刺客の親友
霊夢と緑野は、神社で晩ご飯を食べていた。
「ねぇ、霊夢さん」
「何?あとさんは付けなくて良いわよ」
「分かりま……分かった、霊夢さ……霊夢」
ちなみに晩ご飯はそうめんであった。
勿論冷たい方。
「で、何?」
「どうやったら元の世界に戻れるんですか?」
「敬語じゃなくて良いのよ」
「あ、すみません……」
「また敬語になってるわよ」
「はっ……!」
敬語なのを指摘して、霊夢は質問があったのを思い出した。
「元の世界って……あんたの能力で帰れないの?」
「帰れないんでs……だ、何故か」
緑野の能力は「平行世界を歩く程度の能力」(あくまでもサブ)である。
こちらは魔法で得た後天性の物で、普通この能力を申告する事は無い。
「うーん……何でかしらねぇ……」
「何か能力禁止結界でも張ってあるのかなぁ……」
「誰がそんな……紫?」
「あ……あの人がそんな事するかなぁ?」
「そうよねぇ……」
そんな会話をしていた時、神社の戸が勢いよく開いた。
霊夢はそれを不審に思い、
「あら?こんな夜更けに誰かしら。
緑野、ちょっと見てきてくれない?」
「彼奴……人間……!?」
「……聞いてるの?」
此奴、厨二病だ。
「あ、あぁ、聞いてるぜ……」
「人間でも妖怪でも何でもいいから、早く見てきて頂戴」
「は……はい」
あとでうわあああ聞かれてたあああだか恥ずかしいいいいだか
聞こえた気がするが、今はどうでも良かった。
「……え、湖季?」
「湖季?誰よそれ?」
緑野が発した言葉に返事を返す霊夢。
「おい湖季、そんなに目を死なせてどうし」
「……」
「ヒッ……!」
威圧されたようだ。
「で……見に来たけど、あんたも魔理沙にそっくりね。
また魔理沙の妹とでも名乗るのかしら?そこの魔女みたいに」
「……私は霧雨湖季……」
「やっぱり、あんたもなのね。
何で妹ばっかりなのかしら?」
霊夢は思った、少し魔理沙の妹を名乗る人物が多すぎると。
「ところで湖季、一体何の用だ?
そもそも何でこの世界にい」
「……」
「……何でシカトするんだぜ?」
霊夢がチラッと確認すると、緑野は半泣きだった。
いやもう泣いていた。
「……で、あんたは何の用?」
霊夢が警戒して問うと、
湖季は人差し指を霊夢達に向け、こう言い放った。
「私は、この神社に宣戦布告をする」