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第20話 俺だけレベルダウンで最強です

 俺は『勇者ゴッドフリート』と『魔王ルミノックス』両方と手を組むことにした。


 先に勇者ゴッドフリートと話をして、どんな状況であるか確かめた。すると、彼女は奴隷だったから、ほとんど力を持っていなかった。レベルがマイナスになりまくる俺がなぜ強いか知りたかったようだ。

 他のパーティメンバーは、勇者が死亡したことで意気消沈していた。


 俺は二代目ゴッドフリートの育成をしつつ、パーティメンバー三人の心のケアをした。


 一週間が経つと今度は、魔王ルミノックスへ。


 彼女にも問題があった。

 世界を支配しまくっていることもそうだが、なによりも孤独だったこと。まあ、魔王なのだから当たり前なのだが……。

 俺は、彼女が“元人間”というところに注目し、話をした。


 するとルミノックスは、意外とチョロくて俺の話に耳を傾けた。



「――そうか、アウレア。お前は優しいのだな」

「そ、そうかな」



 俺の会話術のおかげで(?)で魔王ルミノックスは支配に消極的になり、その支配を次第に弱めていった。

 魔王軍よる奇襲も減り、村や街は平和になりつつあった。


 そのウワサは瞬く間に広まり、俺の功績が讃えられていった。


 一方で、二代目勇者ゴッドフリートも見違えるようになった。



「ありがとうございます、アウレアさん!」

「いいんだ。君が真の勇者になってくれれば世界を平和にできるかもしれない」

「いえ、でも魔王はアウレアさんがなんとかしてくれているんですよね? じゃあ、もう大丈夫かもですね」


「え。でも、魔王を倒すために鍛えていたんじゃ?」


「その為もあります。ですが、私はあなたの方に興味があるので」



 と、ゴッドフリートは笑う。

 勇者も魔王もお互いを憎むことも戦うこともしなくなった。


 そうして、一か月が経過する頃には完全な『平和』が訪れていた。しかも、驚くべきことに俺の元に勇者も魔王も集結。



 俺、ニキシー、ゴッドフリート、ルミノックスというとんでもパーティが出来上がっていた。


 ただ……リディアさんは故郷へ帰ってしまった。俺についていけないという理由で。


 だよな。

 勇者と魔王の面倒を付きっ切りで見ていたからな。リディアさんを放置しすぎてしまった。申し訳ないことをしたと思う。


 だが、これも世界平和の為である。



「アウレアさん、結局レベルマイナスの原因は分かりませんでしたね」

「ああ、ニキシー。でも、俺は楽しい旅が出来たよ」

「それは良かったです!」


「これからはゴッドフリートとルミノックスと共にスローライフをするよ」

「まさか、話術だけでここまで世界を激変させるとは! 驚きました!」



 それかれ俺は帝国でも認められ、英雄となってしまった。とんでもないことになってしまったが、これで世界が平和になるのなら、まあいいか!



 というわけで、俺は『レベルダウン』で最強になりつつも、勇者と魔王を仲間にした。これからの世界はどうなるか分からん。でも、それでいい。

 未来は誰にも分からないのだから……!



 - 完 -

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