新学期。新しいクラスメートとあと電波女。
それでは、第二話どうぞ!
翌日、俺は俺が通っている学校高原学園への道を一人で歩いていた。瀬名は新入生挨拶の事があるといって俺より30分は早く学校へ向かっていった。
「全然ねむれなかった...ま、考えても仕方ないか。それより新しいクラスがどうなっているかのほうが問題だ。またあいつらと一緒だなんていやすぎる。」
あいつらというのは、おれが一年のころ同じクラスだったやつらの事だ。あいつらは個性的すぎるキャラばっかりだったからな。あいつらと一緒にいると俺がひどく小さく感じてしまう。
俺がそんなことを考えているとどこからか俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
「葉ちゃーーーん!ちょっとまってーーーー!」
俺が振り向くとそこに去年クラスメイトだった水無月風花がいた。
「えへへ、おはよう葉ちゃん」
「ああ、おはよう。それといつになったらちゃん付けをやめてくれるんだ。」
挨拶しながら俺らは通学路を歩いて行った。
「葉ちゃん、今年も同じクラスになれるといいね。」
「俺は、前のクラスの連中とだけはなりたくない。」
そういうと風花が、えぇ、じゃあ私も!?、と驚いていたが無視することにした。
「そういや私たちの学年に転入生がくるらしよ?」
「へぇ、そうなのか。」
そんなやり取りをしているうちに学校が見えてきた。俺達はさっさと中に入り、張り出されているクラス表を眺めていた。
「わぁぁーい葉ちゃんと一緒だぁ!あ、見てみて他にも去年一緒だった子がいるよ。」
テンション高いな風花そんなに知り合いがいるのがうれしかったのか。風花のテンションにおどろきつつ、俺も見てみることにした。
「げっ」
同じクラスのしかもおれと一緒にいたやつらがきれいに一緒のクラスだった。運が悪いな。これからすごく疲れそうだ。
教室に行ってみると、
「あ、葉じゃない。あんたもこのクラスなの。」
去年同じクラスだった相川千尋がいた。
「お前、クラス表見ただろ。その中に俺の名前もあるってことが気付かなかったのか。」
「自分の名前だけ見てきたからね。」
ほかにも教室内を見渡すと、知ってる顔が2つあった。
「おう、今年もよろしくな。葉」
「また同じクラスだね。よろしく、葉」
上から、木下結城、霧島晴人が話しかけてきた。
「あぁお前たちもよろしくな。」
その後、5人で雑談していたりすると、
「席に着けお前らー」
という声がしたので、俺はおとなしく自分の席に着いた。
「俺はお前らの担任の猿山健吾だ。これからよろしく頼む。」
体育会系そうな感じなのに、目だけが完全に死んでいる教師は、さらにこう続けた。
「お前らの中で知っているやつもいると思うが、今日転校生が来る、しかもこのクラスにだ。」
それを聞いたとたん大盛り上がりするクラス。全く、ここは小学校か。隣の結城は、
「俺、美少女なら大歓迎だぜ!先生ーー、その子は女子ですかーーー」
なんて質問までしてやがる。さらに、担任が女子だというとかなり盛り上がるクラス一同(の男子たち)。うるさいったらしかたがないぜ。俺?俺は単に盛り上がる元気がないだけだ。
「静かにしろお前ら。ほら、橘入ってこい。」
入ってきたのは、かなりの美少女だった。隣の結城なんざ大盛り上がりしている。
「うるさい!橘、自己紹介を頼む。」
担任にそう促され、まわりをきょろきょろと見ていた転入生が口を開いた。
「橘 朱莉。私は宇宙人だから、お前ら地球人は話しかけてくるな。それだけ。」
「・・・・・」
みんな、どう反応していいかわからなくなってた。風花なんざ口をポカンと開けてやがる。
橘は、そんなみんなに目もくれず、用意されていた自分の席にスタスタと歩いて行った。
それから、簡単な自己紹介を済ませ、休み時間に入っていた。橘の事(主に容姿と言動)が知れ渡ったのか、二年生はおろか三年生までこのクラスに集まっていた。
結城は橘に話しかけ、拒絶されたそうだった。今その隣で晴人が慰めている。
「しっかし転入生は変な人だと聞いていたけど、まさかあそこまでとはね。」
「千尋、お前転入生のこと知ってたのか。」
「全然。ただ変な人だと聞いていただけ。」
っと次入学式だ。とっとと体育館にいこーと。
まぁ、ちょっとたてば騒ぎも収まるだろ。