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人が死んだら行く場所は……ハローハークなんじゃない?

 白い。周囲は真っ白であり、夢の中のような居心地の良さを感じる。

 

 死者の世界というものは、思っていたよりも現実味があるところだった。 


「35番でお待ちの方、準備の方が整いましたのでお席の方にお進みください」


 中性的な声が空間全体に響き渡る。自分に配布されたカードの番号と睨み合い、今か今かと自身の順番を待つ。


 はっきりと言うと、ハローワークそのものである。


 番号を呼ばれた人間は自身のこれまでの人生を窓口係員と振り返り、これから転生する世界を選ぶ。そして種族や地位を選択する。


 大半の人間はもう一度地球で人生を送りたいというか、異世界で魔法や剣の世界で生きたいというものばかりだった。


 もっともここは30未満の日本人しかいない。つまり漫画やゲームなどの娯楽が確立された世界で生きてきたのだ。当然そんな考えの人間が多く集まっているのも仕方ないだろうが、俺としては人生なんて二度とごめんだね。


 家族で孤立し、クラスでは虐められ、精神的に追い詰められる。そして周りと比べ、学力がどんどんと下がっていく。すると家族、クラス内でのカーストも自然と下がってく負のサイクルから抜け出せなくなる。


 そんなもの言い訳だ。悲劇のヒロインを気取るなと思う奴もいるだろう。

 なら俺の身に起こった体験を味わってみるといい。少しは気持ちを理解してくれるさ。


 例えばクラスや家族でハブられるのは当たり前。身に覚えない罪でつるし上げられるなんて日常茶飯事。警察に職質されるなんて序の口。そんな日常を、一人。不屈の精神で乗り越えられる人間は何人いるだろうか。


 そんな日常で学歴を上げられず、ブラック企業で残業ばかりする二十歳の男性。当然彼女など出来たことはない。


 42番の方、3番のカウンターに起こしください~。

 

 俺の番がきたな、俺はゆっくりと歩き始める。

 

 新しい人生、職を求めて。


貴方はどこにいきますか? 貴方の予想をおしえてくださいな。

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