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知能の高めの犯罪姉弟

 ピロンッ♪

 と軽快な音を鳴らして携帯が揺れた……チャットアプリに通知が来たようだ。


「誰だよこんな朝早くに」

「朝早くって……もう七時じゃぞ?」

「まだ七時だ」

「ド深夜に活動しとるせいで体内時計が狂っておるようじゃな」


 フォークとナイフをカチャカチャ鳴らしながらそんな事を言うサファイア……お前朝からモン〇ンしかしてねえだろうがよ。

 俺は携帯を手に取り内容を見る。


「あぁ、(てん)か」

(てん)?」

「学校の友達」


 内容は家行ってもいいかという物で、バイク買ったから見て欲しいらしい。

 なのでこう返すことにした。


「何で俺が自慢に付き合わねえといけねえんだよ……と」


 打ち込んで返す。


「そのぐらい付き合ってやったらどうじゃ?」

「やだよ、あいつうるさいし」


 本当にうるさいのだ、あいつは。本当にマシンガントークが止まることが無い……マシンガンを超えてガトリング、いやメタルストームか。

 あれは毎秒16000を超えている。

 現に今も通知は鳴りやまず、よくもまあここまで文章を打ち込めるなと感心しているところだ。


「とにかくうるさいから無理、家に入れたくないな」

「……ふむ、興味がわいたのぉ」


 口角を上げてサファイアが言う。


「眷属よそいつを家に呼べ、これは命令じゃ」

「嫌だが?」

「命令じゃ、呼べ」

「………………まあいいか、夏休みに一回も友達あってねえし」


 こうなるとサファイアは面倒くさい。

 まあブロックするのも悪いし、通知を鳴りやますためにもOKのスタンプを送り付けると……その瞬間だ。

 ピンポーンと玄関ベルが鳴った。


「は?」


 再びピンポーンと、音が鳴り……三度鳴る。


「うるさいから止めて来てもらっていいかの?」

「ちょっとしばいてくるわ」


 連打している犯人は一人しかいないだろう……。

 玄関を開け、門の前のベルの前に立っていたのはやはり典だった。

 黒髪のショートボブに幼さを感じる様な丸い目、服装は何かのギリシャ語が書かれた白いシャツとダメージデニムのオーバーオール、そして首にはヘルメットが引っかけられている。

 典の横を見れば二人で乗れそうなバイクが家の前に止めてあった。


「おいクソキチ〇イ、ぶっ飛ば――」

「――出会い頭でキチ〇イとは中々の第一声だね畝観君もし玄関ベルを鳴らしているのがこの私ではなく違う人物だった場合を考えた場合二度としない方がいい愚行だろうねまあ私に対してだとしても仏の顔も三度までというからこの前と合わせたら許すのは次までだね因みにこのことわざは勘違いされがちだが四回目でキレるという意味でね教えてあげた私の優しさを五臓六腑に染み渡らせるんだよそうでなければ私は君との友達関係を切らなくてはいけないそれは君も困るだろう何せ私は自他ともに認める優秀な人間だからね顔もよくて頭もよくスタイル抜群そんな私との関係が無くなってしまったら七難八苦の人生を送ってしまう事になるだろうからなこの前の期末テストでも君は私のおかげで九死に一生を得たのだから身をもって分かっているだろうそうそうそんな大恩が私にあるというのに君は私の連絡をガン無視してゆっくりコーヒー飲んだりパンを食べたりして優雅な朝食を取っていたわけかいそれはどういう了見なのか聞かせて貰ってもいいかな?」

「………………まあ、そうだな。こいつぶん殴ってもいいか?」


 俺は典の後ろに立っている、同じような顔つきをした男に声をかける。


「デコピン程度にしてあげて」


 そう言うのは典の弟の(きょう)だ。

 襟足の跳ねたウルフカットに白のシャツと黒のズボン、幼さを感じる様な丸い目は先ほども見た物と同じで本当に顔のパーツは典と瓜二つ。服装と髪型が違わなければ典と見分けはつかない。こいつ等はうちの学校だとちょっと有名な双子で、ちょくちょく二人そろって生活指導に連れて行かれ三回の内一回は巻き添えで俺もこってり絞られる。


「イタ」


 教に言われた通りデコピン程度で済ませて気になった事を聞く。


「……つーかさ、お前ら二人乗りできたのか?」

「そうだよ、姉さんが行くぞって言うから訳も分からずね」

「………………こいつって免許取って半月とかだよな?」

「そうだっけ?」

「……確か二人乗りって一年ぐらい経ってからじゃないとダメじゃなかったか?」


 俺は典を見る。

 こちらを小ばかにするような表情で見つめ直す典。


「法律というのはね捕まらなければ守る必要は無いのだよそしてもちろん誰にも迷惑を掛けなければという条件は付いてしまうがねそしてまあ当然だが見つかれば追いかけられてしまうがしかし私は優秀なのだからねここまでのルートで警察がよくパトロールする場所はリサーチ済みだよそうなれば出くわさないつまり見つかることが無いのだから捕まらないのだよ」

「だから遠回りしてたんだ」

「犯罪上等やめろってバレんだから、この前バレなきゃいいって言って万引きでしょっ引かれたばっかだろお前」

「それは君が私の事を通報したからじゃないかあの時は本当に君のことを殺そうかと一晩考えたからね大体友達の事を売るとは君には人情という物は無いのかねこの卑劣漢め本当に少し考えてみたまえよ私と君は友達だというのにその友達をわざわざ危機に陥れる様な行動をするのは人間倫理に反している思うだろうそうだろうだったらあの行動は不適切だったと思わないかい?」

「通報して当たり前だろうがボケ」


 あの時は本当にビックリした、三人でコンビニ入って出たらにやついた表情で鞄からジャ〇プ出して『これ盗ったんだよね~』だ。

 ひっくり返るかと思ったがそのままコンビニに連れてった、あの判断は間違っていないと信じている。というか万引きは人に迷惑が掛かっていると思うのだが?


「だから今度万引く時は君の鞄にも物をコッソリ忍ばせる事にしたさそうすれば君もそろって共犯になるから通報できなくなるだろう流石IQ200の私が考えた作戦だ穴が無いとは思わないかい?」

「その作戦俺がお前とコンビニ行かなかったら成り立たないが?」


 IQ200が聞いてあきれる作戦だ。


「このスーパーウルトラ超超美少女の誘いを断るというのかい異性からも同性からも付き合いたいランキング学年一位のこの私のだよそんな奴がいたとしたら人間に興味がないかサイコパスのどちらかだろうねほら教も何かを言ってやったらどうだい」

「僕は姉さんの事美人だと思ったこと無いから何も言うことは無いかな、あと畝君は人にあんまし興味ないでしょ」


 畝君というのは俺のあだ名だ。


「……まあとにかく言いたいのはいつまで客人をこのくそ暑い中外で待たせるんだいという事さもう猛暑を通り越しているような真の真夏日だよ今日はこの私の柔肌に焼けた跡が出来たらいったいどうやって責任を取るっていうんだいそれにほら教だってもう暑さでクタクタじゃないかこれは私達を家の中に入れて何か冷たい飲み物を出すしか君には選択肢はないんじゃないかと私は考えるがね」

「まあ流石に教は可哀そうだし入れてやるか」

「やったー」

「私はどうなんだ私は外で待たされて可哀そうだろ私だって私が連絡して私が教を連れてきたんだぞだったら私だって家の中に入れて貰ってもいいだろむしろ当然の権利だその権利を認めないのは横暴だぞ」

「お前は勝手に着てしゃべくり倒してるだけだろうが、とっとと帰れ」

「い~や~だ~、私だってお邪魔したいんだ教だけズルいぞ!!」


 そんな時だった、後ろからサファイアがやって来た。


「いい加減中に招き入れたらどうじゃ? 暑いじゃろうし」


 サファイアを見て二人は少し固まった後、交互に口を開け。


「誘拐?」

「ロリコン?」

「監禁?」

「性犯罪者?」


 声を揃えてそして言う。


「「通報だ!!」」

「ぶっ殺すぞてめえら」

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