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××公園

「ふぅ、ちょっと早く来過ぎたんじゃないか?」

「そうでもないと思うがの?」


 現在時刻はちょうど午前の1時。

 俺達は京都にあるとある町の『××公園』というところに来ている。

 なぜこんな時間にこんな場所に居るかというと。


「後23分で噂の時間じゃろ? 噂道理なら周辺は調べられんくなるからの……早めに来とって損は無いぞ」

「そうかぁ?」


 当然サファイアのパーツ集めの為である。


「午前1時23分45秒にこの公園のブランコで遊んでいると公園に閉じ込められるという話じゃし、先に調べといても損は無いじゃろ」


 俺達は公園のベンチに座りながらそう話す。

 公園のベンチからは公園全体が見渡すことが出来右から順に砂場、ブランコ、鉄棒、滑り台、シーソー、雲梯、登り棒、グローブジャングルがある。そして掃除用具やらを入れておく用の小さな倉庫に、備え付けられた水道などだ。


「そこそこの公園といった感じじゃしな、少々時間もかかるじゃろ」


 公園の中央にはデカいデジタル時計があり、何時何分はもちろん秒までしっかりと表示されており……あれを見ておけば1時23分45秒にブランコに乗り忘れるということは無いだろう。


「じゃ、一旦ぐるっと回っていくか」

「そうじゃな、人間の遊具という物を吟味してやろう」

「……もしかしてだが、遊んでみたいから早めに来たわけじゃないよな?」

「……儂を何じゃと思っとる? 銀河の覇者がそんな事を思うわけがないじゃろ、少し考えたら分かるじゃろ」

「それもそうだよな」


 取り敢えず俺達は滑り台に上ることにした。


~20数分後~


「おい! もっと速く回さんか!」


 一通り遊んだが、サファイアが一番ハマったのはグローブジャングルだった。

 滑り台でもそこそこ目を輝かせていたが、グローブジャングルの魅力にはかなわなかったらしい。

 球体の骨組みがグルグルと回り、それに捕まりながら「じゃー!」とか言ってサファイアが遊んでいる。

 おい……銀河の覇者よそれでいいのか、本当にそれでいいのか。


「いや、ほら時間がさ」

「あぁ?」


 俺が時計を指さすとつられてサファイアもそちらを見る。

 時計に表示されているのは1時23分19秒……。


「ハァ!? やばいじゃないかの!? 何で早く言わん!!!!!!!!!!」

「楽しんでるから邪魔したら悪いかなって」

「馬鹿が! 楽しんでなどおらんわ!」


 言いながらサファイアはグローブジャングルから飛びのきブランコへと座る。

 俺もダッシュで座る。


「取り敢えず座ったらいいんだっけか?」

「いや、確か漕いでおく必要があるはずじゃ」

「あと十秒だけど」

「頑張るんじゃわ」


 俺は椅子を目いっぱい後ろに引いてそして足を放す。

 久しぶりに味わうこの独特な浮遊感……サファイアの方もキラッキラの笑顔で遊んでいる様子だ。

 時計を見れば時刻は1時23分45秒。


「……時刻になったけど、何も変化ないんだが?」


 再びサファイアの方に目を戻すと。


「おぉぉおおお! 見てみろ、一周回れそうじゃぞ!!!!!!」


 ブランコでほぼ百八十度まで漕いでいた。


「……あの」

「ん? 何じゃ?」

「いや、何も変化ないんだけど……噂嘘だったんじゃねって」


 ていうか運動神経どうなってんだ。


「……貴様何言っておるんじゃ、しっかりと異変が起こっとるじゃないかの? ほれ、時計を見てみればよいじゃろ」

「ええ?」


 再び時計を見る……あ。


「表示されとる時刻は1時23分45秒……さっきから一秒たりとも変わっとらんじゃろ?」


 サファイアはブランコから飛びのき、空中で三回転ぐらいしながら3メートルほど離れた所へ着地。その姿はまるで月の下を舞う蝶を思わせる様で……単純にすっげえと感動した。


「さてと、十分楽しんだしの……そろそろ調査を開始していくぞ」

「おっけー」


 俺も真似して飛びのくが、二回転が限界で……何なら着地するときに少し足をぐねった。


「足の痛み引いてからでいいか?」

「な~にやっとるんじゃ貴様は!」

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