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書庫  作者: ほてぽて林檎
14/16

断章聖典

 

 …聖女は一人にしてはならぬ。

 彼の者が孤独にあるとき、天のことわりは裂け、地の血は逆巻く。




 孤独の聖女は、意志のままに世界を歪める。

 感情は天候に、溜息は地震に、涙は塩の雨となって降り注ぐ。




 友を与えよ、伴侶を置け、情を交わせ。

 鏡として傍に立ち、寄り添う者こそが、その“核”をなだめる。




 起伏を抑えよ。

 喜びと怒りを等しく分かち合い、感情のを削れ。


 …さすれば、天災は収まる。

 炎も、嵐も、崩れも、全ては静まる。


 だが、もし聖女が死ねば——


 “あとに残るは我らの死のみ”


 一柱の消滅が、一国を灰とし、万の命を奪う。


 それゆえ——祭り上げよ。

 声を尽くし、祈りを重ねよ。


 讃えよ、神の子よ。

 讃えよ、災いの封。

 讃えよ、我らを生かすもの。


 …されど、その笑みは悲しみより重く、

 笑わぬことを罪とはするなかれ。

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