目が、めがぁぁぁあああ!by葉(後篇)
よく考えたら、別に分ける必要なかったんじゃ.......。
ま、まぁそんなことは気にせずに、どうぞ。
副会長二人を連れて、輪島のクラスの競技を観戦している。......のはいいんだが、退屈だ。輪島はずっと自分のクラスのテントの中にいるので、こちらからは何もできない。
「ああ、暇だな」
「だめですよ、せんぱい。ちゃんと見張ってなきゃ」
そういう紅葉ちゃんわかってはいるが、これはこれで仕方ない。
「全く仕方ないわね」
そういって俺の近くに来る紫さん。何をやろうというのか。
「ゲームをしましょう。今ちょうど持ってるから。といっても、カードだけど」
「へぇ、何のカードですか?遊戯王?デュエマ?またはヴァンガードとか?」
「いいえ、ちがうわ」
「じゃあ、マジックザギャザリングとか」
「限定ジャンケンよ」
「「なんで!?」」
「いいじゃない、あれも立派なカードゲームよ」
「そんなの今するようなのじゃないじゃないですか!」
精一杯のつっこみをする紅葉ちゃん。ほんとけなげだ。
「ならEカードは」
「カイジさんに任せなさい!」
そういいつつ、やりとりに疲れたのか輪島の監視に戻る紅葉ちゃん。
「ふふ、とっておきのゲームを出しましょうか」
「なんですか?」
「これよ!」
紫さんが急に後ろを向いたかと思うと、また一瞬で前を向き、そして、その手に握られていたのは、
「ぜ、全自動麻雀卓だと!?」
ど、どこにあったんだ!?今まで見つからなかったぞ!
「紫さん!どうやって出したんですか!?」
「野暮なことを聞くのね。ヒントをあげましょう。ヒントは一つ、ドラえもん」
「ま、まさか..........」
「ふふ、そのまさかよ」
「四次元ポケットか!」
まさか完成しているとは。..........なんでこの人もってんだ?
「先輩達!輪島が動きました!とっとと追いますよ.....ってなんで麻雀卓が!?」
「それには深い事情があるんだ」
「もういいです!早く行きますよ!」
「にしても、どこにいくんですかね......」
輪島を追ってきてみれば、全く人気のない場所にきた。
「もう少し見てみなさい。何か出るかもしれないから」
その言葉に従い監視を続ける。
すると、急にある場所で立ちどまった。
輪島の近くに誰かいるようだ。話し声が聞こえる。耳を澄まして聴いてみる。
「.....が......で.....」
「ああ.......上手く........心配......」
くそ、聞こえづらい。
「取引現場、かしらね」
「そうみたいですね」
とりあえず、会話をこのMDに録音しておく。会長に渡せば、明日には全部わかるだろう。
「.....っ、そこにいるのはだれだ!」
やばい、見つかった!どうしようか........よし!
(紅葉ちゃんと紫さんはここでいて。それと紫さん)
(何?)
(護身用の何かは持ってますね?)
(スタンガンなら。瑠花に渡されたのがあるわ)
それはきっと、改造した威力十分のやつだろう。
(それじゃあ、もしものときはそれを使ってください)
「おら!早く出て来い!」
「今出ていってやるよ!」
(せんぱい!?)
(紅葉ちゃんと紫さんは、あいつらが云ったあとで逃げて!)
そう言ってから俺は、あいつらの前に出て行った。
ってあいつ、麻生猛じゃん。あいつら組んでたのか。
それじゃあ、近くに生徒会の役員が......いた!
あいつらと合流すれば、紅葉ちゃんたちは無事だろう。
「話は聞かせてもらったぜ。麻生猛先輩、輪島輝彦先輩」
「な、なんで俺達の名前を知ってる」
「落ち着け、.....君、名前は?」
「だれが名乗るか!」
「て、てめぇ....」
「......どうせ、話を聞かれたからには口封じしなきゃなんないんだ。やっていいぞ」
「おお、その言葉を待ってたんだ」
麻生の方が俺ににじり寄ってくる。
「くらえ!」
麻生のパンチを、俺はぎりぎりでガードし、反撃を入れる。
「お前の相手なんかしてやるか!このMDさえ学校に提出すれば終わりなんだ!じゃあな!」
「あ、まて、このやろう!」
「待てといわれて待つバカなんていない!」
「.....やばいな。.....おい、追いかけろ!」
「わかった」
ここから一番最初に戻る。
俺はいったん走るのをやめ、周りを見渡す。ふぅもう大丈夫か。
とりあえず会長に合流と、紅葉ちゃんと紫さんの様子確認だな。
会長には、携帯で、連絡を入れてあるので、すぐ合流できる。
.......っときたみたいだ。
「どうしましたか」
「会長、輪島と麻生が一緒にいましたよ」
「そうなのですか.....組んでやっていたのでしょうか?」
「たぶんそうだと思いますよ。それと、二人の会話を録音したMDがこれです」
「ほんとうですか!?良くやりましたわ!」
「でも、ノイズだらけで聞き取りづらいですが」
「そんなの、一晩で解析して見せますわ」
よかった。これで、明日にはもう終わってるな。
「それで、紅葉ちゃんと紫さんの行方、わかりますか」
「ああ、あの二人なら生徒会室にいます。元気ですわよ」
「そうですか、よかった」
そこで、一日目の終わりを告げるチャイムが鳴る。
「もうこんな時間ですか。それでは、ごきげんよう」
そういって会長は帰ってしまった。
俺も帰るかね。旅館の仕出しもあるし。
そういや、旅館はいま普通よりも客が入ってる。
なざなら、高原学園にいる寮通いの生徒の親が来ていて、その人たちが止まっているのだ。
ふむ、いいことばっかりだな。体育祭は。
俺の、二年生の体育祭の一日目は、こんな感じで終わった。
一日目終了!二日目で犯人を捕まえます。
三日目はガチでずっと野球なので注意を。
では、さらば!