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01 過去

苛めの描写が出てきますので、ご注意下さい。

 「あ、ごめーん」

 堀川の悪びれない声が教室に響く。

 フルーツ牛乳が髪から頭皮からしたたり落ちて、制服に染みを付けた。

 小首をかしげた事で、堀川の黒く長い髪がさらりと揺れた。切れ長の目は言葉の軽さとは裏腹にさげすむ色がくっきりと映っている。整った顔立ちの為、細められた目や歪んだ口元が余計に目立つ。


 「制服濡れちゃったし、着替えてきたら?」

 堀川達は笑い声も隠そうとせず、そう続ける。彼女達が集まっているだけで、空気が華やかになる。綺麗だったり部活のエースだったり、カーストの上位にいるだけではなく、身内から溢れ出た自信が輝かせているのかもしれない。

 慣れた、というのとは違う。何と言ったら自分の感情を表現できるか分からないけども……。


 体操服を持って更衣室に向かう。

 顔は上げない。目に映るのは、笑って見ている人達と気まずそうに顔を逸らす人達とこちらを見る事もない人達だから。

 廊下で擦れ違う人達の反応も似たようなものだ。


 着替えたら図書館の隅で本を読みながら時間が過ぎるのを待つ。

 時代小説も好きだが、最近は異世界転生物もよく読む。ここではないどこかへ行ってみたいという希望は学校や仕事で疲れた人なら一度は持った事があると思う。紆余曲折あっても最後は主人公が成功して幸せに暮らす。小説に自分を投影してカタルシスを得る。そして、日常へ戻る活力を手に入れる。

 大丈夫、まだやれる。本当に駄目だと思ったら、生きる為に高校は辞めよう。


 予鈴が鳴る前に教室へ着くよう、歩く速度を調整する。教室に近付くと、クラスメイトの声が聞こえてくる。止まりそうになる足を動かし、痛む胃を抑え、一歩一歩教室へ進む。わらう声が聞こえる。

 席まで後数歩になった時、意識が暗転した。

更に一時間後(投稿の仕方が良く分からない為……)に投稿予定

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