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Ⅷ:旅人の町<トラベルト>

 前回のあらすじ。


・ごめんなさいごめんなさいごめ(略)


・ブレードウルフを追い払った(らしい)!

 トウカ達が起きるのを待っていたら昼までかかりそうだったので、とっとと起こして歩く事数時間。 ようやく森を出る事ができました♪


「やっと抜けたぁ~……」


「でも、真っ暗ですね……」


「同じ所を30回もグルグル回っていたんだから当然でしょ!」


 まさか、分かれ道にある看板の矢印が反対になっていたとは……この森、恐るべし。


「さっ2人とも! 町まで後少しなんだから頑張りなさいよ!」


「ピュイッ!」


「ピャピッ!」


 元気の無い僕達とは打って変わって、体力の有り余っている様子の皆様。 体力あるなぁ……


「今日もベットで寝れないなんて、絶ッ対に嫌だからね! ほらっ、キリキリ歩く!」


 ……訂正。 快適な睡眠環境を求めていただけのようです(結構大事な事だぜ!)。



 ~~そんなこんなで30分後~~



「「「やっと着いたぁ~!」」」


 旅人の町<トラベルト>に到着しました。


 ……え? 何でそんな事知ってるかって? このページの一番上にデカデカと書いてあるじゃないか♪


「じゃ、アタシ達は<ギルド>に行くから。 ほらっ、行くよシズク」


「わかりました。 それじゃ、またいつか……」


(<ギルド>だとぅ!? 恰好といい、魔法といい、マジでゲームの世界だなオイ!)


 僕の心境は置いといて……2人はそういうと、(シズクだけ(、、、、、)ちょっぴり残念そうな顔をして)歩き去った。



『 シズクへの(、、)好感度が10上がった! 』



 ……皆様。 お願いですのでスルーしてください。


「さて…… 行くぞお前達!」


「ピュイ♪」


「ピャピ♪」


 さぁ! 今から1人で、誰もが1度は憧れたファンタジー世界の冒険だぁ!


 まずは宿探しだ! もう夜だしね!



 ~~移動中~~



「ここか……」


 聞き込みをしながら、巡り巡って約1分(そこまで巡ってないんだけど!?)。 ようやく宿に到着です。


 そこは、平屋の一軒家でした。


 ……って、ここに泊まるの!? 満室の可能性大だよね!?


 まさかの野宿フラグに困惑していると、宿屋(?)から誰かが出てきた。


「アンタ等、客か?」


「え? ……あ、はい」


 ついつい生返事で返してしまう僕。


「そうかそうか! ガーハハハ! ここが最近流行りの<トラベルト>名物! 超低層ホテル<タカクナーイ>だ! ガーハハハ!」


 そう言って豪快に笑うのは、上半身が見事な逆三角形の形をしていて、丸太のような腕を組んだ大男。


 完全にその筋の人(ヤ○キー)にしか見えないが頭の上の猫耳のせいでなんとも言えない雰囲気を放っている。


「超低層ホテルぅ!?」


「いかにも。 超低層ホテルだ」


 そんな事を考えていたら、無意識のうちにツッコんでいた。 たぶん特殊能力のせい。 ……意外と便利♪


「そのまんまだ。 地下50階まであるダンジョンを吾輩がホテルに作り替えたのだ! 宿内(ダンジョン)に巣食う魔物を15匹以上倒せば、宿代はなんとタダ! タダで休めて、ついでにレベルアップできるのだ! お得だろう?」


「た、タダだってぇ~!?」


 そう言えば、僕って一文無し(=この世界の通貨を持っていない)じゃん! 何という幸運!



『 宿泊しますか?   いいえ   はい 』



 さ~て、早速出てきたウインドウの『はい』を……って危なっ! 入れ替わってるとかアリかよ!


 危うく『いいえ』を押しそうになりながらも、やっと休む事ができそうです、まる。

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