漁夫の利を狙いましょうby瀬名
ちょっと遅れたけど、どうぞ
五月中旬、俺は日課になりつつあるファンクラブの撃退を済ませてから教室に入る。ああ、眠い。旅館業も結構きついんだなぁ、なんて思いながら自分の席に座る。すると晴人が急に問いかけてきた。
「ねぇ葉、体育祭は誰と出るの?」
そういやそろそろ体育祭の時期か、いやだなぁ、疲れるの。
「まだ決めてないぞ」
ここで、この学校の体育祭についての説明を入れる。
まず、原則として二人から十一人までのチームで組んで出場しなければならない。そして、組む人数によってやる競技が変わる。二人なら二人三脚、十一人ならサッカーという具合だ。
それとは全く関係ないクラスで出場する個人もあるが、これは毎年陸上部や足に自慢のある奴らがでて、レベルがむちゃくちゃ高い。
あと細かいのは、野球をするのなら自分のチームには野球部は入れてならないとか、レベルを均一にするような事だ。
最後に、最大の特徴。チーム出場の場合、半分までなら外部からの参加もありという点だ。これは外部との交流が目的とされている。
まぁ、こんなところだ。
いままで誰に話してたかだって?もちろん何も知らない橘に向けてだ。
「今年はどうするの?また一緒に私たちと出るの?」
風花の問いに俺は保留という形にしてこの会話を終わらせた。.........本音を言えば、そんなに出たくないしな。だって去年めちゃくちゃきつかったんだもん。
最後の授業を聞き終え、俺はゲーム部の部室でゲームしてた。夜の旅館まで時間もあるし今日はゆっくりできるな。
「晴人、瀬名はいないのか?」
「さっききて、すぐにどっかいっちゃった。そうそう伝言、今日は早く帰って準備していてください。だって」
瀬名からの命令だ。仕方ねぇ?帰るか。
「葉も大変だね、まぁ頑張りなよ」
とりあえずカラ元気で挨拶を返してから、俺は旅館に帰った。
「いらっしゃいませー♪」
ユニの客の出迎える声が聞こえる。
俺は今日泊まる二人の客の夕飯を神姫と一緒に作っていた。
瀬名の宣伝の効果か日に日に何人かは来てくれるといった状況が続いている。
生活もぎりぎり、とはいかないが、放っておいたらかなり悲惨なことになるだろう。
何かいいものはないかな、なんて考えてたら料理を作り終わった。
「じゃ、神姫、これを部屋に運んどいてな」
「わかったのじゃ」
そうして俺は自分たちの夕飯を作りだす。そういや橘もいないな。
夕飯を作り終えた直後に、瀬名と橘が帰ってきた。
「どこいってたんだ」
「ちょっと旅館に関する大事な話をしてたんですよ」
なんなんだよ、それは。
「それは後で話ますから、とりあえず夕飯にしましょう」
瀬名の言うとおりにして、その大事な話とやらは夕飯の場で聞くことにした。
「で、大事な話ってなんだ?」
「........体育祭について」
「体育祭が関係あるのか?」
何で旅館と体育祭が関係あるんだ?
「単刀直入にいいますと、チームを組む際この五人で組んで旅館のことをアピールしましょうということです。チーム名はわかりやすいように深見温泉で」
ええと、つまり体育祭で旅館の名前のチームで活躍してここを目立たせようっていうことか。
「ええ、ここの体育祭は珍しいルールなので、見に来る人も多いですし」
そんな簡単にいくもんなのか?そもそも五人でやる競技は目立たないのが多いぞ。
「.........問題ない」
「すでに風花さんや千尋さん、晴人さんに結城さんにも事情を話しました。みんな協力してくれるそうです」
遅いとも思ったらそんなことしてたのか。そう思っていたら、横の神姫に話しかけられた。
「のう、体育祭ってなんじゃ?」
そうか、知らなかったなこいつとユニは。
俺は神姫とユニに体育祭のことと事情を話してやる。すると
「面白そうじゃ!余は参加するぞ!」
「私もできる限りはやってみたいと思います」
とても前向きな意見をいただいた。
「九人いますからやるのは野球です。全力でやりますよ!」
おおーと俺以外の声が響く。.........やらなきゃいけないのかなぁ
サブタイトルが思いつきません!なので募集したいと思います。
言わせたいセリフといわせたいキャラを送ってください。
お願いします。