた筈ですが、それを見つけられず一本だけある本道を歩いていた筈です。

 なのに何故か入口が一向に見えてこないのです。


「体感ですけど200メートルは進んだ筈ですのに・・・何故入口に辿り着か・・・っあ!」


「「「?」」」


 私はここで漸くある可能性に気付き、それを確認する為に皆へとある事を尋ねてみます。


「えっと・・・皆へと聞きたいのですけれど、この洞窟があった場所って山の中だったかしら?」


「え?どうやったやろか・・・」


「イリアスの返答が聞こえて来た方へと進んだので、はっきりとは・・・」


「・・・あ・・・でも私達の捜索範囲は山に近い位置だったので・・・もしかしたらあるかもです・・・」


「辿って来たルートを思い出してみると、可能性は十分ございます」


「やはりですのね・・・」


 皆に聞いてみた所『確証はないけれど恐らく』という事でしたが、十中八九ここは山の中、それもグウェル殿下達が話していた場所でしょう。


(グウェル殿下達は山の中に社があると言っていましたが、私の考えではこの洞窟の最奥に社がある筈。という事は・・・)


 色々考えた結果、私は確信しました。


 私はどうやら・・・



「ひ・・・引っかかってしまいましクマー!」


「「「クマー?」」」


「クマァァァアアン!」


 @

 @

 @


 少々映像の乱れがございましたが、復帰したので話を再開するとしましょう。

 私はどうやら・・・見事フラグにかかってしまったみたいなのです。それが解ってしまったので、皆へフラグ云々をぼかしつつ伝える事にしました。


「殿下達が言うとった場所なぁ・・・」


「てっきり怪談話とか迷信の類かと・・・」


「・・・ふふ・・・私も・・・だってこの話ってイネルトール山の話によく似ているんですよね・・・」


「あのいつぞや話しとったあれか・・・って今はどうでもええか、んでお姉神様、ここが何処かは解りましたけど、どうやって出るんです?あ、後その社行ったら何かええ事とかあるんです?」


 彼女達はどうやらあの話を本当は実在していない嘘話だと思っていた様でしたが、私が説明するとすんなり信じ、それどころかここがどんな場所でどうやったら出れ何かいいモノがあるかと聞いてきました。


「はぁ・・・私といえど全てを知っている訳ではありませんのよ?」


「ほなこの場所がなんなんかって知らんって事なん?」



「いえ、知っていますけれど」



「知っとるんやないかーい!」


 こてこてのギャグをかましてしまいましたが、勿論知っている・・・というか心当たりは有りますとも。


「知ってはいますけれど、全部ではありませんの。私が知っているのは出方と最奥への行き方のみですわ。社に行ったら何かあるだとか、そういう事は知りませんの」


「あ、そうなんや」


 そうなんです。なんせココってバグみたいな場所で、私もゲームをしていて実際来た事は1回のみなのです。


(ちょっと普通のプレイを飽きた頃に、デバッカーごっこだ!なんて言ってたら見つけた場所で、終わった後に再度来ようとしたら2度とこれなかった場所なんですのよね)


 後にこの事をネットで調べてみたら『自分もいったことある』だの『そんなものは見つからなかった』だの様々な意見があり、結局はバグデータが残っていたなんて話が出ていた、そんな場所なのです。


「・・・あの・・・それで・・・どうやって出るんですお姉様・・・」


「ああ、簡単ですわ。見つけた時と同様爆破すればいいんですのよ」


「「「爆破?」」」


「・・・間違えましたわ。いいえ、間違えていませんけれど!」


 ウッカリ口に滑らせてしまいましたが、ゲームでは爆弾を使ったら入口が現れたんですよね。


「兎に角!ある場所で爆破でもなんでもいいから壁を壊すと入口が現れる筈ですの!因みに最奥に続く道も然り!ですわ!」


 それ以上突っ込まれてもあれなので、私はそう言い切ってから入口が現れるポイントを探すために足早に動き出します。

 すると皆も私に続き、これ以上突っ込まれる事は無いなと安心していると・・・見つけました。


「あ」


「ん?あったんお姉様?」


「ええ。最奥へと続く道の方ですけれどね」


 そうなんです。私が見つけたのは入口へと続く方ではなく、最奥へと続く方のポイントでした。

 当然そちらには用事がありませんのでスルーして行こうと思ったのですが、ここで物言いが発生します。


「あれ?行かへんの?もしかしたらこっちにイリアスおるかもしれへんのに」


「え?それはないんじゃありませんの?」


「解らへんやん。実際声は聞こえてたわけやし、可能性はあるんちゃいます?」


「それを言われると・・・ん~・・・」


 声を聞いたのは確かです。ですが私はそれを『フラグに嵌めるための罠』だとか思っていたのですが、よくよく考えていると、現実にそんな事が起こる訳もないのですから誰かいるのは確かなんですよね。


「そうですわね。確かめてみるだけ確かめてみましょうか」


 もしかしたらそこにイリアスが閉じ込められている可能性も無くはない。そう思った私が進む事を口に出すと、皆もそれに同意を示してくれました。


「イリアス、今助けに行きますわよ!」



 私達は最奥へとつながるポイントを爆破・・・は道具がありませんでしたので、魔法で破壊し、最奥へと進む道へと入って行く事にしました。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「( ゜Д゜)釣られクマー!」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。

 え?☆やイイネをくれるんですの? クマー!


 マシェリーの一口メモ

 【フラグをへし折れない系令嬢、それが私ですわ。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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