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第8話 新メンバー加入!! 受付嬢のお姉さん

 就寝となり、俺は瞼を閉じた。

 ニキシーはすでに夢の中。俺も寝よう。


 そう思った時だった。


『コンコン……』


 優しいノックの音がした。『入っていいですか?』とこれまた可愛い声が聞こえ、それがリディアさんだと分かった。


 俺は返事をした。



「どうぞ」

「失礼します」



 ドレスのような寝巻姿のリディアさん。とても美しい。まるで女神のようだった……。やっぱり、令嬢ってだけあって綺麗だなぁ。



「こんな夜遅くにどうしたんだい?」

「アウレアさん、あの……。私と将来を考えていただけませんか?」


「へ――」


 突然の告白に俺は思考が停止した。

 えっと……リディアさんは何を言っているんだ……? 俺と将来を考えたい? って、それはつまり……結婚とか!?


 マジで。


 そんなことを言われたのは、これが初めて。

 そりゃ嬉しいよ。

 すっげー嬉しい。


 でも、俺にはまだやるべきことが多い。


「ダメ、でしょうか」

「すまん。気持ちは嬉しいが、俺は冒険を続けねばならないんだ」

「そうですよね。無理言ってごめんなさい」

「悪いね、おやすみ」


「でも」


「!?」


「せめて……一晩だけ愛してくださいませんか」



 そ、それって……まさか! クリーミーさんの時のような流れ!? マ、マジかよ。嬉しいけど予想外すぎた。



「いいのか……」

「はい。せめて思い出だけでも作っておきたいんです」



 そこまで求められては俺は断れなかった。一夜限りの関係を俺は望んだ。



 ◆



 朝を迎えた。一晩中俺はハッスルしてしまった。……すごかった。

 起き上がるとリディアさんの姿はなかった。


「……いい思いをさせてもらったな」

「なにがです~?」


「うぉ!? ニキシー、お前か」

「はい。今起きました」


 良かった。俺とリディアの営みは見られていないらしい。


「おはよう」

「おはようございます。――で、なにかあったんです?」


「別になにもないよ」

「それにしてはソワソワしていますね」


 妙に鋭いなこの猫。一応、精霊だから敏感なのかな。

 俺は適当に誤魔化し、部屋を出た。俺の後をついてくるニキシー。二回も女性と寝たとか言えないな……。



 執事のマッケンジーさんの作る朝食は豪華だった。



 バターの匂いが香るパン。高級なジャム。良い匂いの紅茶。そして、リディアさんの天使の笑顔。最高に優雅な朝を迎えられた。



「さて、そろそろ冒険に戻る」

「行ってしまうのですね、アウレアさん」

「ああ……」

「では、せめてこの指輪を持っていてください」



 金色の指輪を渡され、俺はギョッとした。こ、これは高そうだぞ。



「いいのか?」

「それ、婚約指輪です」

「マジ!?」

「……はい」



 恥ずかしそうに答えるリディアさん。……クソッ、めちゃくちゃ可愛いじゃねーか! 連れていきたい。

 せめて彼女に冒険のスキルがあったのならな……。


 ええい、ダメ元で聞いてみるか!



「リディアさん。一応聞くんだけど……」

「はい」

「君は冒険に興味あるのかい?」

「……! それって……」


「そうさ。俺は君が気に入った。リディア、もし冒険に興味があるなら一緒に来ないか?」

「嬉しいです! ぜひ一緒に行かせてください」


「そうか。ちなみに、なにかスキルとか使える? 危険な旅だからさ」

「私は普段、冒険者ギルドの受付嬢ですが、実は少し前まではギルドに所属していたこともあったんです」


「なんだって!?」


「受付嬢を辞め、冒険者に戻ります」



 その本気の眼差しを向けられ、彼女の決心は堅いと理解した。

 そうだな、俺ひとりと猫一匹では限界があるし、それにパーティに華も必要だと思った。いい機会だ。ここで受付嬢のリディアを仲間に入れる。いや、元受付嬢か。



「それで、なにが出来る?」

「剣を習っていたので前衛です」

「意外だな。分かった、一緒にがんばろう」

「はいっ!」


 俺はリディアさんを正式な仲間にした。二人と一匹でがんばってみるか!

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