ありがちな能力で世界最強
その世界には世界最強の男がいました。
「俺は原子分解魔法ですべてを破壊し、自分は自動修復魔法で即時に再生紙、無限の魔力を持つ。すなわち俺こそが世界最強」
「ふ。残念だったな。貴様は世界最強ではない」
「なに!?!貴様は誰だ??!!」
「俺か?俺は無職童貞だ」
「なんだと?!貴様のどこが世界最強なのだ??!」
「わからんのか?俺はトラックに引かれることで異世界に転生し、最強チート俺TUEEEハーレムになる事ができる。即ち俺こそが世界最強の存在」
「ふ。残念だったな。貴様は世界最強ではない」
「なに!?!貴様は誰だ??!!」
「俺か?俺はミヤモトとその親友トミタにいつも虐められているクラスカーストの最低片にいるマサツグだ」
「なんだと?!貴様のどこが世界最強なのだ??!」
「わからんのか?俺はトラックに引かれずともクラス集団転移で底辺職なのにご都合主義で最強の存在になる事ができる。即ち俺こそが世界最強の存在」
「ふ。残念だったな。貴様は世界最強ではない」
「なに!?!貴様は誰だ??!!」
「俺はユーチューバーだ。チェーンソーを持って宅配便業者の事務所を襲撃する動画を投稿した。即ち俺こそが世界最強の存在」
「いやコンビニのおでんをつんつんする動画を投稿した俺こそが世界最強の存在」
「いやいや電車のレールの上に乗って威力業務妨害する決定的な証拠動画を配信した俺こそが世界最強の存在」
作者注:電車のレールに乗って電車を止めると一千万円単位の損害賠償が来ます。ユーチューブの配信報酬くらいじゃ到底賄えないので絶対にやめましょう。
「ふ、なんと下等な連中だ。やはり日本人は取るに足らない存在であったか。その命、すべて我ら高位次元存在が更なる高見へと到達するための燃料として捧げるがよい」
「なに!?!貴様は誰だ??!!」
「我か?我々は偉大なる大韓民族なり」
「我らは従軍慰安婦像を造るというスキルを持っている」
「これはお前達下等な劣等日本民族が転生チーターになったとしても、コピーする事も強奪する事もかなわないスキルなり」
「我らはこのスキルで世界中に従軍慰安婦像を建立する」
「さぁ下劣な日本民族よ。我らに謝罪と賠償をせよ」
「む、寺に仏像があるな。これは千年前に倭寇が盗んだものだ。我々偉大なる大韓民族が保全しよう」
「お、お待ちください!それは400年前江戸時代に造られた物です!!」
「何を言うこれは倭寇が盗んだものだ。我々の裁判所が認定したからそうなのだ」
「でも仏像の裏に元和元年って年号が彫ってあるんですが?」
「・・・・」
じょりじょりじょおおーーり
「年号なんてないな。やはりこれは倭寇が盗んだものだ」
「ああ!貴重な文化遺産に傷をっ!!!」
ピロピロピロピロ
「はいもしもし。在日特権という世界最強の能力を持つ我々に何かご用ですか?え?!なんですって?!!はい!ぜひ協力させていただきます!!」
「誰から電話だったのですか?」
「R4代議士様だ!!!」
「R4代議士?」
「R4代議士様は世界最強の存在だ!二重国籍という世界最強のスキルを持っておられるのだ!!!」
「二重国籍?それはいったいどのようなスキルなのですかっ!!!?」
「二重国籍は中国人でありながら日本の国籍を持つことで日本の国会議員になる事ができるスキルだっ!!!」
「その二重国籍という世界最強のスキルで何ができるのですか?」
「ふ、わからないのか?では教えてやろう。これは日本人の転生チーター共にはコピーする事も強奪する事もかなわない。むしろそんな事をすれば自分の方が不利になるスキルなのさっ!!」
「なんですって!それは世界最強ですね!!!」
「R4様はこの二重国籍国会議員として、日夜我々の為に尽力しておられる世界最強の存在なのだ!」
「して、そのR4様はなんと?」
「最近極右政権の案部政権の連中が勢いづいているので応援周回に参加してほしいとのことだ」
「世界最強のR4様の危機は我々の窮地でもあります!ぜひ参加しましょう!」
・・・・
「大変です!平日の昼間に集会を開こうと思ったら300人しか人が集まりませんでした!!!」
「安心しろ!私には夕日テレビに知り合いがいる!彼に夜10時台に世界最強のねつ造報道をしてもらえば問題ない!周回に30万人集まったことにするんだ!!」
「30万?!南京大虐殺の犠牲者と同じ数ですね!!!」
「そうだ!シリアでアメリカとロシアの空爆で3年間かけて死んだ犠牲者と同じ数だ!!」
「まさに世界最強です!!!」
(アルバよ。アルバよ。目覚めるのだ・・・)
(私に語り掛けるのは、誰ですか?もしや神?)
(神?日本人の転生チーターに瞬殺されたり力をすべて奪われるような矮小な存在ではない。私はアメリカ第45代大統領ロナルド・ロランプ。正真正銘。真の世界最強存在である)
(真の世界最強存在?アメリカ大統領が?)
(アメリカ大統領はフィクションの世界においても世界最強。よって私は世界最強なのだ)
(しかし、それはフィクションの中だけなのでは?)
(こういったものがいる。「このハンバーガーは世界で最も売れているから、世界で一番うまいのだ」。つまり、日本のライトノベルよりハリウッド映画の方が売れている。日本人転生チーターより、マシンガン片手にテロリストと戦うアメリカ大統領の方が世界最強なのは彼ら自身が逆らえないルールなのだ。熱膨張や粉じん爆発と同じなのだ)
(確かに。まさにアメリカ大統領は世界最強)
(そして私は世界最強のアメリカ大統領として相応しい数々の行動をした。テロリストの温床たる移民を排斥し、治安を回復した。そしてアメリカの持つ負債をメキシコや中国に押し付けた。さらにアメリカの防衛を日本に担わせることもやった。政治、経済、雇用、軍事、あらゆる点において私は世界最強だった)
(まさしく、貴方は我がアメリカ合衆国の誇るべき大統領です!アメリカ万歳!!!)
(だが、日本人ラノベ主人公達は私が倒せないのとわかると、狡猾にも私が大統領になった西暦2017年以降の人類の歴史を消滅させようと目論み始めたのだ)
(どういうことです?)
(簡単な事だ。歴史を過去に遡り、アメリカの国家という誕生を阻止する計画を奴らは始めたのだ。連中は、なろう主人公達はアメリカ建国200年の歴史を焼却し、3億のアメリカ国民事私の存在をなかったことにするつもりなのだ)
(なんということだ!!このままでは全人類の、全世界の危機です!!)
作者注:ハリウッド映画的にはこの表現は正解です。
(アルバ。君に私の持つアメリカ大統領の力を与えよう。そして1776年に遡り、アメリカを護ってくれ・・・!!)
(わかりました!地球の未来を、全人類を必ず救ってみせますっ!!!)
「眠気覚ましのコーヒーが入ったわよー」
「プラバッキー女史!私は合衆国第45代大統領の魂と邂逅したぞっ!!地球を救うため、まずは人類悪であるニコラを倒し、世界の電気規格を交流から直流に変えよう!!!」
「・・・トーマス、貴方発明のしすぎで少し疲れているのよ。コーヒーはやめてホットミルクにするにわね」
おまけ
魔法学科「僕は強いんですよ」(ドヤァ)
ロランプ大統領「来いよ魔法学科生。魔術なんて素手でな」
魔法学科「ふ、なぜそんなことを・・・な、魔法を使わずに素手で戦う事しかできないだと?!!うがあああ!!!!」