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山賊王子 〜その8〜

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励みになります。

「おい……そろそろ起きろ! 本気でウチが襲うぞ!」


 激しい頭痛で頭がくらくらする。

 三半規管がでんぐり返しどころかバク宙でも決めてるのかもしれない。

 何とか目を開けると女盗賊のデヴィが足を大きく広げながらしゃがみ込んで倒れている私の顔を覗きこんでいる。


 レザーブーツとタイトスカートの間の絶対領域はもちろん、スカートの中のあられもない中身が丸見えのエロすぎる光景に私は混乱を深める。


 というか私の方も、あられもないというか胸元がはだけてるというかあけっぴろげになっているというか、制服のスカートは脱がされてフェイ様に好まれたいので履いている純白まで丸見えの状態で私の混乱はカオスへと変貌する。


(え……ええええ!?)


(なに!? なんなの!?)


(確か、 赤毛女がけしかけてきた山賊たちに囲まれて……魔導絡繰(からくり)から放たれた氷柱をまとも食らっちゃって……気絶しちゃってたのかしら……)


(つまり……この格好って……)


「安心しな。 脱がせたのはウチだ。 山賊どもはウチらが蹴散らしておいた」


 そっけなく言いきるデヴィ、なに言ってんのこの人?


「貴様……! なんのつもりだ!? エル人の私に辱めを与えるつもりか……!」


「は? 何言ってんだ? かわいい女の子の裸を見たいのはウチのただの趣味だよ。 襲われてたアンタらを助けてやったんだ。 少しは役得ってもんを頂くのが盗賊のウチなりの流儀さ」


 寝起きにこんなカオスった発言を聞かされて正常な判断がつく人間なんているのだろうか。


「ななな何言ってんの!? か、かかわいいとか言えば裸をみても許されるとでも……!?」


「裸を見るもなにも、 しっかり揉ませてももらってるよ。 マーガレット程じゃないがウチの手にしっとりと張り付いて中々のモンだったよ」


「ええええ!!?」


 慌ててはだけた胸元とスカートをなおす私。

 それでもそっけなく話し続けるデヴィには恐怖というより畏怖の念すら覚える。


「まぁ、 マーガレットの時はからくり野郎がキレて真剣で切りつけてきたりしやがったからな……冗談の通じない奴だよ。 全く。 だからナイト様がいる女の子には少し遠慮も覚えたってわけさ」


 遠く慮る事とは無縁そうなデヴィの発言に脳内カオスから抜け出せないなりに引っかかる部分を感じる。


(感覚でわかる。 しっかり私のを揉みしだいたくせに……しかもデヴィの部下達だって周りにいるし最低……それにマーガレットのを揉むなんて羨ま……じゃなくて彼女の神聖な部分に触れたらそれはアルが怒って当たり前じゃないかしら。 私のだって同意もなしに触れたらハクビが怒る……あ!)


「ハクビ! ハクビはどこ!?」


「遅。 あんなになるまでアンタの事を庇ってたあいつが少し可哀想に思えてきたよ」


「うるさい! 元はと言えば貴様が訳のわからない事をしだしたからだろう! 揉んだのが貴様の様な色気のある美人でまだよかったというか、少し興奮するというか……!? ハクビはどこだと聞いている!」


「こわっ。 アンタも充分ワケがわからねぇよ。 その気になったらいつでも待ってるよ。 あの刈り上げ筋肉はそこでノびてるよ。 ったく助けてやって手当てまでしてやってんのに感謝の言葉も……」


「ハクビ!」


 言い終わる前に、デヴィの部下達に囲まれて介抱されているハクビを見つけて駆け出す。


 ハクビの姿は痛々しく、上半身の至る所に包帯が巻かれている。

 頭に巻かれた包帯は血が滲みでていて、覚醒後すぐに駆け出すことのできる私より明らかに重症だ。


「見つけた時にゃアンタに覆い被さって山賊どもにぼっこぼこにされてたよ。 ぶ厚くて暑苦しい筋肉もあるし、 致命傷には至ってないんじゃない? 知らんけど」


 私の背中越しに声をかけるデヴィの発言で少し安堵し、横たわるハクビの胸元に触れてみる。

 子供の頃と違って逞く、男らしく成長した身体。


(ハクビって本当はかわいいのに……多分、 私のせいよね……)


 幼馴染でとても大事な存在の無事を確認し、パニクってはいてもデヴィにさすがに感謝を述べようと思った時。

 その時、違和感に気づいたの。

 私はずっと、気絶している時間に夜が明けているんだと思っていた。

 違ったわ。

 空にはまるで森林の様に広がる巨大な炎があるから明るかったのよ。


「何なのよ……? あれは……」


 赤く燃え上がってる炎が森の上空で踊り狂っている。

 放物線を描いて舞うもの。

 放射状に広がってまう物。

 炎達は広がったり伸びたりと変幻自在な動きで目標らしきものを捉えようとしてるかに見える。


 上空は十数匹ものクエレブレが編隊を組むかのように飛行していて炎はクエレブレめがけて舞っている。


 そしてその炎の発生源らしき場所にいる存在。

 クエレブレとは違う、爬虫類を想像させる顔に金色の鱗に巨大な翼と体躯。

 人里で見ることはほとんどできない伝説上に近い生物。


「あれは……竜種?」


「竜種には違いないけど。 炎を操ってるのはタッドさ」


「ん?」


「なんか莫大な借金して無理矢理買い取らなきゃいけなくなった宝剣を修理してみたらあんな感じだったらしいな」


「……………………んんん?」


「話しの聞いてない奴だな。 だから! 炎を操ってるのがタッドで! 竜種がマーガレットなんだってば!」


「……………………………………………………んんんんんん?」


「だ! か! ら!」


「……んジ」


「は?」


 突拍子もないし、目の前で起きている現実感のない光景。

 神話めいた初代魔導王と竜種の戦いに出てくる炎剣レーヴァテインや竜種。

 竜種の力は凄まじくて、初代王がレーヴァテインで作り出した巨大な炎と同等の魔導を作り出す事が可能だったと聞くわ。

 

 今、上空にあるのはそんな神話さながらの光景で炎と炎が森林の如く燃え盛り、まさしく炎のカオス状態。

 ついでに私の混乱も更にMAXでカオス状態。

 そんな私でもわかってる事がある。


「チェンジよ! チェンジ! デヴィは適当すぎて説明役には相応しくない! ハクビに説明しておいて! 後で聞くから!」


「ええ……こんな状態の人間起こすのはさすがにわりぃよ」

 

 そうよハクビ。

 竜種とかレーヴァテインとかなんかより、私やっぱりハクビがいないと大問題なのよ。

 元気になってくれるなら私は何だってするもの。


 なんだって……してあげたいのに。

主人公は基本的にチート持ちにしたかったので。

アルにはチート与えませんが。


次回更新もtwwiterで配信いたしますので良ければフォローお願いします。

https://twitter.com/kazuyurichihi


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