SWEET REVENGE 登場人物紹介
中村亜美香。
暴力の天才にして、本物の変人。
偶然聞き知ったフジノに自分と同じ匂いを感じ取り、彼女のことをとても気に入って廃車両に居着くことになる。
暴力的で行動的。殺戮者。破壊魔。死の恐怖。悪魔、凶犬、狂人、怪人、死神……、彼女を示す数々の異名がその凄まじさを告げている。
彼女の無茶苦茶かつ異常な性質は一言では表現しきれるものでないが、常識と異なることだけは誰が見てもすぐわかる。
自由奔放で乱暴で、人の話は聞かないし空気も読まない野蛮人だが、本質的にはとても頭が良く、知識は多く感性も鋭い、あらゆる面で天才タイプ。
自分が他人からは理解されない異常者だと認識しているので、理解を示してくれる相手をとにかく気に入り、頼もしいデレ方をしてくれる。
好物はバナナマフィン。
黒川神奈。
留美の通う高校の生徒会長を努める。
冷静沈着。理知的な女。万難を排する鉄の意志。スーパークールビューティー。
様々な評価を受けつつも大体あってる、非現実的な程にクールな才女。
その実態は漫画作品を愛し、創作することに情熱の全てを捧げる求道者。
漫画家志望という言葉では生ぬるい、思考展開も行動力も創作活動に対する執念ありすぎな異常事態女子高生。
自分の創作意欲を満たすためならばどこまでも冷徹で合理的になり切れる。
フジノたちの冒険をそのまま漫画にしても良いということを条件に、廃工場の本来の住人たちから冒険を陰から演出するプロデューサーに任命される。
その存在を悟らせぬまま、冒険そのものを面白可笑しい内容に変質させていく。
人間すらも躊躇なくコントロールしてしまえるその手腕は、我欲と悪意に満ちている。
創作活動に際して使用するHNは「誰でもない女」。
上山裕哉。
神奈の愉快な仲間そのいち。
神奈とは地元が同じ幼馴染で、彼女主催の創作サークルの一員。
相応に漫画好き。神奈のことは尊敬の念を込めて“姉御”と呼ぶ。
家庭にちょっと問題あり。その結果、荒んでしまった悪ガキでもある。
北区で喧嘩に明け暮れていた不良のひとりで、亜美香のことも知ってる。
武道オタクで色々な武術を習得してる上に、それを使ってみたい欲が強い。暴力フリークス。
結果、異常に強い上に喧嘩慣れもしているという非常にタチの悪い不良が完成。
クズ両親と不良世界という人間の暗部に触れすぎてすっかり暗黒面に染まってしまっているが、普段はそういう背景をあまり感じさせない飄々とした軽口人間。
しかして本性は冷酷にして強靭な、手強い敵。
大森しのぶ。
神奈の愉快な仲間そのに。
神奈とは地元が同じ幼馴染で、彼女主催の創作サークルの一員。
漫画は好き。神奈のことは愛着の念をこめて“姫”と呼ぶ。
ちょっと色々問題ある幼馴染の今治紗耶香を救いたいと思うあまり、人生を順調に棒に振ってってる可愛そうな子。
基本的には紗耶香が一番大事なのだが、自分に道を示してくれた神奈のことも大事。裕哉は喧嘩仲間。
目的のために手段を選ばないを地で行く精神が出来上がっており、相応に悪ガキ。紗耶香や神奈を免罪符にすれば平気で悪いことができてしまう。
負けず嫌いで、意志が強いが、ピンチには少し脆い。
愛想は良いがスレている、半グレ系少女。
今治紗耶香。
詳細不明。狂気の淵に立つ少女。
とある神社に異常な執着を見せる、どう贔屓目に見ても変な女の子。
支離滅裂なようで、全て見通したような口ぶり。
純粋無垢なようで、どこか邪悪で恐ろしい。
愛する者を救うため、彼女は空間に“神”を見出す。
山ん中でも裸足。狂気。
本名は関口藤乃。
本作のヒロインにして主人公。
存在が揺らぐほどの窮地に立たされながらも、自己の再規定によって、より強固に“改造”された。
いわば、“フジノ改”。
改造前と比べて、強い自己肯定による精神面の安定感が増しており、生半可なピンチ程度では揺らぐことのない堅牢な自我を獲得した。
加えて、自らの存在性に意識的になったことで、性格・思想・能力等の各種設定を最適なものにいつでもアップデート可能な拡張性を備えるに至った。
服飾は赤色を中心としたものにフォームチェンジし、特徴的な眼光もやや変調を帯びたものになっている。
神奈によって規定し直された存在であるため、思考や行動における冷徹さや合理性の面で強化が施され、見るものによっては口調や表情により透徹した印象が強まった印象を与える。
留美の重要度も幾分ランクダウンしており、ざっくり言うと以前ほど彼に対して無条件に優しくなくなった。だが、初期設定者として留美を無碍にもできないという複雑な状態にある、
――関口藤乃の本来的な意志とは、最早別物になりつつある。
今井光明。
廃工場にふらりとやってきて、そのまま仲間に加わった大学生。
いつも微笑を崩さないが、その裏では何を考えているかわからない腹黒青年。
人間関係における立ち回りが非常に上手く、空気や相手の心情をよく読んで行動する。
本来はかなり利己的で、怠惰で不健全で、色んな欲望も強い退廃的な人物なのだが、そうした自分の汚い本心は基本的に表出させず、気づかせない。
大島晴香という恋人がいる。
それなりに長いこと付き合っているが、趣味や嗜好はあんまり合わない。
でも見た目は好みなので許している。
留美からすると、自分と比較せざるを得ない同性の仲間。
それでいて見るからに自分と優れていそうな光明の在り方は、留美のコンプレックスを刺激してやまない。
色々とあきらめた男。
勉強ができて運動もできて遊びも知ってて、オタクの楽しさも知りながらリアルも充実していて、友達が大勢いて、かわいい彼女もいて、人生全てが順風満帆。
だけどなんだか楽しくない。
それはきっと、彼が自分をあきらめているから。
河野留美。
本作の語り手にして、もうひとりの主人公。
コンプレックスに起因する妥協ばかりの人生を送っていたところ、フジノという強い個性に憧れ、成長を志し始める。
……だが、思っただけで強くなれたなら、人生に苦労などないのである。
逃亡しつつも思考はしたり、新しい友達を作ってみたりと、フジノと過ごした日々は彼にとって、良い経験値として着実に蓄積はされている様子。
篠原雛。
留美の幼馴染で、実は結構前から留美のことが好き。
留美が廃車両に入り浸って、少しだけ遠のいてしまったことで色々と思考が整理され、その好意を再確認することになった。
今年の抱負は留美と恋人になること。
自分で思うほど馬鹿でも無能でもないので、何かの行動に踏み切る可能性は高い。
榊慶次。
遊び好きで冒険好きなパワフル少年。運動神経高い。行動範囲広い。動くの好き。
性格は陽気で楽しいこと好き。良くも悪くも行動力に溢れ、欲望に忠実。
キャンプや登山、釣り等のアウトドアが趣味で、サバイバル技術に非常に長けている。
留美を同好の士と思い込み、なんだかんだ意気投合した挙句、お互いにとって良き友人同士に。
留美にとっては初めて自然にできた、同性の友人となる。
発想がナチュラル過ぎるところがあり、加えてアクティブ過ぎる行動力も相まって、高校などでは変わり者と思われている。
非常におしゃべり。ほっとくと際限なくしゃべり続けているタイプで、学校などでも私語が尽きずにケジメがないとよく怒られている感じ。
基本的にアホではあるが、クズでも無能でもなく、友達思いの気の良い男である。
塚本淳平。
亜美香によって壊滅した「北区」の不良世界を見限り、新天地を求めてやってきたさすらいの不良。
最初はフジノたちと敵対していたが、後に和解する。
が、様々な不運に見舞われてチーム全員が病院送りになり、そのままなんとなく退場。
直感が鋭く、陰謀の臭いを嗅ぎ取った彼は、単身再起を決意する。
樺島えり。
塚本淳平の幼馴染。
塚本が“ああなる”前からの知人。
そのため、彼が如何に格好つけた言動を演じてもその悉くを無視した上で平然と口うるさく然り、時に殴りもする。
ある意味で恐ろしい少女。
ちょっとがさつで乱暴だけど、本質的には友達思いで優しさ溢れる、田舎育ち元気いっぱい系の快活少女。
塚本の演技も本心も、概ね理解している。
吉津清。
塚本淳平の幼馴染。
えりと同じく、“ああなる”前の塚本を知る存在。
同性のためか、多くは語らずとも彼の本心を察しているようなところがある。
人を小馬鹿にしたような言動が目立つ、すぐ調子に乗るタイプ。
ナチュラルに敵を作る類の扱いづらい人間ではあるが、付き合いの長い塚本にとっては頼れる仲間たりうる。
神出鬼没の変な女の子。偶像の役者。当然偽名。
動物園の忠実なるしもべにして、冒険のトリックスター。
一人で冒険の総合演出なんて無理だと判断して、神奈たち助っ人を招集する。
元々は動物園ひかるのアシスタントか何かだったらしいが、いつの頃からか彼のお気に入りキャラになりきって生活するのが普通になってしまった。
漫画アシにしてレイヤーにして家政婦紛いの同居人……ある意味、作中で一番トンチキな人生している。
その深すぎる愛情は、動物園本人に対してか、作品に対してか、自分に対してか、飄々とした言動からは判然としない。
漫画家。本名不詳。
フジノの最初の元ネタとなった漫画『プラネット・プレデター』の作者。
『プラプレ』がそれなりのヒット作となった後、彼は表舞台から姿を消し、その後の行方は誰も知らない。
引退した説、死亡した説、世間じゃ色々言われている。
地元の廃工場を買い取り、居住用に改造して隠居生活をする変態というのが真実ではあるが、それこそ余人が
知る由もない。
色々と重要な人物ではあるが、登場するかは定かではない。