Ⅰ:始まりは唐突に
始めまして。 ツキカゲと申します。
処女作なので、大目に見て頂ければありがたいです。
今日も、いつも通りに学校に行って、いつも通りに授業を受ける。
そしていつも通りに家に帰って、いつも通りに玄関の戸を開ける。
「…………(ぷるぷる)」
「…………」
すると、いつも通りじゃないものが現れた。
「…………(ぷるぷる)」
「…………」
「…………(ぷるぷる)」
「…………」
「…………(ぷるぷ「は?」
そこに居たのは……正面に『´・ω・`』って書いてある、プルプルした青いお饅頭だった。
「何だコイツは……?」
「ピュイ♪(ぴょんっ♪)」
「っ!?(ビクッ!)」
謎の物体Xが鳴いた。
謎の物体Xが跳ねた。
どうやら生きているようだ。
(……って、何を冷静に実況しているんだ僕は!)
……っと、取り乱すな僕! 冷静に、あくまで冷静に今の状況を整理するんだ。
いつも通りに家に帰る
↓
謎の生物Xに遭遇
↓
今の状況
「駄目だ…… 全く訳がわからない……」
「ピュイ?」
自分の理解力の無さに軽く絶望していると、何かが頭に浮かんだ。
『 生物Xが心配そうにこちらを見ている……
癒されますか? はい いいえ 』
「何だこりゃ!? ツッコミ所が多過ぎるぞ!?」
『癒されますか』って何!?
そもそも、何この選択肢!?
ってか、心配そうに見てるんだったら今の状況を説明してくれぇ!!
~~しばらくお待ちください~~
……さて。 とりあえず、『はい』を押すようにイメージしてみる。
『 →はい いいえ 』 ポチッ♪
あ。 押せた。
「ピュイ~♪(キラキラキラキラ……)」
生物Xが、キラキラした目でこっちを見てる……
癒されるなぁ~……
「……ん?」
また、頭に選択肢が浮かぶ。
『 スライムが仲間になりたそうにこちらを見ている……
仲間にしますか? はい いいえ 』
「へぇ。 アンタ、『スライム』っていうのか。 ……ってちょっと待て!」
スライムってあれか!?
RPGとかによく出てくる雑魚か!?
ゲームの住人が、何でこんな所にいるんだ!?
『仲間にしますか』ってどういう事だ!? ……ってそういう事か。
ってか、『仲間』って何!?
今から、『スライム引き連れてゲーム世界に召喚されちゃいました♪』ってなんのか!?
どういう事だ説明しろ作者ぁ~!!
『 →はい いいえ 』 ポチッ♪
あ。 押しちゃった。
『 スライムが仲間になった!
貴方は異世界に召喚された! 』
「…………はい?」
異世界? 召喚? 何それおいしいの?
キョトンとしている俺を放置して、いきなり足元に光り輝く魔法陣が現れる。
「ピュイッ♪(ぴょ~ん、ぽふっ♪)」
そして、生物X(断じてスライムとは認めない)が俺の頭に飛び乗り――
ガゴン!
「は? ……ってちょっと待てギャアアアアア!!」
「ピュイ~♪」
――訳のわからぬまま床が抜け、俺は落ちていった。




