16話 お茶会
フライブルグ様はヒューゴーを呼んで4人分の客室を準備する様に言うと
準備ができるまで茶室で待つ様にエマ達に伝える。
エマ達が退出してからフライブルグ様に質問をした。
「連れてきた私が言うのもなんですが、大丈夫だったのですか?」
「ん、暗殺の心配か?その心配はなかろう。暗殺するならもっと分かりにくくするだろうし、なにより彼女達は魔法使いだ。貴重な魔法使いを鉄砲玉にするような者はおらんさ。仮に魔法使いを使い捨てするなら陛下でも狙わんと割に合わないだろう」
「なるほど・・・陛下を狙っているという可能性は・・・」
「その可能性は残るが、それは私達が見抜くしかないが・・・それも無いだろう」
「どういう事ですか?」
「お前の話だと彼女達、特にエマという娘は一人で40人を殲滅できるのだろう?」
「はい」
「そんな魔法使いは聞いた事がない。戦場に出せば一騎当千の働きをするだろう」
「はい、間違いなく彼女なら出来るでしょう」
「いくら陛下を暗殺できたとしても、使い捨てにするとは思えん」
「確かにそうですね。彼女なら王城にいる陛下を外から暗殺する事も可能でしょう」
「そう考えると恐ろしいな。今までの警備では相手にならん」
二人とも黙り込んでしまった。
「まぁ・・・考えても始まらんか。全ては明日の結果次第だ。お前も茶室で休憩してこい。帰ってから休んでいないのだろう?」
「は!ありがとうございます。」
「それと晩餐には4人とも参加するように。皆に伝えておいてくれ」
「承知いたしました。失礼いたします」と言って敬礼をして退出する。
茶室に来ると中から賑やかな声が聞こえる。
「お茶が甘いです!砂糖というのは美味しいですね!」
扉をノックして「入るよ」と声をかける。
「どうぞ」と声が返ってきたので中に入る。
「賑やかだな。なんの話をしているんだ?」
「フェリックス様、砂糖です!エマさんが準備してくれたんですが、すごく甘いのです」
甘いといわれると蜂蜜か果物くらいしか思い浮かばないがなんだろう。
興味を惹かれてテーブルの上を見るとお茶菓子の横に白い粉が山になっている。
「この粉が砂糖かい?」
「はい、試してみてください」
一つまみして、口に放り込む。
む、これは確かに甘い。味わったことがない甘さだ。
「蜂蜜とも違う甘さだな。お茶にいれるのか?」
「お茶に入れても美味しいですし、料理やお菓子にも使えます」とエマ。
「へぇ、珍しい物を持っているんだね。余り荷物を持っていなかったから大切な物じゃないのかい?」
「エマさんは魔法で出したんですよ」
え?魔法で食べ物を出せるの?エマの方を見ると、えへへと笑っている。
魔法すごいなと思いながら席についた時、メイドがお茶を持ってきてくれた。
カルネはお茶菓子をほおばり、しんみりした雰囲気を漂わせている。
子供なら喜ぶところじゃないのだろうか?
とりあえず晩餐に出席するように3人に伝える。
後は晩餐の準備ができた連絡が来るまで談笑だ。
と、思ったら少し開いた扉から女の子が覗いている。
フライブルグ様の一人娘のルイーサ様だ。
「姫様、そんなところでどうしましたか?」
ルイーサ様は少し逡巡した後、茶室に入ってきた。
「フェリックス様、フランツ様、お帰りなさいませ。あの、こちらの方はどちら様ですか?」
「ご紹介しますね。右手に座っているのがエマちゃん、左手に座っているのがカルネちゃん、二人は魔法使いで、私達の命の恩人ですよ」
エマとカルネが会釈する。
続けてルイーサ様を紹介する。
「こちらはフライブルグ様のご令嬢でルイーサ様だよ」
「あの、命の恩人とは?」
「はい、40匹のゴブリンに囲まれ危ういところを彼女達の魔法で救ってもらったのです」
「そ、そんなにお強いのですか?私と変わらない齢にみえますけど・・・」
「カルネちゃんは、一瞬で3匹のゴブリンを石礫で倒し、エマちゃんは40匹近いゴブリンをあっという間に稲妻で薙ぎ払いました」
ルイーサ様は固まってしまった。まぁ、そうなるだろう。
とりあえず立ったままだったルイーサ様に席を勧めた。




