神様?信じられるかそんなもんby葉
俺や瀬名や橘がゲーム部に入部して何日か過ぎた後の休日、俺はぼろっぼろにさびれた神社の前にいた。
なぜ俺がこんな薄汚い神社にいるのかと言うと、瀬名が
「明日から旅館の経営もはじまります。なので、父さんたちがよく行っていた神社に願掛けに行きましょう。」
と言ったからだった。
「ったく面倒くせえな。なんでこんな朝っぱらからこんなさびれた神社にいなきゃいけないんだ。」
そう、今はすごい早朝である。というか、太陽が見えるか見えないかという時間帯なので、多分深夜じゃないのだろうか。
「文句をいうんじゃありません。今日は旅館の準備で忙しいのですから、こんな時間帯にきてるんじゃありませんか。」
そう言われてもなぁ、眠いしそれに微妙に寒い。
ふと、橘のほうを見てみる。いつもの無表情だった。
俺はつれてきたユニの体を抱くことにする。これだけでも結構あったまるし。
「兄さん、橘さん、早くお参りをして帰りますよ。」
瀬名に促されて、俺と橘はお参りをしに行く。
「ていうか、なんでこの神社なんだ?ちょっと遠くへ行けばもっと立派なのがあっただろ。」
「父さん曰く、ここは旅館や宿屋の神様の神社なんですって。私たちにはちょうどいい神社でしょ。」
賽銭箱にお金をいれる。50円でいいか。
そして手を二回たたいてじっくりお願いをする。
(一応、旅館が繁盛するように、でいいか。)
お参りが終わったので、早く帰ることにする。そのとき、神社の中から、どんっっ、という音がした。
「今の音は何なんでしょうか...」
俺も気になる。なんでこんなさびれた神社からあんな音が聞こえるんだ。
いや、別に立派な神社でもあんな音が聞こえたらきにするがな。
橘は珍しく驚いているようだった。こいつでも驚くんだんな。
「新しいエネルギー生命体?私と同じくらいのエネルギーでそれも突然に...」
橘はなにかぶつぶつと言っているようだったがよく聞き取れなかった。
音の正体も気になるし、とりあえず中を覗いてみますか
神社の扉を開け、中に進んでいく。そして最後の扉を開けた時、俺達が見たのは、倒れている少女だった。
その後、俺達はその少女を旅館につれてかえり、介抱していた。
「うぅん。」
起きたみたいだ。とりあえずこの子は何者か聞いた方がいいか。
「起きてすぐですみませんが、あなたはどちらさまですか?なんであんな場所でたおれていたんですか?」
瀬名が聞いてくれた。手間が省ける。
「そ、そっちこそでれじゃ!余に気安く話しかけるでない!」
...なんだ、この偉そうな態度は。人がせっかく介抱してやったというのに。
「は、早く質問にこたえい!ここはどこじゃ、お主たちはだれじゃ!」
「まずそっちから答えろ。人に名前を尋ねるときは自分から名乗るのが礼儀じゃないのか。」
「ふん!余がお主たちみたいな人間に答えるわけないじゃろ!」
おいおい...お前も人間だろ。
「何わけわかんないこといってんだ。お前だって人間だろ。」
「余をお主たちみたいなものといっしょにするな!余は由緒正しき碧陽神社の神であるぞ!」
「...わかった。ちょっと落ち着け。今から病院を紹介してやる。安心しろ、腕はたしかだぞ。」
「何故かすごくばかにされた気がするのじゃが!?病院などにいかなくても、余はちゃんと元気じゃ!」
面倒くせぇ。とっとと警察にいって預けてきた方がよくねえか。
そう思っていると、橘が俺に反論してきた。
「あながち間違っていない。その子は人間ではないし、私のような宇宙人でもない。」
そう橘が言ってくる。忘れてたが、瀬名も橘の正体を知っている。瀬名だけに隠しておくのも気が引けるしな。
橘が言うんだ。間違いはないだろう。それでも信じれない。というか信じたくない。この目の前にいる偉そうな奴が本当に神様だなんて。
「そこまで言うんだったら、何か証拠でも見せてみろ。」
俺がそう言ってやる。
「はっ、余をなめるでない!」
そういって何か変な光の玉をユニにぶつけた。
おい...だいじょうぶなのか...。ユニがわんわん鳴いて、どんどん光の玉に飲み込まれていく。
光が消えた時、髪の毛や肌が病的なまでに真っ白な、素っ裸の少女がでてきた。
俺はあわてて目をそらし、自称神のほうに向く。
自称神は、すごく偉そうにしていた。
「どうじゃ!犬の擬人化じゃぞ!こんなことができるのは神ぐらいしかいまい!。」
っく、認めたくないが仕方がない。こいつを神として認めよう。
「わかったよ。お前が神だってのはわかったから、早くユニを元にもどせ。」
そう促す。なんせあの姿は健全な青少年には目に毒だ。
すると、そいつは、
「うん?もう元には戻せないぞ。」
笑顔で爆弾発言をいいやがった。