真実はいつもひとつ!by晴人
サブタイトルが思いつかないので、これからてきとうに名言を言わせていくことにします。
会長に無理やり協力させられてから3日。
俺達はみんなグラウンドで練習していた。
「おーし橘、こい!」
今俺は橘のピッチング練習に付き合っていた。
橘が投げる。
バシィイ!
そんな音があたりに鳴り響く。
ただ投げただけでこれって.....
橘はほんとすごいやつです。はい。
他のみんなは守備練習をしている。神姫とユニもルールを覚えて、ちゃんとできている。
練習はこの上なく順調だった。
練習が終わり、旅館で夕飯を作る。
今日は旅館に誰も来なかった。
これはマジでやばいな、と考えながらできた夕飯を盛り付け、みんなに差し出す。
それをみんなで食べてから、みんなてきとうに部屋に帰る。
そんな感じが最近の俺の生活だった。
.....しかし、会長という悪魔(いろんな意味で)のせいで、俺は疲れた体に鞭打ってまた働かなければいけない。
旅館をひっそりと抜け出し、公園に走る。
「遅いですわよ」
あの時と全く同じセリフを、これまた全く同じ服装(要は制服)で言い放つ会長がいた。
「遅いったって待ち合わせの時間にはまだ五分ありますよ」
「そんなの関係ありませんわ。私より遅い時間に来るのが悪いのです」
すごい理不尽だった.....
まぁそんなのいつものことなのでスルーする。
「今日は何の用ですか、会長。こっちだって仕事があるんですよ」
「そちらの事情などどうでもいいのです。貴方は私の言葉に従っていれば」
「っと用件はですね、そろそろ本格的に調べたいので手伝いなさい」
また理不尽な......別にいいが。
それはそうとして、やっぱりやるのか.....
今でも十分に本格的だろうに。(会長から聞いた話じゃインターネットを使って調べていたとか)
「そもそも、どうやって調べたらいいんですか」
「簡単です。援交を促している教師はもう見当がつきました。そいつの前をできるだけぎりぎりの服装で通れば、向こうから声をかけてきますわ」
そんな無茶な.....しかし会長はやるといったら聞かないので仕方なく同意しておく。
「会長別にいいですけど何か護身用の武器くらいは持っていてください」
「そんなの言われなくともわかっていますわ。それより明日、服屋に行きますわよ」
別にそこに行くのに俺は関係ないんじゃ.....その旨を会長に伝えると、
「男の目線が必要なのです」
と言われた。
翌日、俺は朝っぱらから学校を休み(瀬名達には内緒で)一緒にさぼった会長と一緒に服屋に来ていた
「でどんなのがいいんですの」
そんなことを俺に聞かれてもわかるかい。
とりあえず無難なのを勧めておく
そうすると会長に、地味すぎ、という評価をもらったので却下。
そのままてきとうに服屋の中をぶらつく。
おっ、いいものがあった。
「会長これなんていいんじゃないでしょうかね」
俺が進めたのは少しゴスロリみたいな黒くて赤い線がところどころに入っているワンピースだ。
会長はなんか黒いのが似合う気がするし。
「これですか、少し派手ではないでしょうか?」
「そのくらいでちょうどいいと思いますよ。それに会長がそれ着るときっと綺麗だと思うし」
そんなことを言うと会長の顔がみるみる内に真っ赤になってしまった。時々ぶつぶつと何かを呟いている。
少しした後会長が
「これに決めましたわ」
と言って決定。あとなぜかは知らんが俺の勧めた服を何着か買って買い物が終わった。
その日の夜、旅館を瀬名達に全面的に任せ、俺は会長が待っている公園に急いだ。
そこにいたのは、今日俺が勧めたワンピースを着ていて、背中まである赤い髪をポニーテールし、ついでに伊達眼鏡をかけて完全変装した会長がいた。
不覚にも、見惚れてしまった。それくらい美しかった。
「何を呆けているのですか。早く行きますよ」
変装のため話し方も変えた会長から声がかかる。
とりあえず、返しておく。
「すみません会長。会長があまりに綺麗だったので、見惚れてました」
っとしまった。見惚れていて、てきとうに返してしまった。
すると、真っ赤な顔の会長が小さく「いきますよ....」といったので、俺は自分が何を言ったか必死になって思い出そうとしていた。
そういえば何故会長が変装しているかというと、同じ高校、それも生徒会長に声をかけるわけがないと
思ったからだ。
夜の駅前、俺は会長から離れていく。会長が一人にならないと向こうが声をかけられないからだ。
そうして、少し歩く。もともと人が少ない道。そこにいるという。
そこで見かけたのは一人の男。
背は高く、顔も整っている。少し変装しているが俺にはわかる。あれはうちの学校の坂本先生だ。
坂本先生は、整った顔立ちから女子に人気がある。しかし男子には冷たい。しかも俺には特に。
たぶん美少女の橘や風花、瀬名や千尋といるからだろう。
その前を会長が通って行く。
「ねぇそこの君、少し待ってくれないか?」
よし!食いついた。
「何か用ですか?」
「ちょっとした小遣い稼ぎをしない?」
「小遣い稼ぎどんなのですか?」
「簡単簡単、俺が紹介するおじさんと一緒にホテルでいればいいだけだから」
「そうすれば、そのおじさんがお金をくれる。どうだ、悪くないだろう」
人はそれを援助交際と呼ぶ。会長も同じことを思ったみたいだった。
「それは援交というのでは?」
「まぁ、そういう言い方もあるかな」
「ならいいです。遠慮しておきます」
そう言って行ってしまう会長の腕を坂本先生がつかむ。せっかくの上玉、逃がさないぜ、とか思っているのだろう。たぶん。
「手を放してください」
「まぁ聞けって、ほらこの小学生の子も最初は嫌がってたけど今は自分からやるようにもなったし」
「最初は嫌がってたのに無理やり援交させるのは犯罪では」
「お前らが言わなきゃいいんだよ」
仮面が外れてきてるな。あと少しだ。
「私はいいです。それじゃあ」
「ちっ、聞きわけの悪い奴め。だったら無理やりやらせてやろうじゃねえか!」
坂本先生が手を振りかぶる。そしてそれを振り下ろす.....前に俺がスタンガン(改造)で動きを止める。
「ぎゃぁぁあああああああああああ!」
悲鳴がこだまし坂本先生が倒れる。これで動けないはずだ。
「坂本先生、これでおしまいですわ」
「ち、ちくしょう...お、お前たち、は、何者、だ」
「まだ気付かないんですの」
会長が髪を結んでいた簪と伊達眼鏡をはずす。
余談だが、あの簪は俺が会長にあげたやつだ。服屋の帰り、変装用に。
そんなことを考えているうちに会長が動けない坂本先生に向かって言い放つ。
「高原学園生徒会長、赤峰瑠花とその愉快な助手ですわ。覚えておきなさい」
シリアスの敵一体撃破。と言ってもまだあるんですが。
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