4話 魔法
すると、お母さんが困った顔をして
「この季節はあまり獲物がいないんじゃないかしら。」
そうだった。今は冬だ。
動物はいない事は無いけど1日山に居ても1度見かけるかどうかだった。
すると、お姉ちゃんは「こちらに来る途中、鳥を見かけたので多分大丈夫だと思います。」と言った。
確かに鳥はいた。ここら辺は冬になるとやって来る鳥が結構いる。
「ただ、どの鳥が美味しいか分からないです。」といってははっと笑った。
その後、お母さんから美味しい鳥の特徴を聞いたお姉ちゃんは「行こうか。」と私を誘い、一緒に山に向かった。ところでお姉ちゃん手ぶらだよね?どうやって鳥を取るつもりなんだろう。
「お姉ちゃん、弓とか持っていかないの?」
「ん?大丈夫だよー。」
「どうやって鳥を取るの?」
「そうだねぇ、いくつか思いつくけど時間も惜しいし確実な方法がいいかなぁ。あ、ちょうどいたね。」
ちょっと離れた木の上に大きくて派手な鳥がいた。
「あれ?」と指さすと「うん、たぶん。」と返事が返ってきた。
どうやって取るのかと思って見てたけど、じっと鳥を見詰めるだけで何もする気配が無い。
早くしないと逃げられちゃうと思ってたら鳥の方からガサッと音がした。
逃げられたかな?と思い残念な気持ちになって鳥の方を見た時「よし、取れたよ。」と声が聞こえた。
え?何もしてないよね?私は混乱してお姉ちゃんの方を見たら鳥のいた方に向かって歩いていくお姉ちゃんがいた。
何をしたのかさっぱり解らないまま追いかけて行くと鳥のいた木の下に派手な鳥が落ちていた。
お姉ちゃんはそっと鳥を持ち上げると「ごめんね。」と言いながら鳥の首筋に手をあてるとお姉ちゃんの手の中に鳥の首が落ちた。
何が起きてるのかさっぱり解らない。
そこでお姉ちゃんはハッとして私に「紐忘れた!」と言って慌て始めた。
ええ?そこ?と思いながらカゴに入れてきた紐を渡す。
ホッとした顔で紐を受け取り「ありがとう。」とにっこり笑った。
思ったより遥かに手際よく紐を鳥の足にかけると近くの木にかけ始めた。
血抜きをしようとしてるのは分かったけど・・・
「お姉ちゃん、山の中で血抜きしたら狼が来るって聞いたことあるよ。」
「えっ!そうなの?」
「とりあえずカゴに入れとこう。」と言って鳥を受け取りカゴに入れる。
「カルネがいて助かったよー。」と笑っている。
そんな事より私は狩り方が気になってしょうがない。
「で、お姉ちゃん、さっきは何したの?」
「え?何って?」
「鳥取った時!それと首を落とした方法!斧も持ってなかったでしょう?」
「あぁ、それね。魔法だよ。」さらりと言った。
たぶん、この時の私はとんでもなくマヌケな顔をしていただろう。
「具体的に言うとね、鳥の周りの空気の組成を変え・・・」
お姉ちゃんが難しい事を言い始めたが頭に何も入って来ない。
魔法ってお母さんが寝る時に話してくれるアレだよね?ようやく絞り出した言葉が
「ま、魔法?おとぎ話の?」だった。
「ん?カルネは魔法初めてみた?」
「は、初めて見た。と言うか何も見えなかったけど・・・」




