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彼女の秘密
「死にたいっていうよりか消えたい。」
こんな書き込みがツイッターにあふれている。
生きることはなんと辛いことばかりなのか。
そう思って僕も何度も自殺を試みようと考えた。
でもそこで気がついたのは死ぬのも簡単ではないということだ。
死んだ後で、家族への迷惑、遺品について、そんなことを考えていると
死にたくても死ねなくなってくる。
ボタンを押すだけで、自分の存在そのものを消すことができたらどんなに楽だろうか?
そう考えた僕は、自殺教の教祖になろうと思った。
でも、一体何をすればその教祖になれるのか。それを教えてくれたのが彼女だった。
いつも遠くをみていて、焦点の定まらない目、
リスカなのかアムカのせいなのかわからないけれど夏でも腕がみえないように着ている
長袖のダサいジャージ。
雰囲気からして、まともではない彼女。
だがそんな彼女がいたからこそ今の僕がある。
あの日あの時までは。