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神様のなりかた  作者: フルーツ牛乳
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26話 襲撃

使用人は男から話を聞いたその足で館に戻り報告していた。

その話を聞いてすぐに男を捉える様に命令を出したが、すでに男は消えていた。

監視されていた事を知っていたのだろう。


手がかりが無いまま出立の日を迎えた。

護衛には私、アイリー、他騎士が5名となった。

アイリーはエマとカルネと一緒に馬車に同上し、私を含む他6名は騎乗での護衛だ。

名残り惜しそうな姫様とフランツを後目に出発する。


2日目の夜、泊まった宿が放火された。


「火事だ!全員外に出ろ!!」


叫び声が宿中に響く。

不寝番だった私は、エマとカルネとアイリーが泊まっていた部屋のドアを蹴破り声をかける。

既に起きていた3人は手に持つだけ掴み避難を開始する。

同じように泊まっていた騎士達に声をかけて非難するように指示していく。


「表は火が回っている様だ!裏口から逃げろ!」と声がかかる。


逃げようとした客が一斉に裏口に向かった。

そのため、すし詰め状態になり動けなくなっていた。

押しつぶされた人の悲鳴が聞こえる。

このままでは動けなくなり全員焼け死ぬことが目に見える。


私は剣を抜き放ち声を上げる。


「全員!こちらを見ろ!!」


手近にあった扉を両断してみせる。


「今から私の言う事を聞かぬ者は殺す!」


こちらに気づいた何人かが「ひぃ」といって後ろに下がる。

さらに気づいていない者の襟首を掴み、引き倒し剣を突き付ける。


「皆をこちらに向かせる様に叫べ!」


3人程に同じように叫ばせた所で異常に気付いたものが後ろを向き始めた。

そしてもう一度、「今から私の言う事を聞かぬ者は殺す!」と叫んだ。


ほぼ全員が気づいた様でこちらを向く。


「今から私の指示した者以外、外に出る事は許さん!向かった時がお前たちの最後だ!」


炎がすぐ後ろに迫っているが意に返さず指示を出す。


「まずは、そこの女だ!外に出ろ!次は隣の男!慌てるな!」


順番に外に向かう事ですし詰めはあっさりと解消された。

全員が外に出た事を確認して外にでる。その時、宿だった建物は崩れ落ちた。

仲間の安否を確認する。全員、無事の様だ。


そこに矢が射かけられた。先ほど脱出した内の何人かがうめき声をあげて倒れる。

辺りはパニックになり人々が逃げ惑う。さらに矢が射かけられ混乱が増していく。


「エマ!カルネ!馬車に乗れ!」


宿とは厩舎が別棟だっため馬車は無事だった。また、いち早く脱出していた御者が馬車を準備していた。

エマとカルネが馬車に乗ったのを確認して馬車を出発させる。


自分の馬を厩舎から引き出して馬車を追った。

その時、嫌に通行止めや荷物が道に散乱しているのが目についた。

馬車に追いついたが止まるのは憚られた。時折、矢が飛んでくるからだ。

その内、矢は火矢となり馬車の屋根に突き刺さり燃え始める。

御者は「ひ!」と悲鳴をあげ、馬車の速度を上げていった。


後ろを振り返るが仲間はついてきていない。

少し心配になるが今はエマとカルネを守る事が優先だ。


進行方向を見ると町の外に向かっている。嫌な予感がする。

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