第一話
―ニュースの時間です。
今朝方、東京市内でフェンタムが出現しました
付近の住民は速やかに避難をしてください。
「またか・・・。この一か月で何件目だ?まったく・・・。」
テレビを見ながらそう呟いたのは一人の男。
彼の名は淡島白斗。
どこにでもいるいたって普通の男だ。
今日は日曜日。
久々にゆっくりできる時間のある日だ。
だからこそ、かねてより行きたいと思っていた本屋に行こうと腰を上げた。
「さてと、行くか・・・。」
支度をし、靴を履いていざ、と家の扉を開けると目の前に見えたのは巨大な棒だった。
「・・・は?なんで棒があるんだ・・・・?」
よく見るとそれは巨大な足だった。
「まさか、フェンタム!?」
あっけに取られているとその足が動き出した。
思わず、その動きに合わせて視線を動かすと、その進行方向には子供がいた。
―頭で考えるよりも早く体が行動していた。
「あぶねぇっ!!」
巨人の足に踏まれかける所を間一髪で子供を助けることに成功した。そして、そのまま子供を逃がした後、自分も逃げようとしたが、足を負傷したらしく、思うように動いてくれなかった。
「くそっ・・・!!」
フェンタムの足がこちらに降ろされようとした瞬間、目の前が影に覆われた。
「お前、邪魔。」
「はっ・・・・?」
突然聞こえた女の声は淡々と用件だけ告げ、俺は後方に吹っ飛ばされた。
その時、ゴッっと音がした。
―あーこれ頭打ったな・・・
それと同時に俺の意識は闇に落ちていった。