第10話 友達100人できるかな?
私は只今、修行が一段落つき、とあるところに来ています。さて、どこにいるでしょうか?
、、、正解は学校に来ていました。学校と言っても天使用の神学学校だけど。
時は、取り立てて言うほど遡らない。
「遡らないんかい!」
「お前、やっぱり何に向けて喋ってるの?」
「いや、俺にもわからん。わかるんだったら教えてくれ、師匠。」
「・・・。」
「・・・。」
それは修行が一段落というか、終わったときのことだ。
「ぶっちゃけもうこれでいい気もする。俺も飽きてきたし。」
「後ろに本音が見え隠れしてるぞ、っとその前に、、。」
「ん?」
「よっしゃあああぁぁーー。やっとおわったああぁぁーー。」
歓喜の声を上げる速水。そしてそれを見ていた神が言った。
「まあ魔法耐性はこれ以上ジタバタしてもしょうがない。あとはちゃんと魔法とまでは言わんから眼術を使えるようになれば、大丈夫だ。」
「もしかして、やっと魔法が使えるように、、?」
「ならん!」
バッサリ切られる速水。あっさり両断する神。
「さて、お前にはいわゆるあれだ、学校に行ってもらう。ということで、ついでにタイミングいいし、お前の体の構成とかを魂含めて天使まで上げておいてやる。」
「おぉ!」
なるほど、神の前座に天使になるのか。マイエンジェルライフが今、始まる!
神が手を伸ばしてきた。
「というわけでホイ。」
触られた俺のおでこが光り輝く。なんか禿げてるみたいだ。大丈夫か?
すると、ふわあぁと輝きが立ち上り、体と速水の周辺に青白い光を撒き散らす。
神が厳かな表情で口を開いた。
「力というものは同時に義務を発生させる。お前にはたしかに人間だった頃の記憶があるし、普通の人よりも誘惑に負けやすかったり、心が弱かったりするかもしれない。だけど、これだけの修練と困難に、曲がりなりにも取り組めたことは、誇っていいと俺は思うよ。」
さわぁーと風が吹き抜けて、神の青みがかった黒い髪をふわっと浮かせていった。
やっぱり締めるところは締める神、いや師匠なのだ
「まあ俺には勝てないけどな!HA・HA・HA!」
高笑いする神。訂正。やっぱこいつ敬う必要ないや。
「というわけで、いってらっしゃーい。」
とんっと、胸を押されてふらつく。指一本なのに体勢を崩された。重心の図り方が上手いのか、それとも年季の差だろうか。見た目が子供なのに年季のさっていうと違和感があるが。
「え?ちょまっ!」
「って」、と言う前にいつの間にかできていた後ろの黒色の裂け目に吸い込まれる。完全に裂け目に飲み込まれる前に、周りの風景がひび割れて、どんどん欠片が落ちていくのが見える。なんだかかっこいいエフェクトだ。
ふっと意識が飛び、、、
気づくと俺は明るい道のどまんなかに倒れていた。
「なるほど、これで学園編スタートって感じか。うーん。、、やっぱり学校にあんまりいい思い出ないんだよな、、。」
俺はつぶやきながら、目の前の校門らしき門をくぐって行った。
学園編スタート!!