なにはともあれ
『┣エ○┗\∃∠⊃上』
炙り出して紙に現れたのは、そんな暗号。
ひっくり返し縦にして横にして、それでも俺には何が記されているのか解らなかった。
「これを送って来たのは?」
桜海がそう訊いてくるので俺は、それに素直に答えることにした。
「これを俺に送ってきたのは、睛堂 慶三。・・・校長だよ」
桜海は驚いたようだったが、それをおくびにも出していないかのように振る舞う。
「・・・だとしたら、至極あの人らしいです」
?
どういうことなのだろう。
「校長は、こういう暗号文が大好きな人でした。ただ、一見難解に出来ているものは、大抵答えがとても簡単なんです。あの人、こうも言っていました。
・・・柔軟な視点を持つんだ、と」
はいはい、俺は硬いですよ。
と思いつつ、再び紙の暗号を見てみる。
『┣エ○┗\∃∠⊃上』
「・・・」
駄目だ、やはり判らない。
ゆっくり、紙を傾けて見る。
「・・・っっ!!」
俺は桜海を呼んだ。
「その顔を見る限りだと答えが出たんですね?」
「ああ。ここに記されている内容は
『THorノ山へUケ』。
『トールの山へ行け』ってなってるんだよ!!」
「それって何処です?」
・・・・・・あ。