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どうやら外には出られない

 一階のエントランスまで何事も無くたどり着けたが……しかし変だ。


「何で入り口で固まっとるんじゃこいつ等」


 入口の前には人がたむろしていて……どうやら避難をしたくても自動ドアが開かないようだ。

 集団の中にはガラスの扉を殴っている者もいたが、割れそうなものなのにガラスはびくともしていない。


「……こりゃあれじゃな、魔術で隔離されたか」


 スマホを見てみれば当然のように圏外……サファイアの言う通り恐らく魔術の影響なのだろう。

 そして物体を物理現象から隔離する魔術と言えば……アレだな。


「ここって仏壇屋とかあったっけ?」

「あったかの?」


 マップを確認見てみるがそんな物は無い、お仏壇のは〇がわぐらいあってもいいものなのだが……。


「仏壇屋の仏壇で魔術を発動させていると思ったんだが当てが外れたな」

「まあそもそも内側に設置せんじゃろうしな」


 思い返してみれば確かにそうだ、タンスしかり地下通路しかりどちらも仏壇は外にあった……まあタンスの中に仏壇とか無理か。


「……ん? そういえばあの指に爪楊枝ぶっ刺した奴はどこに行きおった?」

「本当だいつの間にかいないな」


 群衆の方を見れば茨威がこちらへと歩いてくるのが見えた。


「あれ、泣いてた子はどこに?」

「お母さんの所に連れて行ったのよ、人ごみの中で探してたみたいね」


 へぇ。


「あぁそうだ、ついでにあそこの人たちに話を聞いてきたのだけどね……どうやらあの騎士みたいなのって一体じゃないみたいよ」

「……マジですか?」

「マジよ。私達が遭遇した階以外にも現れたみたいでね……一階にはどうやら降りてこないみたいだけど二階以上にはそれぞれ一体ずつ徘徊しているみたいよ」


 つまり合計五体いるわけか……まあ一階に居たら襲われないみたいだしいいか。


「それでちょっと相談なのだけども……このままここで待っていたとしても事態が動くとは限らないじゃない?」

「まあそうですね」


 そもそもあいつらがなんの理由があって徘徊しているのかも分からないし。


「折角だから分担して一階を調べないかしら?」

「まあただ待つというのも暇じゃしそうしようかの」


 俺が何か言うよりも早くサファイアが言葉を返す。


「じゃあ決まりね……あなた達はあっち側を、私はこっちを調べるから」

「そっちは一人でいいのかの?」

「いやあなた畝観君と一緒の方が安心できるでしょ?」


 言い残して茨威は通路を歩いて何処かに行ってしまった。


「ガキだと思われとらんか儂……腹立つのぉ?」

「ガキな事に変わりは無いだろ」

「殺すぞクソが」


 痛!? 脛を蹴ってきやがった!?


「……つうか貴様は良かったのか?」

「何が?」

「いやほら顔を知ってる奴見捨てんのはどうこう言っとったじゃろ?」

「別に今の情報的に一階調べるだけだったらなんの危険も無いだろ」


 まあわざわざ分かれる必要も無いと思うが……向こうが提案してきたのなら別に断る理由も無いし、二手に分かれて調べる方が効率いいのは事実だしな。


「まああっちから分かれて調べる事を提案したんじゃからまあそうじゃな……つーかもしかして貴様嫌われとるんじゃないか?」

「うーん、どうなんだろうな」


 そもそも関りが社交パーティーで喋ったぐらいだし、それで嫌われたとかも考えずらいだろう。


「いや『ガキは死んでもいい』は大分ドン引き要素じゃろ」


 そうだろうか?

 そうかも知れない。


「まあどうでもいいだろ実際」

「そうじゃな」


 人間からの好悪はさして重要ではない、重要なのは触手からの好悪だけなのだ。


「さて、まずはどこに行く?」

「そうだなぁ」


 どうするか。


「……あ、そういえば一つ気になってたことがあるな」

「何じゃ?」

「いやさ、考えてみたらおかしいんだよ」

「だから何がじゃって」

「いや今大騒ぎになってるだろ……剣を持った騎士が出てきてこうやって皆一階に逃げて来てさ」

「まあそうじゃな」


 皆建物の外に逃げるため自然と一階へと集まり、なぜか出られないので人だかりが出来ている。


「そりゃあ武器を持った不審者が出たら皆パニックになって避難するだろ」

「当たり前じゃな」

「だけどそうなるとやっぱり変だろ」

「うだうだと回りくどい奴じゃな、とっとと結論を言わんか」


 お前が説明するときも大体こんな感じなのだが、恐らくこいつは鏡を知らないタイプの人種なのだろう。

 人のふりを見て我が振りを治せないクソガキ。


「殺す」

「悪いって」


 俺の表情を見てバチギレし無いで欲しい。


「……それで? 結局何が言いたいんじゃ?」


 額に青筋を立てながらサファイアは俺に問いかける。


「いやさ……一回でも館内放送を聞いたか?」

「……ん?」

「いやほら、普通不審人物が出たら避難の放送が入るだろ……どこに出たのか、どう避難したらいいのかそういう放送が入るだろ?」

「…………確かにそうじゃな」


 顎に手を当ててサファイアは言う。


「確かにおかしいの」

「だろ?」


 それに客が集団パニックになって逃げ回ったらドミノ倒しとかで被害が拡大することがある……そういうのを防ぐためにも普通は放送が入るはずだ。

 しかしそういった動きが一切無いという事は……。


「つまりジャ〇コの店員がグル、もしくは何かの害をこの事件の犯人から受けている可能性があるわけじゃな」


 だからなんだという話だが、取り敢えずグルっぽい奴ないし拘束されたスタッフ……もしくは死体を探すか。


「まあそうだな……取り敢えず放送施設見に行くか?」

「そうじゃな」


 俺達は放送施設へと向かった。

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