耳かきをどこまで淫靡に書けるかの作者の挑戦
ティアリスの手は美しいとは言い難い。
戦士としての訓練を積んでいる彼女は自身でも覚えていないほどに、何度も武器と盾を素振りし、何回も模擬戦を繰り返し、幾たびも手にマメができそれを破り潰してきた。
結果として彼女の手のひらの皮は全体的に厚く硬くなり、武具を支える指の付け根や手の外側は硬い武具ダコが出来上がり歪にゆがんでいる。
彼女の手は醜いと言っても過言ではないのだが、ティアリスは自分の手を嫌っている訳ではない。
もちろん少女である彼女の感覚としては自分の手を美しいと思っているわけではない。だがその手は最愛のザロアと同じほどに武具を振り、同じほどに模擬戦を繰り返し、同じほどに血と汗を流した証明なのだ。
実際のところ正規兵と武芸だけで戦えば、ほぼ間違いなく勝利が出来るほどにティアリスは強いのだ。
まさしく悪魔との戦いを宿命とする戦神バーミリオンの神官として、英雄にはべる聖娼として相応しい手であると誇りをもって言える。
さてそんな彼女の手には今、棒が握られている。
「ザロア、どう? 気持ちいい?」
そう聞きながら彼女は棒に添えた手を上下させる、その手つきは繊細で優しいモノだった。さもあらん、彼女が今触れているのは誰にとっても繊細な部位なのだから。
「あら大きい」
そんなことを言いながら彼女は奉仕を続ける。
「ふふ、白いのがいっぱい出てきたわね」
身を横たえティアリスの脚に頭をあずけ、彼女の奉仕に身を任せるザロア。
そうこの状態、言うまでもなく誰もが察している事であろうがあえて言おう。
耳かきである!
◆ ◆ ◆
昔のことである、修練場の老師範は神官長にこう言った。
『耳かきしてもらえる仲ってセックスするより親密な仲じゃないかのう。だって下手したら死ぬようなところを赤の他人にいじってもらうって普通ありえんし』と。
幼くしてザロアに恋心が芽生えたころのティアリスに聞かせるためにその会話はなされていた、面白そうだというノリと勢いであった。
結果として彼女は啓示を得た、実際に老師範は彼女が仕える戦神バーミリオンであるからして何一つ間違いではない。
とにかく聖娼ティアリスにとって耳かきとはセックス並みの最大限の親密さの証だった。無防備な頭部という急所を任される信頼感、それは他に代えがたいモノだという価値観が彼女の中で育ってしまった。
まあ冷静に考えて無防備な状況をあずかるだけなら治療行為とか代えられるモノはいくらでもあるかもしれないが、とにかく彼女の想像の中では性交に準ずる他に代えがたいモノなのだ!
妄想過多である!
さて、それはさておき今回の耳かきを何故しようと彼女は思ったのか?
ザロアとティアリスの視点からして筆頭騎士マックス・チェタニアスは最大の難敵であった。それは強さだけではなく勝とうという意志、すなわちティアリスを自らの伴侶にしたいという望みが桁違いだからだ。
その最大の難敵をくだしたのだ。ティアリスがザロアをねぎらいたいと思うのは自然であろう、その結果として彼女が出来る最大限度の行為が耳かきだったのだ。
ザロアは今、ティアリスの脚に――もっと言えば太ももに頭を乗せている。これだけでも彼にとってはすでに十分すぎる褒美だった。
なにせザロアはティアリスの女性的魅力のある部位の中で最も魅力的なのは脚、脚線美であると思っている。彼にとって脚に頭を乗せる行為は胸に頭を押し付けるより興奮するのだ。
ぶっちゃけ脚フェチなのである!
それには理由がある。
和国人の血を引いているため胸に脂肪がたまらず非常に胸が薄い体形であるティアリスは子供のときに悩んだ。
ザロアが胸の大きい女性を好きになったらどうしようと。
子供らしい悩みと言えるであろうが、彼女にとっては真剣な悩みだった。
自らが最も信頼する相手、すなわち自らが奉じる先祖である戦神バーミリオンに毎日のように告解し、天啓を得ようとするぐらいに真剣な悩みだった。
もう毎日毎日、その頃のティアリスは朝晩必ず告解して天啓を得ようとしていた。自分の子孫からの嘆願を無視し続けるのにも根負けした戦神バーミリオンはティアリスにこう語った。
『持っていないものを手に入れようとする努力は尊いであろうが、勝負とは自らの優れた点で戦うことが最も勝利に近い』という天啓を与えた。
すっごいざっくりと言うと『お前の胸には魅力を感じないし大きくはならないだろうから、そこで勝負するのは諦めろ。だが脚に関しては魅力的なのでザロアにそこを魅力的だと思ってもらえるようにした方がいいぞ』ということである。
ざっくりした方も伝えた。子供にこんなもん伝えるのはどうだろうかと戦神バーミリオンも思いはしたが、伝えないとなんか変な方向性に暴走しそうで怖かったのできちんと伝えた。
自分の一番優れている点は奇跡の扱いだと、神撃の奇跡でライバルになりそうな女を闇討ちとかし始めたら冗談にならないのだ。
とにかくこの天啓によってティアリスはザロアの上司や同僚に脚に非常に魅力を感じる人材をあてがうことによって彼の性癖を歪めることに成功した。
ザロアがティアリスの脚へと初めて性的な目を向けてきたときのあの高揚感、自分の愛する人を自分の望むように変えれたあの瞬間にティアリスの性癖も大いに歪んだ。
まあ、恋愛とは結局相手の心を自分の望むように変えるというのが目的ではあるが何かこれは間違っているような気がする。
何が間違っているかはよくわからんが。
「はい、綺麗になったわよ」
片耳を掃除し終えたティアリスはそう言った。前述のとおりザロアは今、ティアリスに背を向けて彼女の太ももに頭を乗せて寝転がっているのである。
「じゃあもう片方の耳もやるわよ」
さあ、ザロアはいかにするだろうか!?
欲望に負けて素直になりティアリスの体の、さらに言えば股間の方に顔を向けるのであろうか!?
はたまた理性が、体面が勝ち顔を向けることが出来ないのであろうか!?
(どう……する)
ザロア視点からするとひょっとしたらもう一生ありえないかもしれない好機に彼は一瞬ならず悩んだ、そして悩んだことをティアリスは当然察した。
その悩みを感じるだけで、無表情なままティアリスは非常に楽しんでいた。
◆ ◆ ◆
結局ザロアがどちらを選んだのかは読者諸兄の想像に任せる。
仮にザロアが欲望に負けてティアリスの方を向いたとしてもティアリスは『……(素直で可愛らしい)』と上機嫌になるし。
向かなかったとしても、それはそれで『……(あらまあ、私に嫌われたくないのね。可愛らしい)』となる。
どちらにしても彼女は素晴らしく楽しめるのだ! 奉仕する側なのに!
さてそれは置いておき、ここからが本題となる。
「はい、おしまい綺麗になったわよ」
諸兄らに聞きたい。
果たして男が穴に棒を突っ込まれる話と、美少女が穴に棒を突っ込まれる話。
どちらの方がより好きだろうか?
ここから書くのはもちろん美少女の穴に棒を突っ込む話である。
「じゃあザロア、次は私の耳かきして」
かくてザロアは最愛の女性の頭を脚に乗せることになったのであった。
「ねえ、早くして……」
なぜか謎なことにティアリスはまるでこれから恥ずかしいことが起こるかのような声音だった、不思議なこともあるモノである。
早くしてとティアリスに言われたザロアの持つ棒が彼女内へと入っていく。
ゆっくりと差し入れられたそれは、抜きとられるときにティアリスの中をカリカリと削る。
「あ、んぅ」
ティアリスの口から艶やかな声が漏れる、それはくすぐったいという肉体的なモノと喜びという心理的なモノが重なり合った声だった。
※ 耳かきです。
何度となくザロアの持つ棒がティアリスの穴に挿抜が続く。そのたびにティアリスの口からは甘い吐息が漏れ昂っていく。
「ザロア、もっと優しく……」
※ 耳かきです。
ザロアはティアリスの言葉を無視した。いや興奮し、夢中になり最愛の彼女の声すらも届かずティアリスの穴に棒を挿抜し続ける。
「ああ、ザロア……駄目……」
※ 耳かきだって!
ティアリスの背筋を這うように快感がなでていく。それはあまりにも甘美で、そして彼女がずっと望んでいたモノだった。
「ああ――ザロア!」
※ 耳かきだって言ってるだろ!
感極まり、達し荒い息をつくティアリス。彼女のただならない様子にザロアも興奮を隠せれない。
だがこの時間もこれで終わり……ではない。
「ねえ……もう片方の耳もお願い」
耳かきはまだ続く。




