第108話 来ます・・・
マシェリーよりお詫び:最近作者のネタ出しが詰まって来たので、更新頻度が2日に1回程度に落ちそうですの。楽しみにしていてくださる方々にはお詫び申し上げますわ。
「来ますわよ・・・」
「・・・え?」
「・・・何言うとるんですか?」
「うふふ・・・お薬だしますねー・・・」
学園祭も終わった今日この頃、私は自室に何時ものメンバーを招き何処かの司令官みたいに両手を組んで顎を乗せながら呟きました。・・・まぁ『頭大丈夫ですか?』と返されてしまいましたが!!
「私は正気なのでお薬は必要ありませんのよ?・・・で、来るんですのよ?」
「いえ、だから何がですか?」
「流石にウチラも全部は察せませんで?」
「あ・・・もしかしてまた魔王様でも来るんですか・・・?」
「いえ、ある意味魔王より恐ろしいモノですわね」
謎々がしたいわけではありませんので言ってしまうと・・・『私達の破滅への第一歩』が来てしまうのです。
とまぁこれを聞いてもさっぱり解らないと思うので、もう少し詳しく説明すると・・・
この学園では教育の一環として『国の様々な場所へと赴き、そこで色々な事を学ぶ』という授業があります。
そして『主人公』が入学した今年はグウェル殿下が居るという事で特別に王宮へと行く事になるのですが・・・そこで『主人公』は偶々聞いてしまうのです。
この国の貴族達がどんな考えをしているのかを。
そしてこれまた偶々その場にグウェル殿下も居て、グウェル殿下からこの国の現状を聞いてしまい、そこから『主人公』の中で国への不信感がドンドン募っていってしまい、それが巡り巡ってストーリーは進んでいく・・・となるのですが、要はもう少しで私達貴族の破滅の一歩が来るという訳です。
しかも私達はゲームのシナリオで確実な破滅が訪れる事が確定しているので、この後来る事は私達にとって運命を決定づける事なのです。
私がその事を少し脚色・・・というか何故知っているのかを解らない様に話すと、彼女達は少しも私の話を疑っていない様子でした。
寧ろ『出た!お姉神様!』といった様子で拝み出しそうな雰囲気を出していました。
「私が言う事ではないですが、相変わらず私の言う事をすんなり信じますのね貴女達」
「それは当然です」
「まぁあの時からウチラは一生お姉様に付いて行くて決めたしな」
「・・・一蓮托生ですね・・・ふふふ・・・」
「私は元よりお嬢様に死ぬまで付いて行く覚悟でございます」
原作とは到底違った関係になった私達。こうまで違ってしまうと、恐らく私が破滅を迎えると彼女達も同じ様に破滅となるでしょうが、私としては心配よりも嬉しさが勝っていました。
本当は心配の方が強くなければならないのでしょうが、それよりも『最後の最後まで味方がいてくれる』事に嬉しさを覚えてしまったのです。
「そう・・・ありがとう・・・」
なので泣きそうになってしまったのですが、恥ずかしいので今は我慢をして来るべく日の事を話す事にします。
「・・・っすん。ま・・・まぁ、とは言っても私達がする事は特にないのですけれどね。あるとすれば、イリスが話を聞いたかどうかを見届けるくらいですわ」
私のせいではありますが、若干ながら各所が原作と違ってきています。それは自分しかり自分の両親しかり『主人公』しかり。
なのできちんと原作通りにイリスが話を聞いたかどうかを確認する必要があるのです。
それを説明すると質問があったのか、3人娘から手が上がります。
「質問かしら?・・・ではマルシア、お話になって?」
「はい。えっと、お姉様は魔王に成ると言ってましたよね?ならこの国がどうなろうとも構わないと思うんですが、放って置かれては?」
「中々すごい事を言いますわね貴女・・・。まぁあれですわ、貴女方の言う通りの私の超パゥアーによると、放置した場合とんでもない事が起こりかねないので放っておくという選択肢はないですわね」
「とんでもない事ですか?」
「ええ」
マルシアの言う通りにしてしまう事も昔考えた事もないではないのですが、そうした場合、後々起こる事が解らなくなるというデメリットが存在します。
後、こちらの方が重要なのですが・・・
(ルートによっては『あれ?これ世界滅亡じゃね?』と匂わせる様なモノもありますからね・・・流石にそうなってしまうと不味いですもの)
ロマンスというゲームなのですが、話の進み方によっては世界滅亡レベルの事態が起こった所で『BAD END』となり、1つのエンディングを迎えたとしてゲームが終わることがあります。
更にそこから考察大好き勢が考察した所、結論としては『まぁそのまま世界滅亡じゃないかな?回避したとしても、大分やばい状態なんじゃない?』との事。
流石にそうなってしまったら魔王云々の話じゃなくなってくるので、それは全力で回避せねばなりません。
「という事で、NO!ですわ。では次、サマンサ」
「その話が重要なら、先にウチラがこそっと教えたればええんとちゃいます?」
「それもNO!ですわね。情報源は?と詰められたり、そもそも信じないという可能性もありますし」
「・・・えっと・・・なら・・・予め『ここに来たら凄い話が聞ける』とか教えておいて・・・イリスを現場まで誘導できるようにしておけばよいのではないでしょうか・・・」
「それもサマンサの話と同様の答えによりNO!ですわね」
「要は、何もせんと見守っとった方がええと?」
「そういう事ですわね」
他にもお父様を使ってさり気無く誘導とかも考えた事はありますが、それはちょっと無理そうなので断念しました。
とこの様に色々考えた結果、これに関しては見守るが最適解だと私は考えたんですよね。
「まぁ最悪、イリアスに頼んでおくので誘導も問題ないと思いますわ」
一応の誘導対応としてはイリアスを使えば問題はない筈と言うのも私は付け加えておきました。
「成程です。まぁでも、そういう事なら特にこれ以上は考える事もなさそうですね」
「そやね。という事で、後はのんびり茶でもしばいときましょか」
「・・・あ・・・そういえば学園の売店で新作のクッキーが売ってたので買ってきました・・・」
「おー、ええやん。食べよや」
「ふふふ・・・中々美味しそうだったんで・・・期待大です・・・」
「んんん・・・スタァップゥ!」
「「「!?」」」
話は終わりだと思ったのか3人娘はお茶を飲みながらキャイキャイ言い始めましたが、まだ話は終わりではありません。いえ、『破滅の第一歩』については終わったのですが、話はまだあるのです。
「もう1つ、重大な話があるんですのよ?だからのんびりタイムはスタァップゥ!」
「え・・・じゃあ新作のクッキーは要らないんですか・・・?」
「いえ、それは貰いますわ。・・・アラ美味しい」
「ふふふ・・・よかったです・・・」
新作のクッキーはあれによく似ていました。しっとりした感じの国の母的な名前のあれです。・・・ってそれは置いておき。
「いよいよ来るんですのよ!」
「・・・え?」
「・・・何言うとるんですか?」
「うふふ・・・お薬だしますねー・・・」
「テンドンはよろしくてよ!?」
「一緒の様な事言ったんはお姉様やん・・・」
「そうだったかしら?まぁよろしいじゃありませんの。で、コレですわよ!コレ!」
コントみたいな事をやってしまいましたが、私が言いたかったのはそれではありません。
私は来るといった理由である、あるモノを取り出しました。
「コレ!『記憶君』の大々的な売り出しの始まりが来るんですわ!」
皆様は覚えているでしょうか?そうジェレミアンを倒すときにも使った、絵や映像を残しておける魔道具です。
まぁこれを聞いたところで『それがどうした?』。皆様はそう言いたいのですよね?安心してください、私とて唯資金源になる記憶君が発売されるというだけで言った訳ではありません。
では何故一々それを言ったのか、それは・・・
「なので、記憶君のPRをする為に・・・撮影会を開きますわよ!」
そうです。私が記憶君が大々的に発売されると大声で言ったのは、撮影会(意味深)を開催しようと思ったからです。
大変な季節に・・・なりそうですよね?
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「撮影会(意味深)とは?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。
イイネ☆ブックマークがもらえると 秘密の撮影会が始まりますわ。
マシェリーの一口メモ
【(意味深)深い意味はない。ですわ。】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




