Ⅳ:初戦闘
前回のあらすじ。
・皆で猛ダッシュ!
・まさかの事態、四面楚歌(?)!
・行き止まりじゃねぇか!
・戦闘開始っ!
「いくわよっ! 【拳一閃】!!」
「私もいきます! 【風弾】!!」
ポニーテールが一瞬で間合いを詰め、謎のオーラを纏った拳をギガントベアーに叩きつける。
そして、ギガントベアーが態勢を崩したところに、エルフの放った黄緑の何か(おそらく風)が直撃。 ギガントベアーをその辺の木にブチ当てた。
おぉ…… まさしくファンタジーだ……
「ナイスコンビネーション!」
「だ~か~ら~! アンタも戦いなさい!(ボコッ)」
褒めたのにポニーテールに殴られた。
「イテテ…… んな事言われてもどうすれば…………んっ?」
と、頭の中に何かが浮かんできた。
『 ■■■■■ Lv3
HP 20
MP 0
魔法
・無し
特技
・【土下座】:最上級の謝り方。 たまに頭を踏まれる。…消費MP1 』
なるほど。 能力と使える技がわかるのか。
……名前のモザイクは謎だが。
「……って、何もできないっ!?」
土下座で消費MP1!? MP0なんだけど!?
ってか、僕って謝る事しかできないの!? しかもその方法が土下座一択!?
せめてMPを1だけでも良いから増やしてくれぇ!! じゃないと謝る事もできなさそうだからっ!!
……そんな風に世界の不条理に訴えかけていると、呆れたような顔をしてポニーテールが言った。
「あのねぇ…… 何もできなくても、【魔物使い】なんでしょ? 早く魔物に命令しなさいよ……」
「……おぉ! その手があったか!」
それでは早速。
「ギガントベアー! 今すぐに森へ帰れ!」
「グルル…… ガァアアアアア!!」
『 ギガントベアーには命令できない! 』
……あれ?
「アンタねぇ…… 味方にしか命令できないに決まってんでしょ!(ボコッ)」
またポニーテールに殴られた。
「アイタタ……それじゃあ、青いの! アイツを倒せ!」
「ピュイッ?」
『 スライム(青)は戸惑っている! 』
「具体的に何をするか命令しなさいよ! 困ってるでしょ!(ボコッ)」
また殴られた。 これで今日3度目。
「頭蓋が陥没しそうなんだけど! って、具体的にってどうすれば……」
その時、頭にウインドウ(今命名)が浮かんできた。
『 スライム(青) Lv50
HP 286
MP 255
魔法
・【絶対零度】:全ての物を凍てつかせる光線を放つ。 -273.15℃。…消費MP50
・【恵みの雨】:味方全体を回復させる。 砂漠で使うと感謝される。…消費MP24
特技
・【氷結撃】:氷を纏って突撃。 霜焼け注意。…消費MP8
・【体当たり】:そのまんま。…消費MP1
・【癒す】:キラキラした目で見つめる。 仲間のモチベーションが上がる。…消費MP0 』
……何だろう。 全てにおいて負けた気がする。
「ま、まぁ、とりあえず…… 青いの! 【絶対零度】だ!」
「「……えっ?」」
「ピュイィッ!」
少し間抜けな声を出した2人を放置して、青いのが魔法を発動させる。
青いのの足元(?)に光り輝く水色の魔法陣が出現。 そして、光が青いのに集まっていき――
「ピイィイイイ、ユウゥウウウ、イィイイイイイ!!」
――極光の青白い光線となって、放たれた。
…………眉毛の様な部分(『 ´・ω・` 』)から。
「……って、そっから!?」
ただの模様だと思ってたのに…… 何だか裏切られた気分。
……まぁ、そんな僕の心境は置いといて。
青いのから放たれた光線は、周囲を凍てつかせながらギガントベアーに直進し、見事に命中。
ギガントベアーは、そのままの姿で氷像となりました♪
「おぉっ! 凄いじゃないか青いの!」
「ピヤッピ!」
「ピュイピユ~イ♪」
無邪気にはしゃいでいる僕達とは反対に――
「…………え……?」
「…………嘘……」
――少女2人は、目を丸くして呆然としていた。
2/18) 文章をちょこっと訂正。