Ⅲ:皆で走りましょう
前回のあらすじ。
・森に放り出された!
・赤いのが現れた!
・でっかい熊さんに遭遇!
・逃げてる途中に少女2人に遭遇!
・皆で走る!
「つ、ついてこないでぇ!!」
「そんな事言われても、道がわかんねぇんだよぉー!!」
「ガァアアアアア!!」
6名で森を爆走中の僕達。
後ろを見れば、恐ろしい熊が恐ろしい速度で走ってきてます。 そんなに怒ってどうすんの?
かといって前を見ると、少女の1人(アマゾネスのような恰好で、茶髪をポニーテールにしている)が、走りながら凄い剣幕で睨みつけてきます。 折角の整った顔が台無しだよ?
そして下を見ると、青いのと赤いのが頑張って跳ねてます。 あ~、癒される~。
さらに上を仰げは、巨大な木々のせいでお空が見えません。 ……ホントに真っ暗なんだよ?
……さあ、前後上下を挟まれた、四面楚歌(ちょっと違う)な状況。 どうする? マジでどうするよ僕!?
「……ねぇシズク。 私達、町に向かっているはずよね?」
ポニーテールが、隣の少女(ダボダボの魔法使いみたいなローブを着て、肩までの金髪に碧眼で、耳が横に尖っている。 エルフだろうか?)に向かって話かけた。
「えっ!? 町に向かってるんじゃないんですか!?」
「いや、そのはずなんだけど……さっきから町に着かないよ~な気が……」
「あっ、そういえば……」
前を走っている2人から、そんな会話が聞こえてくる。
……ってちょっと! 町に着かないってどういう事!? そろそろ足が限界なんだけど!
『 前の2人から不安な会話が聞こえてくる……
パニックになりますか? はい いいえ 』
何この選択肢!? 『パニックになりますか』って何!?
……と、とりあえず、お決まりの選択肢の『いいえ』を全力で連打する。
『 パニックになりますか? はい →いいえ 』
『 パニックになりますか? はい →いいえ 』
『 パニックになりますか? はい →いいえ 』
「……は?」
消えないってどういう事!? 『はい』を押すまで無限ループなのっ!?
まさかの事態に、すでに僕の頭はパニック状態です。
「……まさか、この先行き止まりだったりして……」
「あ、あはは…… トウカちゃん、そんな事言ってたら本当に行き止まりに――」
ついに、森を抜けました。
目の前には、見上げるほどに高い崖がありました。
「――なっちゃいました!?」
はい、行き止まりです。
「……仕方ないわね。 戦うわよ!」
少女達が巨大な熊に向き直る。
……よし。 戦闘は全て彼女達に任せよう。
「じゃ、僕は隅っこで観戦でm「アンタも戦うのよっ!!」
えぇっ!? マジですかぁっ!?
2/18) 文章をちょこっと訂正。