無常観ベール
私のまわりにはベールがある
みんなの顔にモザイクをかける
美しい街並みも
ネオンカラーの夜も
いつかは消えてしまうのだと
心に蓋をしたのは何時だったか
無常観無常観無常観無常観無常観
あるものは消える
恋人、友人、命
あらゆる有機物
誰かと話すたびにその人から離れる気がする
その人を知るたびに孤独になる
誰とも分かり合えないと
誰も私を分かりはしないのだと
無くなってしまうモノに
意味をつけては
消え
泣く
だから私は世界と距離を置いた
心にベールの壁を作った
ベールは薄い
けれど
何枚にも重なって世界を歪め見えなくする
私のベールを
誰か
壊して
此のベールも何時かは無くなるのだ
無常観ベール