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エピローグ

 旅を始めてから、さまざまな土地を巡る中で、俺は本で得た知識を実地で試すようになった。すると、どんなに原因不明と思われていた病でも、薬草の力で回復の兆しを見せることがあると気づいた。


 その瞬間、俺の中で何かが変わった。


 ──自分の知識と経験を、誰かのために使いたい。


 そう思ってからは、病や怪我に苦しむ人々を助ける活動を始めた。迷った村人に手を差し伸べ、小さな命を薬草で救い、笑顔を見届ける。そんな日々の中で、かつての俺とは違う「誰かの支えになれる自分」が、少しずつ育っていった。


 あの最初の絶望から数年後、俺は――ステラからプロポーズされた。俺自身はもう、貴族ではなく平民という身分になっていたというのに。


 ……でも、今度は違う。今度は、俺が守り、支える番だった。経験を重ねたからこそ、相手の不安や痛みに、心から寄り添える自信があった。


 病とともに歩んできた人生が、決して無駄じゃなかったと、ようやく胸を張って言える気がした。


 今、俺はこう思う。


 ──どんなに暗い道でも、あきらめずに前を向き続けること。


 それが、かつての俺のように、病や孤独に苦しむ誰かの背中を、きっとそっと押してくれると信じている。


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