ⅩⅤ:懐かしの小屋
「先生☆ 前回のあらすじ聞きたいZE☆」
「ハハハ☆ 任せNA☆」
・フラグ立てんな!
・シズクが倒れている!
・神様テメェ!
・ギガントベアー軍団!?
・キャルトin巨斧&キャロルin巨槌!
・重なる=戦闘モード!
・出す場所色々間違ってる!
・シズクを助けた(ただし迷ってる)!
「こんなもんだZE☆」
「サンキューだZE☆」
~~前回のあらすじ~~
無事、魔王四天王+その他を撃破した(匿名希望)は、ショボン・キリー・ネミー・女子4人を引き連れて、『聖剣:えきゅすきゃりばぁ』を手に、魔王の元へ歩いて行くのだった……
~~あらすじ終わり~~
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「ちょっと待て! いきなり別の話が始まってるんだけど!? どうなってるのこれ!?」
「おにーちゃんどーしたの?」
「なんだかへんですよっ?」
画面の前の皆様! 正しいあらすじは話の初めの先生と生徒のミニコントのヤツだよ! by名無し(仮)。
……まぁ、そんな事は横に置いてから空の彼方に蹴り飛ばしまして。
はてさて、現在地は……『Ⅴ:Let's 自己紹介』~『Ⅶ:月夜の戦い』間に泊まっていた、例の小屋です。 3時間位歩いてたら着きました。
「うぅっ……ここは……?」
「シズク、起きて大丈夫なの?」
「うん……」
そんな事をしている間に、ギガントベアー軍団を倒してからもずーっと気絶していたシズクが目を覚ます。
「……あれ? 魔物使いさん? 何で?」
「いや、このポニーテールが助けを求めてきたんでな。 ……ちなみに、こっちの金髪ツインテールはキャルトで、こっちの銀髪ツインテールはキャロルだ」
それぞれ、指で天真爛漫を体現したような2人を指す。 すると、2人共元気に自己紹介。
「キャルトだよ!」
「キャロルですっ! シズクおねーちゃん、よろしくおねがいですっ♪」
「【精霊族】のシズクです。 よろしくね」
そう言って、互いに握手をする3人。 その時、3人の表情が一瞬ピクッとなったような気がした。
「そういえば、話は変わるが……キャルトとキャロルのアレは何なんだ?」
皆様の気になっている事を、代表して聞いてみました。
「「えーっと…… おとーさんにもらったの!」」
……この子達のお父さんって魔王かなんかなのか?
その後、様々なフラグを立て、回収に追われる作者の苦労を嘲笑いながら、睡魔と外の闇とトウカの一言によって、僕は眠りについたのでした。
……あ、見張り番は誰がやったのかって? ジャンケンで10連敗したトウカがやってくれる事になったぜ♪ ざまーみろ♪
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「……ください。 魔物使いさん、起きてください(ヒソッ)」
「んんっ……シズク……?」
深夜、月が頭の天辺に昇る頃。 シズクがいきなり僕を揺り起した。
周りの皆様はぐっすりお休み中。 ……ってか、一部屋しかない小屋っていう設定なのに、皆して布団を敷いて寝れるなんて……随分広い小屋だな(むしろ大屋?)。
そんな事より、何でシズクが僕を起こすんだ? ……この状況はまさか、(良い子は見ちゃダメッ!)な事をされるのか!?
「あの……1つお願いが……」
顔を近付けて、そんな事を言ってくるシズク。 僕の心拍数はうなぎ上りです。
「な、何でございましょうか……?」
「あの……その……」
少しもじもじしながら、僕の耳に口を近付けると、とても小さい声で言った。
「…………私に……魂をください……」
「はいっ?」
え? 何と言いました?
「だから……私に、貴方の魂をくださいっ!」
シズクが強く言い切ると共に、どんどん力が抜けていく!? しかも抱きついているせいで抜け出せないし!
「なっ……!?」
僕が困惑していると、急に声色を変えて、シズクが言った。
「……フフッ。 さようなら。 哀れな魔物使いさん♪」
月明かりに照らされたシズクは、銀髪で真紅の目をしていた。 ……何この展開。