いじめ
両親が共働きで私立幼稚園に通う比較的めぐまれた生活をしていた僕。
でも小学校ですべてが崩れた。自分だけない給食。
消しゴムをひろってあげるとそれはごみ箱の中にある。はじめて画びょうが、みそ汁に入っていたときはその突き刺すような痛みに思わず嘔吐してしまった。その性で、ゲロ大魔神というあだ名をつけられてクラス全体から虐められる。疎ましそうに吐しゃ物を処理する教師。
誰もが敵でしかない。ロボットのように、学校には行けとだけいう親。
ただただ、いじめの標的になるそれだけが僕の役目。休み時間は逃げるように図書室に行く。
それさえれも許されず、どこまでも追いかけてくる。僕が一体なにをしたというのか。
抗うこともできず、ただただ耐える日々。なぜ自分だけが、もう学校に行くのが怖くてしかたない。
やっと、死という概念を理解したとき、すぐに実行した。縄跳びをドアのノブに結び付けて椅子をけ飛ばす。痛い苦しいと感じた瞬間にその縄さえも切れる。死ぬことも許されず。ただ苦しめという地獄。そんな日々に耐え続けた僕は、小学校5年生にして精神病院に入院した。
両親はいじめを学校に訴え転校も考えてくれたがそのときにはもうすべてが遅かった。
僕はすべてに無気力になってしまっていた。