第99話 魔王様達と和やかにお話し
お詫び:ウェーイ☆でお馴染み?ペガサスさんの名前を修正しましたの。それに合わせて94話95話も修正致したので、ご迷惑をおかけいたしますことを謝罪させていただきますわ。
「いやぁ、こうして何か催しモノに行く事は少なくなっていたんだが、いざ行くとなると楽しみだな!」
「・・・やはり魔王ともなるとそういう場所へ行く事は少なくなるのですか?」
「まぁなぁ。あんまり知られてない内ならいいんだが、有名になってくると流石に周りがうっとおしくなってくるしな。そうなると純粋に楽しみに訪れた子供らにも迷惑がかかっちまうからな」
「成程・・・先達の言葉は為になります」
「おう!」
「オホホ、すっかり仲が良くなられているみたいでよろしい事ですわね」
何故かグウェル殿下のお部屋で『魔王』『新米魔王』『魔王になりたい令嬢』が和やかにお話をしておりました。
「新しいお茶をお注ぎいたします」
「おう、あんがとよ!えっと・・・」
「ノワールでございます」
「おうノワールの嬢ちゃん!・・・で良かったんだよな?何か男の恰好してはいるけどよ?」
「はい。この格好については・・・趣味だとでも思っていただければ」
まぁノワールも居ますが、それはまぁいいでしょう。
因みに、何故この場に赤の魔王フレッドが居るのかと言いますと・・・偶々だそうです。
もう少し詳しく説明しますと、『世界からの通知』を聞いた時に偶々フレッドは首都の近くに居たらしく、何があったのかを知るために王城へと出向いたそうです。
そうして『世界からの通知』の内容を知った時、偶々内容が『グウェル・フォン・ファースタットを新たに緑の魔王に任命す』だったのですが、それを知ったフレッドが『あー、何か若いうちに魔王に任命されると魔力の揺らぎが凄くなるらしいから、助けてやるよ!』と言い出したそうです。
そこから今まで色々動き、偶々今日私が訪れたという事で『なら新魔王も含めて一緒に話でもするか!』となったということです。
(しかし流石フレッド兄貴ですわ。軽く『助けてやるよ!』なんて言ってくれるなんて!・・・まぁ、その分『許せん!殺す!』とも軽く行ってくるような人物ではありますが!)
正直王城の人も胃が痛くなったでしょうね・・・なんて心の中で考えていると、グウェル殿下と目があったので、グウェル殿下に話しかけます。
「しかしグウェル殿下、本当にもう大丈夫ですの?」
「ああ、赤の魔王様や父上、それに祖父・・・国王陛下にもよくしてもらったからな」
「それはなによりですわね」
「ああ、迷惑をかけたな。もう2,3日もしたら学園の方へは復学する予定だ。だがそれまでにイリス達に会うことがあれば伝えておいてくれ。・・・一応、僕が魔王に成った事は伏せてだがな」
「ええ。その内知れわたるとは思いますが、触れ回るのもあまりよくないことですものね」
「その通りだ。知っている者は知っているが、色々公表の準備等があるらしいからな。それまでは極力伏せる方針らしい」
「俺の時はそんな事なかったんだがな」
グウェル殿下と話をしていると、魔王についての話題だと解ったのかフレッドも混ざってきました。
「俺も一応貴族だったが、親父達は早々に公表しちまってたぞ?」
「・・・フレッド、貴方って昔からそういう性格ですの?」
「ん?まぁそうだな?」
「だからじゃありませんの?周りが黙っていた所でフレッド自身は黙っていないでしょうし、貴方の性格では喧嘩も良く起こりそうですからね。きっと危険だとも思って早々に公表したのですわ」
「そんなことは・・・なくもないかもな!ガハハハ!」
「笑いごとではありませんわよー」
「まぁまぁ。赤の魔王様は曲がった事が嫌いだし豪気なお方、だからそれでいいのだろうそれにマシェリー、君が赤の魔王様の事を気軽に愛称で呼べているのも、そんな赤の魔王様のお人柄のお陰ではないか」
「まぁマシェリーは友だからな。友に様付けも変だろう?ガハハ!」
「ありがとうフレッド。そしてグウェル殿下、別に悪いとは言っていませんわよ?」
そう、こんなフレッドの性格ですが、私としては全然問題がありません。ゲーム情報ですが大体この人の性格は知っておりましたし、何より愛用していたキャラクターでもあったのですから。
(そう、性格は問題ないのですわ。問題は・・・何故・・・何故『姉御』じゃないのですフレッド!)
超絶理不尽で唐突ですが、私はそんな事を考え始めてしまいました。
ゲーム時代、まぁつまり私が男で現代日本でゲームをプレイしていた時代ですが、その時は確かに『かっけぇな。男らしいし好きだわフレッド。寧ろ漢?A NI KI ☆』とか思っていましたが、現実になればやはり『カッコいいけどやはり女性がいい。だって私女性が好きなんですもの』です。
これで私が普通に男性が好きというのであればよかったのですが、そうは問屋、若しくはノワールが許しません。
(あぁ~・・・これでフレッドが女性だったら『姉御様!ぜひ私のモノに!いえ、私をモノにしてください!』となるのですけどねぇ・・・。まぁ元が乙女ゲーだから主要キャラクターは男なのは当たり前なのですが・・・惜しいですわぁ・・・)
私は頭の中でそんな事を考えつつ、表面には笑顔をだしてグウェル殿下やフレッドと話を続けていました。
(まぁフレッドも見ているだけなら全然いいのですけれどね。・・・こう、肉体美!という感じの絵画を見る感じで・・・。あ~~でもフレッドを見ていたら女体の筋肉美が見たくなってきましたわ!やはり女の子しか勝たん!ですわね。どこかに女版フレッドはいないものかしら・・・)
いよいよ馬鹿な考えは極まり出し、表面の笑顔も少し崩れてきた頃、私の頭にビビッと来ました。
「あ」
「ん?どうしたんだマシェリー?」
「トイレでも行きたくなったか?行ってこい行ってこい!我慢は体に悪いぞ!」
「違いますわよ!」
確かにいきなり「あ」とか言ってしまいましたが、失礼ですよ筋肉兄貴!デリカシーは搭載してください!
ではなく、私は頭にビビッと来た考えを話す事にします。
「もう!失礼ですわねフレッド!それでは貴方のお母様やお姉様、妹様もさぞご苦労したでしょうね!」
「俺には弟しかいなかったから問題ない!まぁその分お袋には結構怒られたがな!ガハハハ!」
「フレッドのお母様・・・ご苦労様ですわ」
(っく!弟だけしかいませんのね。私の素敵な姉御様計画は失敗ですわ!)
私のビビッと来た考えとはズバリ『フレッドにご姉妹がいたら姉御様なのでは?』でした。
確か公式プロフィールでは出会った時・・・フレッドは学園初年度に会うので今年ですね、今年32だったので、もしも姉か妹がいるのなら少し歳は離れていますが私の姉御様にするべくフレッドに紹介してもらおうと思ったのです。
因みにですが、魔王達のプロフィールは公式でそこまで詳しいモノは出ておらず、不明な事も多々あります。年齢くらいは出ているのですが、それも寿命が長くなる設定の魔王には正直エッセンス程度です。
(いえ、まだあきらめるのは早いですわ!もしかしたら弟さんのお子さんが姉御っ!・・・って歳的に微妙かしら?)
希望を捨ててはいけないと考えた私は一筋の光を見出しましたが、よくよく考えると『32歳の弟が18歳位で結婚したとしたら同い年位では?』という答えが出てきました。
しかし一応聞いて見るだけ聞いてみようかと思い、フレッドに尋ねてみます。
「因みにフレッド、弟さんにお子様はいらっしゃいますの?居たとしたら私達と同じくらいだと思うのですけれど?」
「ん?あいつに子供?勿論いるぜ?なんたって俺は魔王って事で家からは外れちまったからな。今は弟が次期当主になってるからな」
「あー、成程」
そう言えばそこら辺の事を全然考えていませんでしたが、そうなりますか。しかし、私達の時代ではイリスが現れた事でそれらはマルっと変わるでしょうから、今は気にしない事にしましょう。
「確か・・・男が1人、女が1人だったか?長らくあってないが、確かそうだった筈だ。歳は確かにお前達と同じくらいだったな。上の兄が12だったかな?妹の方が・・・8か9だった筈だ」
「へぇ・・・。なら偶には会いに行った方がいいですわよ?私達の年代だと『魔王様かっこいい!』って子も一杯いますもの」
「そうなのか?ならまた顔出しに行くか。親父とお袋にも暫く会ってないしな」
(私の姉御様計画は目出度くご破算ですわー!)
完全敗北してしまった私は微妙にテンションが下がってしまい、そこからもう暫くだけお話を続けた後に帰る事にしました。
帰る時にフレッドが見送ってくれましたが・・・
(覚えていなさいフレッド!性転換の魔法か古代のアーティファクトを見つけて女体化させてやりますからね!)
私はそんな事を考えていました。・・・が、それはさておきです。
そんな具合でイリスをこっそり支援しようの第一弾『学園祭を仲のいいグウェル殿下と楽しめるようにしよう』は無事成功の兆しを見せました。
後はイリアスをサポートに付けて楽しく学園祭を過ごせるようにすれば大丈夫でしょう。
(待っていなさいイリス!私は貴女の足長おじさんになりますわよ!だからしっかりと元気になってストーリーを進めるんですのよ!)
罪悪感から生じた『足長おじさん計画』は、こうして長く続く計画の一歩目を踏み出しました。
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因みにですが・・・
「ねえノワール、貴女筋トレに興味はありませんの?」
「・・・え?特に興味はございませんが?」
「この機に始めるのもいいと思いますわよ?」
「どの機かは存じませんが・・・あまり体格を変えるとお嬢様の使用人兼護衛に支障をきたしますので、申し訳ありませんが・・・」
「えぇ~・・・」
密かにノワールを筋肉美を持った姉御様に仕立てようとした私の計画は、失敗に終わっていましたとさ!
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「筋肉、良いと思います」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。
イイネ☆ブックマークがもらえると 私の貧弱な筋肉が唸りをあげますわ。
マシェリーの一口メモ
【実は魔王に成ると魔力の関係か、常人よりかは寿命が長くなる傾向がありますわ。話にはウン千歳の魔王もいたとかいないとか。】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】