第101話 学園祭2
「お嬢様、そう気を落とさずに。ついついテンションが上がってしまいあんな事を言ってしまって怒られましたが、生徒側の反応はよろしかったですよ?」
「そうですのね・・・ふぅ・・・よし、怒られた事は忘れましたわ!」
怒られた事は秘密です☆とかいいつつも既に周囲には超バレバレなのは置いておき・・・1年の教員室から出て来た私は、先程の事は忘れて学園祭を楽しむ為に意識を切り替えました。
「それがいいそれがいい!気分を切り替えて行けマシェリー!今日は折角の学園祭だろう?楽しい気分でいなくちゃな!」
「あら・・・待っていてくれたんですのねフレッド」
教員室の扉のすぐ傍には赤の魔王ことフレッドとマルシア達が待っていて、私が教員室から出て来ると声をかけてきました。
「おう。と言っても大して待ってないし、その間嬢ちゃん達と話していたからな。退屈はしてなかったぜ」
「それは良かったですわ」
「おうよ。うっし、んじゃマシェリーが大丈夫だった事は確認したし、学園祭回ってくるわ!行こうぜマルシアの嬢ちゃん」
「はい。では行ってきますお姉様。また後で」
「ええ、頼みましたわマルシア。ではフレッド、楽しんできてくださいな」
「おう。じゃあまた後でなー」
そう言ってフレッドとマルシアが歩いて行くのを私達は見送ります。
(本当に頼みましたわよマルシア)
当初フレッドは1人で行動する予定だったらしいのですが、私達の中から案内役をつけると言ってマルシアと学園祭を回らせる事にしました。
これは勿論フレッドを1人にすると何が起こるか解らないからとか、フレッドも元学園生だが久しぶりに学園に来たので迷うかもしれないとかそういう理由も無くはありませんが、本当の理由としては・・・
(途中でさりげなくイリスと出会うように誘導して面識をもたせ、そのままイリス達と学園祭を回らせる・・・前者は何としてもやってほしい所ですわ)
主にこれらの理由があるからでした。
実はゲームの流れで行くと今回の学園祭、私や殿下の事が無くともフレッドは来ていました。
作中では『偶々来た』と言っていたのですが、本当は何かしら理由があったのかもしれませんが定かではありません。
とまぁそういう訳で、本来のゲームの流れで行くと今回の学園祭が『主人公』と『赤の魔王』の初対面になる予定だったのです!
そしてこれに私が少し介入してしまったモノですから、『もしかしたらイリスとフレッドが出会わないかもしれない』と少し心配になり、それに対処する為にマルシアをフレッドに付けた訳です。・・・因みにですが、マルシアをフレッドに付けた理由は単純で、『一番面識があるから』です。
(昔フレッドのファンという事で私が引き合わせましたものね。その後も2,3回は会っていた様ですし、今回はマルシアにお任せですわ)
その所為で今日はマルシアと学園祭を回れませんが、彼女は『お姉様の為なら』と引き受けてくれました。・・・本当にいい子です!
「明日は一杯構ってあげますわ。ですからファイトですわよマルシア」
「まぁマルシアは結構真面目ちゃんやさかい、大丈夫なはずですわお姉様」
「うふふ・・・昔はそうでも無かったのに・・・不思議ですね・・・」
「貴女達がそんな感じだからですわよきっと。所謂あれですわ、長女の責任感的な!」
「いやいや、ウチのが長女っぽないです?」
「ぷふっ・・・それはないですよサマンサ・・・」
少しの間その場で喋っていましたが、いつまでも喋っていてもあれなので私達も学園祭へと参加する為に教員棟から校舎の方へと向かいます。
(折角のお祭りですものね、楽しまなくては!幸いと言っていいか今回はイリスの様子は監視しなくてよくなりましたし)
本来の計画ならばちょくちょくとイリスの様子を伺うつもりでしたが、私が開会式であまりに目立ってしまった為にそれは止めとなりました。
その代わりがマルシアであり、未だにイリス達と一緒にいるイリアスです。
(明日明後日はともかく、今日はあの2人に完全お任せして楽しみますわよ~!)
「さぁさ!急ぎますわよ!!るんたった~のるんたった~!」
「なんや随分ご機嫌やなぁ?」
「ふふ・・・昔から・・・イベント事好きでしたからね・・・」
私が楽しみのあまりテンションブチ上がりして浮かれているとサマンサとシーラがそんな風に言ってきますが、今の私には聞こえていませんでした。
なんせロマンスの学園時代におけるボーナスイベントですもの!そりゃぁテンションブチ上げですよ!
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未だ説明していませんでしたが、ロマンスにおける学園祭とはボーナスイベントとなっております。
ここでうまい事ミニゲームになっている催しモノをクリアーする事によって経験値、またはアイテムやお金をゲットする事ができ、また1年目ではあまり関係ありませんが、後々は攻略対象との好感度稼ぎにも活用できます。
そう、このように・・・
『カランカラ~ン』
「おめでとうございまーす!こちら景品となりますねー!」
「ええ、ありがとうございますわ先輩」
私は『的当て』・・・魔道具を使って的にあてる、所謂『射的』の景品を受け取っていました。
「うちらもぎょうさん取ったでお姉様!」
「うふふ・・・大量です・・・姐さんには敵いませんけど・・・」
「お嬢様の筆頭使用人兼護衛ですので、これくらいは当然でございます」
そして私以外のメンバーもそれぞれ景品を受け取っていました。
「けどやっぱ規模がデカいなぁ学園は・・・。これらの景品も全部学園持ちなんですよね?」
「らしいですわね。まぁ寄付金をあれだけ受け取ってるんですもの、当然と言えば当然ですけれどね。貴女の家からも結構入れてるんでしょうサマンサ?」
「まぁ、それなりに入れとるってのは聞きましたね」
ゲームでは『ボーナスだ!アイテムがっぽがっぽ!』としか思いませんでしたが、実はこれらの景品は学園の寄付金を使って用意しているそうです。・・・何やらファンタジーの裏側を見たみたいで『Oh・・・』といった感じですが、気にしすぎたら楽しめないので忘れる事にしましょう。
「あ、もう少しで魔道具のアクセサリーが景品になっているビンゴゲームが始まりますわ!」
「ならいきま・・・って何食べとるんシーラ?」
「もぐもぐ・・・そこのクラスの・・・もぐもぐ・・・クレープです・・・」
「美味しそうですわね。私も買おうかしら」
「あ、ウチも買おかな」
「ならば私が買ってまいりましょうお嬢様方。なので先にビンゴゲームの会場に行ってくださっても結構です」
「なら頼みますわノワール」
「はい」
この様に私は難しい事は忘れ、学園祭を唯々楽しむことにしました。
その結果・・・
「えぇ・・・何でこれがこんな所にありますの・・・」
何故かこの時点ではある筈のないアイテム、それを手に入れる事となってしまいました。
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「ブルジョア学園!」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。
イイネ☆ブックマークがもらえると パンの代わりにケーキをあげますわ。
マシェリーの一口メモ
【学園祭の催しモノには現実にある様なモノもあればファンタジー世界ならではのモノもありますわ。例えば『指定された魔力量ピッタリを魔道具に流し込む』とかですわね。】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




