表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/89

61.早くあの子を

ベネディクトから伝令が届いたとギルバートから連絡がきた。


雨の中、もたらされた手紙にはただ一言、「違った」。

ギルバートとからその連絡を受けたソフィアは心のそこからの安堵に涙が出そうだった。


花花だと思われる葉紅花はまだこの国で生きている。


こちらの準備は整った。あとは花花を早く見つけ出さなければ。

フィルアッシュ・ハワード・・ハワード伯爵家が敵ではないことはソフィアに大きな安心を与えた。

王家とハワードの関係が密接で良好なものならあれこれ考えなくても良いのだ。


ハワードと敵対するのは怖かった。ロイッシュトリアもフィルアッシュもこちらには及びもつかない情報網を持っている。


ハワードがついているなら、ギルバートは大丈夫だ。ゆっくりと着実にハワードに負けない情報網とブレーンを育てればいい。今代の王だってきっとそうしてきたのだ。いや、今代の王が築いたそれがハワードなのかもしれない。


あとは、いまだ国内に潜んでいるであろう葉紅花を探し出すこと。ウォルボートと葉紅花の繋がりはようとして知れないが、ほころびはきっとある。

そして、サットラン子爵の思惑がどこにあるのかも探り見つけなければ。


アイリーン・サットランが葉 紅花なのか。


それを確認するために本気でアイリーンを高官に推してみるのも良いかもしれない。優秀さは折り紙付きだ、不自然なことはない。


アンガスが彼女を「可愛い」と評価したことも気になっていた。花花以外の女性をそう言っていたことをソフィアは聞いたことがない。マグリットと出会った時も、花花かもしれない、といいつつ可愛いという評価はついぞいきいたことがなかった。


もう少し、アンガスとアイリーンの接触を増やしてみるの判別するのにいい材料になりそうだ。


アジデリ鉱山の死体が葉紅花ではなかったことで全てが振り出しに戻った。だからまた、4人で計画の見直しをしなければ。


まず、当面はマグリットの計画のことを第一に進めよう。

あとはアンガスが戻ったら、アイリーンとの接触の件を詰めればいいだろう。

ソフィアはそう考えて窓の外を見る。


外はこのところ降り続いている雨のせいでひどく暗い。

あの二人は、馬で帰ってくるのかしら。と、王都から離れている二人に思いをはせた。


雨はあの日を思い出される。

ソフィアは二人の無事を祈る。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ