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78.ダルゴアの処刑

アンガスの無事が周知され、マグリットの死が囁かれ、アイリーンの失踪に尾ひれがついて拡大していたころ。

さらに貴族界に激震が走った。


ダルゴア侯爵家が取り潰された。それにともない、ダルゴアに追従していた、ラジヴィルの派閥に属する家もいくつかが潰されたり、爵位をさげ、領地を取り上げられた。


その理由は、王太子ギルバートの殺害未遂という恐ろしいものだった。

アジデリ鉱山で死んでいた葉 紅花は、ダルゴダがこの国に引き入れた刺客の一人だった。ハニートラップを仕掛け殺すように命じていたが、かの国の容貌はこの国では目立ち使えない。さらにダルゴダに色を仕掛けようとしていたために邪魔になって殺したという。


さらに、別ルートにて隣国のサーカス団に属していた暗殺業の男を招聘し、ハリマス領に隠匿させ、この度の殺害未遂の事件をおこした。


この件でサーカス団が入ってきた国境を管理する伯爵家が、サーカス団の入国の隠ぺい、さらには捜査の攪乱を画策したとして、国境を守るものとして不適合の烙印を抑え、また、国境という重い要を軽んじたとして取り潰された。


また、葉紅花の亡骸を容易く国家が管理する鉱山に捨てられたという、国の威信にかかわる失態を犯した子爵家もまた爵位を取り上げられる。


ラジヴィルも派閥の長であるにも関わらず、ダルゴアの恐ろしい考えを見抜くことができないうえ、ラジヴィルの家に連なるものがこの件に多く関わっていたため、その責を負うことになる。


ラジヴィルに関しては爵位や家はそのままだが、影響力のある当主を後退させ、妻とともに領地に幽閉する事が決まった。さらにラジヴィルの生命線ともいえるルビーの輝きの権利をすべて国へ奪われ、娘のアマリエ・ラジヴィルも「王家に連なるものとしてその責務を全うせよ」と、辺境の伯爵家に嫁いだ。


若くして当主になったクリストファ・ラジヴィルは王城でギルバートの補佐をすることが決まった。今まで父の妨害により領地の仕事にも王城の仕事にも携わっていなかったため、一から勉強をしなければならない。ギルバートの補佐というが、正しくは、宰相補佐としてスチュアートに就く。


サーカス団が身を隠していたハリマスについては咎めはないとした。サーカス団を隠すどころか堂々と興行させていた事から、詳しいことを知らされていないと判断されたからだ。但し、サーカス団をハリマスの地にダルゴアに言われるがまま招いたユーリ・ハリマスは、ハリマスの地に幽閉されることとなった。


王太子殺害未遂は、ダルゴア侯爵当主とそれに連なるものが処刑されることで、幕を閉じた。


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