第17話 種明かし(既視感)
どーもどーも。お久しぶりです。Ri_smです。今回から完全不定期更新ということでお願いします。半年に一回くらい覗いたら多少更新されてるかも、、。ってくらいに思っておいてください。当面は毎週日曜日のいつかに更新するつもりですが、あくまでも基本は不定期ですのでよろしくおねがいします。
本当に毎日更新されている方はそれだけでブックマークしていいくらいですよ。冗談じゃなくて。(実感がこもってる)
いやー。ネットの魔力は凄まじいですね。youtubeなんてダイソンよりも強力に私をひきつけていましたよ。はっはっは。
今までで一番文字数多いです。大体一話これくらいの文字数ほしいとか。これくらいの頻度で更新してほしいとか、感想とかメッセージとかで教えてくださるとありがたいです。(それを採用するとは言ってない)
俺が目を覚ますと目の前に槍の穂先があった。
「ぴゃっ!」
と叫んで後ずさると、すっと穂先が動きすぐに距離を詰めてくる。
「お、おう。どうしたんだ。マイハニー。」
ヴィナの目が三角から細くなった。怖え。言わんきゃよかった。
「あ゛?」
「すいません何でもねっす。」
凄むヴィナ。竦む俺。
「あの、、今はどういう状況で?」
周りを見回すと遠くから見ているクラスメイトと、その中に混じってる先生。
先生助けてよ〜。
場所はそのまま試合会場の石畳のど真ん中だった。結界はなくなっていて、俺のはなった炎も氷も綺麗サッパリなくなっている。
「あんたがぶっ倒れて2、3分立ったところ。」
「はい。」
「と・こ・ろ・で!」
「ひゃいっ!」
嫌だから怖えって。てか顔近っ。こいつやっぱすげえかわいいな。まつげなげえし顔も整ってるし。
俺が勝手にどぎまぎしているとヴィナが俺の胸ぐらをつかんで揺すってきた。
「何かあった?」
どすの聞いた声にびびった俺はつい、よく考えずに答えてしまった。
「な、何も見ていませんよぉ、、。」
と俺は言ってしまったのだ。俺の生涯後悔ランキングベスト100位以内に入る愚行である。
ヴィナの顔が赤かったのが白く無表情になる。美人が起こるとめっちゃ怖いってよく言うけど、こういうことなのか、なるほど。と俺が現実逃避していると、打って変わった猫なで声でヴィナが俺に話しかけてくる。
「なるほど。何もご覧になっていませんか」
「あ。あははははー。」
墓穴ほった。
ドゴン。轟音がして地面が揺れる。俺は錐揉み回転をしながら空中を飛んだ。
「ぱいなぽぉぉー。」
「たーまやー。」既視感が半端ない。
俺は手を合わせて祈る薄情なクラスメイト横目に見つつ、顔から石畳に突っ込みそうになるが、まあ流石に受け身は取れるわな。
いつの間にか距離を詰めてきていたヴィナに尋ねられた。
「魔力反応がなかったけど、あれは一体どんな仕組み?」
「何についての話?」
「攻撃が当たらなかったこと。」
ああ、そのことか。
「ああ、あれね。まあちょっとした自然現象の応用だよ。」
「?」
全然わかってなさそうなヴィナ。困ってる顔もかわいい。
そしてなぜクラスメイトの輪に入っていたはずのグラスがこっちに来ているんだ。
「はいちょっと待ってください。そこから先は私に説明させてはいただけないでしょうか。」
「おい出しゃばるなクソ眼鏡。」
なんでこいつが入ってくるんだ。
「ここからが解説役の一番楽しいところなの。そう、、うんちくを垂れ流されているときのあの聞き流している呆れた目。しかし、話がすすむとそこには隠しきれない好奇心の光が!!、、、、見える気がする。」
クソ眼鏡がうなずいている。ああ、同志よ。
「私はあの呆れた目が好きなんですよね。あの私を見下しているようなけなしているような呆れた目に映されているのはこの自分だとおもうとついぞわぞわしてきてなんだか、、、、。どうしました?」
「まじかよこいつ。」
「こいつはだめ、私が熱消毒する。」
「じゃあ俺は炎眼で援護する。」
「よろしく。」
クソ眼鏡が慌てて手を振っている。いやもう変態メガネだな。
「ちょ、やめてください。違いますよ私は変態では、、。」
「「問答無用。」」
声がぴったり合い。
、、、ぼわあああ。
闘技場の上空まで届くほどの炎が吹き上がった。
「だめだ、全然話が進まない。」
「ではそろそろ教室に戻りましょうか。」
先生が間にはいってきた。
「まあそうするか。」
「ん。」
「というわけでやってきましたもとの教室。現在は文字弾丸少女がいないため教室は非常にきれいな状態で整っております。さて今回ご紹介していくのは、、、。」
グラス兄妹がなんか言ってる。
「オニーチャン。アレ、ナニヤッテルノ?」
グラスの妹は中国人風の見た目に違わず話し方が片言風だった。グラスと半分で割ったらちょうどよくないか。片言と饒舌が合わさってちょうどいい感じに、、。
「みちゃいけません。」
グラスがすかさずツッコミ。
「おい。俺を変質者扱いすな。ていうか妹さんの初セリフそれだけどいいの?」
俺が切り返した。
「「お前も話し進めなくしてるじゃねぇか!!」」
ツッコミ返された。
「ほんだいにもどる。」
ヴィナが若干呆れた声で続ける。
「はい。了解致しました。」
というわけで説明しますか。まあそんな大したものではないため、教えても問題ないし。
「あれは自然現象を使ったんだ。別に魔法じゃないから俺でも使える。」
「ん。続けて。」
「つまり、、。」
まず俺はヴィナ側の地面に炎眼をばらまいた。そしてその周りを氷眼で埋め尽くす。この氷眼には2つの役目があった。
まず、この氷柱は眼術という魔法の一種で作られている。
何故か俺は魔法は殆ど使えない代わりに、眼術は自由自在に使うことができる。氷柱は魔法で作られているため、僅かに魔力反応が出るのだ。
そのため1つ目の利点として俺の魔力量がありえないくらい低いことを利用し、氷柱にこびり付いている魔法の残滓を大量に集めることで俺の魔料反応をごまかすことができた。
そして、2つ目の利点が単純にヴィナの周りの熱いところと反対に周囲の温度を下げることだ。
つまり、このときヴィナを中心にして二つの同心円状に温度の違う空気のエリアができていたというわけだな。
そしてだいたいこの時点では、ヴィナの周りと周辺の氷柱地帯では約150度ほど差がある。暖かい空気は上に登るため上空もかなり暖かくなっている。俺はひたすら逃げ回りながらしながら氷眼を地面に放ち続け、そしてヴィナの周りに炎眼を放ち続け、この空気の並びを壊さないようにしていたのだ。
温度差ということはつまり、、ラノベとかバトル漫画でよく使われるヤツ、そう!、蜃気楼が使えるようになるのだ!
本来であれば少し冷え始めた段階ですでに薄く蜃気楼ができていたはずだったが、ギリギリまで俺のなけなしの魔力を使って空気中の水分を操作し、光を曲げて蜃気楼のピントが合わないようにして蜃気楼を消していたが、アレは滅茶苦茶きつかった。俺の魔力はすぐにカツカツになり、疲労困憊になってしまったのだ。俺が疲れていたのはいわゆる魔力切れ状態になっていたからなんだよな。
魔法できれいに蜃気楼を消すことができたため、見事に蜃気楼を武器として扱うことができたが、魔法が使えない生身の人間が利用するのは厳しいだろう。
というわけで実際の俺がどこにいたのかを順を追って説明する。
1、空気のセッティングが整う。
2、自分の真下を急激に冷やし、頭おかしいほど冷たくする。
3、【2】の結果上空と地面で温度差が生まれ、俺は「の形のように氷柱を作り足を引っ掛けて宙ぶらりんに逆向きにぶら下がる。
4、俺と上下反対の映像が出来上がる。これに極大炎眼を防ぎ終えたヴィナが攻撃。若干煽って冷静に考えさせないように気をつけ、上から氷眼で攻撃。注意を斜め上に引きつける
5、撃ち落とされる前にヴィナの上空に巨大な氷の塊を氷眼で作りその上の通ってヴィナの後ろに回り込む。
6,【5】時点でのヴィナの思考
(1)上から落下してきている巨大な氷の塊を割るには空間槍の投擲だと5本ほど使わないと吸収しきれない(極大炎眼を空間槍を分解してバリゲートを築いたことから、少ない裂け目では吸収しきれないことがあることを予測できる。)
(2)避けた場合視界が悪くなり、空間槍の障害物にもなる。また、かなり大きく避けなければいけないためすきが増える。
この(1)(2)の考えにより接近してから氷の塊を割らなければいけないため、上空にジャンプすることは確定。
7、よって下からの奇襲で相手のパンツを見ることができる、、、、。
「最低」
「サイテイ」
「最低ですよね。」
「うるせー変態メガネ。事故だ事故。」
耳に痛い。
「なるほど、魔法で触接現象を起こさなくても間接的に魔法のようなことをできる、と。」
「まあそういうことだ。」
「では話はそのへんで。」
先生が言ってきた。少し話しすぎたようだ。周りで興味深げに他の生徒たちが話を聞いていた。
「では学校生活のスケジュールの説明です。」
みんなが座ったのを見計らって先生が話し始めた。
「まず、朝9時から昼の3時まで学校があります。放課後は自由に過ごして大丈夫です。では寮の鍵を渡すのでなくさないでください。」
そして軽い説明の後に、全員に鍵とノート代わりの魔道具の薄い板が配られた。ステータスプレートか!?と思ったけど違った。普通にタブレットっぽい。裏には模様が刻まれている。これはいわゆる刻印魔法的なやつか?それとも学校の校章的な?
「では今日はこれで終わりなのでかえって構いませんよ。うーーん。疲れたー。帰って寝よう。」
先生が背伸びしながら教室を出ていくと、何となくみんなも帰り始める。
グラスはゴソゴソとローブの中に板をしまい、グラス妹は魔力をタブレットノートにまとわせクルクルッと筒のように丸めて腰に押し付けた。タブレットは押し付けられた場所から落ちて来ない。おそらく魔力て貼りつけているのだろう。
いいなー。うらやましーなー。
言っておくが、蜃気楼を使っているときにいかにもめっちゃすごいことしてますっていうふうに語っていたけど、あのとき動かしていた水分子を全部コップに集めても底から3mmも集まらないからな!!
あんな重いものくっつけてたら俺なんて2秒でへばっちゃうよ。ああ、なぜ天は俺に眼術とか言う訳のわからないものを与えたんだ、、。
ライトは、空中に寝っ転がったままラッコのごとくお腹にタブレットノートを乗せ、どこかへすっ飛んでいった。あんなの理不尽じゃねーか!!なんで自分の体重支えられるんだよ!おかしいだろ?
ヴィナは予想に違わず魚籠裂け目にタブレットを放り込み瞬間移動して消えてった。
意外だったのは文字弾丸少女である。なにも思ったのかあやつ、パクっとタブレットノートを食いやがったのだ。え?と思って二度見したけど、タブレットノートは綺麗さっぱり消えていた。どういうこっちゃ?お前はカービィーか!そのうち物を吸い込んだり空気弾を放つだけじゃ飽き足らず空飛び始めるんじゃ、、。
もうほとんど人もいなくなったし、俺も帰るか。
俺が教室を出ようとすると小さく声をかけられた。
「あの、、。すごく強いんですね。」
それはあの気弱な女の子だった。
「えっと、、まず名前教えてくれないかな?」
「はい。私の名前はラウラといいます。」
なんだ。結構しっかり喋れるじゃん。
「えーと、下の名前で呼ぶの?名字的なやつない?」
「??みょうじとは何でしょう?」
まあいいか。
「なんでもない。で、ラウラちゃんどしたの?」
「いえ。すごく強かったじゃないですか、だから、私なんかがいて大丈夫なのかなって、、。」
「とんでもないよ。俺より強いやつなんかごまんといるし、第一神様目指してるわけだから、そりゃ弱くちゃ無理だしな。だけど今回ヴィナには負けたじゃん。」
「まぁ、それはそうですが。」
「けっこう遅いしみんな帰っちゃたから、俺たちもそろそろ帰ろうぜ。」
「はい。」
途中まで一緒に帰ったが私はこっち、俺こっちという感じで別れた。
むふふ。そこそこ可愛いっていうかめっちゃ可愛い女の子に強いと言われるのは嫌ではない!これってもしやフラグなんじゃ、、。(注:そんなことありません)
いやー。修行頑張ったかいあるぜ。
うーん。ちょっとグラスには言いすぎた気もするなぁ。ふざけて火魔法はなったときは、しっかり狙いは外しておいたし、あいつもマジックシールド的なやつで防いでいたから実際焦げたのは闘技場の床だけなんだが。
明日軽く謝っておくか。
それにしても、俺TUEEEE!!(注:この人もう一回負けてます。)
向かうところ敵なしじゃねえか俺!(注:師匠には手も足も出ませんが。)
うるせぇ。ナレーションは黙ってろ!(注:っ!?)
どこかもわからない現実と隔離された空間で何者かが喋っている。
ローブを深くかぶった男が口を開いた。
「で、どんなもんよ?」
「まぁまぁ。」
それにやや小さいローブ姿が素っ気なく答えた。
「引き抜くほどではないってことか?」
「戦力にならないとはいってない。」
「あいつはどうなんだ。あの眼術使い。」
「アレはどうだろう。腰抜けだから良くて中級神までじゃない?」
「ふーん。それにしても大将もめんどくさいことしてくれる。」
「じゃあ。」
「ああ。」
そして男が消えた。
その小さなローブ姿の誰かは完全に魔力反応が消えたのを確認する。残っていたその誰かの前にもうひとり優美で邪悪な、女性と言うには少し幼すぎるナニカが現れた。黒く莫大な魔力に包まれていて強い力を放っている。それは速水の師匠に匹敵するほどのものだ。さっと小さなローブ姿はひざまずいた。
「どーだったー?『 』ちゃん?」
「『 』様。奪うほどのちからではないと愚行します。ただ、、。」
「ただ?」
「あいつは本気を出していませんでした。私にはなにか力を振るうことをためらっているかのように愚見されました。」
「ふーん。まあいい。そいつがそいつの師匠ほどになる可能性は?」
「皆無でしょう。まず未だに魂装を発言させていない時点で論外ですね。」
「まあ、例えそいつがそいつの師匠ほどになったとしても二人まとめて消せばいい。私だけのなにかを奪ったのは貴様だ。今となってはそれが何だったかもわからないがな、、。」
「では計画はこのまま、、。」
しばらくするとその異空間ごと、二人は消えた。
こんなに大風呂敷広げて大丈夫かなあ。(既視感)
アクセス数がいつの間に1200超えていました。ありがとうございます。これからもよろしくおねがいします。




