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書庫  作者: ほてぽて林檎
2/16

聖女供給計画試論

※本文の一部は破損・抹消処理されています




…記録:通称《アヴァターラ群体》構想に基づく

「……的再生の器」としての…性……保持胎体の連続生成が試みられた。

しかしながら、保持母体の大半が14歳未満の若年個体に限られており、倫理的障壁と高確率での母体損壊(60%以上)が発生。

「血の花が開けば、器は枯れる」と記録された事故報告が残る。



…聖………は母体の血流環境と強く連動し、通常遺伝とは異なる。

男児には発現例が皆無であり、因子の転写を持つのは「聖女から生まれた少女」のみ。

これは生殖的な形式よりも、内的構造の“鏡像複写”に近いとされる。

「あれらは、ただ同じ夢を見る」と、当時の研究主任は記した。






以下記録欠損(49ページ分)…


—聖女の目覚めた“血”は、構造上変質しない。外形の成長や老化も確認されておらず、

“永遠の胎”として同一の容姿を保つ—


周囲環境への干渉が強く、胎内での医療処置は必ず不可解な変死例を伴う。

(医師29名、助産員8名、異常停止例12件)


「──まるで、胎内に神域を抱えているかのようだった」


…その日、7人目の胎動の消失と同時に、研究棟上空に“天頂虹”が観測された記録がある。






結論


「奇跡の安定供給」の名の下、倫理と理性はすでに限界を迎えた。


この連鎖が続けば、いずれ“世界そのものが彼女たちの夢に引き込まれる”だろう。


それを望んだのは、人間のほうだった。


──それでも人は、“神の血”を欲した。

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