9話 相談
更新が遅くなり申し訳ありません。
読者の皆様には感謝です。
すぐにお姉ちゃんとお医者様は戻ってきた。
「ここには寝床が1つしかないようだが一緒に寝ているのかね?」
「はい、3人で一緒に寝ていました。」
「ならまずは寝床を分ける事だ。一緒に寝ていては感染しやすいし なにより病人の負担になる。」
「分かりました。」
え、お母さんと一緒に寝れないの?いやだよ・・・
「それと出来るなら隙間風をどうにかしたいが、可能かね?」
「なんとかしてみます。」
「それと常に部屋の中で湯を沸かすようにしなさい。乾燥した空気は毒になる。」
「はい。」
「あとは出来るだけ水分をこまめに取らせる事。栄養のある食事を与える事だ。」
「どのような食べ物が良いですか?」
「消化の良いものがいい。とは言えこの辺りで手に入る食べ物は限られる。麦がゆでも良いが麦はあらかじめ細かく砕いておく方がいいだろう。手に入るなら卵も良いだろう。後は動物の血液も良い。」
「あの、薬なんかはありませんか?」
「薬は高くてな・・・とてもではないが手に入らん。」
「カルネが薬草を集めてますが、それから作ることはできませんか?」
「製法が分からん。薬師の飯の種だ。おいそれとは教えてもらえんよ。」
「そうですか・・・」
そこで村人が飛び込んできてお医者様に患者が増えた事を告げた。
「さっき言った事をやるんだ。私は次の患者のところにいかねばならん。また来る。」
といってお医者様と村人は急いで出て行った。
「カルネはマーサさんについていて。私はベッドの材料を調達してくる。」
と言いながら お姉ちゃんはかまどの上に水の入った鍋を置いた。
私は涙をこらえながらお姉ちゃんに聞いた。
「お母さん大丈夫だよね?」
お姉ちゃんが少しうつむいてから顔を上げて何か言おうとした時 後ろからお母さんの声が聞こえた。
「私は大丈夫よ。すぐに元気になるからね・・・」
つぶやく様にうわごとを言っている。
「お母さん・・・」
私はお母さんの手を握りしめ今にもあふれそうな涙をこらえる。
その日、私はお母さんの手を握りしめたまま寝てしまった。
朝起きるとあれだけ多かった隙間風が無く部屋は湿り気があり暖かかった。
お姉ちゃんがいろいろやってくれたのだろう。
そのお姉ちゃんは新しく作ったベッドで眠っていた。
私はお母さんの額から落ちてしまった手ぬぐいを水ですすいでお母さんの額にのせなおした。
それから5日、お母さんの容体は日に日に悪化している。
日々の生活はお姉ちゃんだよりになってしまった。
なにかしようとしても「マーサさんについててあげて。」と追い返されてしまう。
ときおりお母さんはうなされる様に私を心配する言葉を言う。
今日も「カルネ、カルネ・・・」と私の名前を呼ぶ。
辛いのはお母さんのはずなのに私の事ばかり・・・
「お母さん、私は大丈夫だよ。お姉ちゃんもいるしご飯もちゃんと食べてるよ。」と言ってみた。
そうしたらお母さんの表情が少し和らいだ気がした。
やっぱり私の事が心配なんだ。
だったら私の事が心配にならないようにすれば、お母さんも少しは楽になるかもしれない。
でもどうすればいいんだろう。さっきみたいに声をかければ良いのかもしれないけど、何を言えば安心してもらえる?私はお母さんの次に頼れる人に聞いてみる事にした。
お姉ちゃんが洗濯物を持って家を出た時、後ろを追いかけて家を出た。
「お姉ちゃん!」
「どうしたの?マーサさんについて・・・いや、さすがにカルネもずっと看病してるから息がつまるよね。」
「ううん、それは大丈夫だけど、お姉ちゃんに教えてもらいたい事があって・・・」
私の相談を聞いたお姉ちゃんは、うーんと考えてこういった。
「マーサさんはカルネの事が心配なのは分かるとして、何を心配してるかだよね?」
「うん」
「いつもマーサさんがカルネの事を心配してた事とかはない?」
言われてみると私はお母さんにいつも心配されてた。
「ケガしないように、とか早く帰るようにとか、あと将来の事も心配された事がある。」
「大きく分けると今と将来の事だよね?今の事はカルネが無事である事。将来の事はカルネが不自由なく生活をしていけるってところかな。」
「無事って事は何もないって事が分かればいいの?」
「そうだね、マーサさんはそれを聞くだけでも安心できるんじゃないかな?ついでに嬉しかった事とかも話すといいかもしれないね。」といってお姉ちゃんは少し暗い顔になってしまった。
「急に暗い顔になっちゃったけど、どうしたの?」
「あ・・・顔に出ちゃったか・・・言ってて自分の事思い返しちゃって、私は親不孝だったかもなと・・・」あははと取り繕う様に笑った。
「お姉ちゃんのお母さんもお姉ちゃんの事を心配してるのかな・・・」
「だと思うよ。いろいろ心配かけたし・・・まぁ今はマーサさんの事考えよう。」
「うん、じゃあ今の事は今日あった事を話せば良いかな。」
「そうだね。できるだけ楽しい話をしてあげると良いんじゃないかな。」
「分かった。じゃあ将来の話は?」
「マーサさんはカルネの将来の何を心配してた?」
「結婚できるかどうかって心配してたよ。」
「え?結婚?できない可能性があるの?」
「うちは貧乏だから結納金?が払えないって言ってた。」
「あー金銭的な問題なのね。カルネは可愛いし相手には困らないか。」
相手が同性とはいえ面と向かって可愛いとか言われたことがなかったので顔が真っ赤になってしまった。
「でも村にいると結婚できないから他所に行かないとってお母さんが言ってた。」
「村にはお相手になりそうな子いないの?」
「うちが貧乏なのは皆知ってるから・・・」
「結局そこに帰結するんだねぇ。じゃあ将来お金持ちになるって事が分かればマーサさんは安心できるんじゃないかな。まぁお金で幸せになるとは限らないんだけど。」
「そうなの?お金があればご飯には困らないと思うんだけど。」
「そうだねぇ、ご飯が食べられれば幸せって考えなら間違いないんだけど・・・まぁ将来カルネがお金に困る事はないから、もう少し上の幸せを目指しても良いかなと思う。」
「え?私、将来お金に困らないの?どういう事?」
「あ、えっと・・・まぁいっか、カルネは魔法が使えるようになるからさ。それを使って稼いでもいいし、貴族になってもいい。」
「は?」
私が魔法を?貴族?あまりに突拍子の無い話で頭がまっしろになった。
「私が魔法を・・・使えるの?」
「そうだよ。私が教えるからね。」




