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神様のなりかた  作者: フルーツ牛乳
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15話 領主の館

服屋での買い物はすぐに終わった。

貴族が服を買うときは基本オーダーメイドなので注文してから出来上がるまで時間がかかる。

しかし何事も緊急事態という事があるので作り置きの服というのがある。


私には良く分からないのだが、作り置きだと流行に影響されにくいように当たり障りの無いデザインになるそうだ。人気は無いそうだが需要はあるらしい。

後は中古という選択肢もあるが、こちらは流行が去ってから売りに出されるため基本流行遅れになる。


せっかくだからという事で新品である作り置きを買った。

二人は女の子らしくあれこれデザインを選ぶかと思っていたが完全にお任せ状態だった。

張りきって選んでいたのはフランツだった。


「じゃあ、フライブルグ様に会いに行こうか。」


領主の館に着いたら門衛に用件を伝えて迎えを待つ。

しばらくして執事のヒューゴーがやってきた。


「フェリックス様、お待たせいたしました。ご案内いたします。」


ヒューゴーの案内でフライブルグ様の執務室に向かう。

執務室の手前まで来て3人に待合室で待つ様に伝える。


「私は先にフライブルグ様に報告をするから待合室で待っていてくれるかい。フランツは二人についていてくれ。私の要件が終わったら呼ぶので執務室に来てくれ。」


3人が待合室に入っていくのを確認した後、ヒューゴーが執務室のドアをノックする。


「旦那様、フェリックス様をご案内いたしました。」


「入ってくれ。」と中から返事がある。


「失礼いたします。」とヒューゴーがドアを開けてくれる。


「フェリックス・アウエ、ただいま帰還いたしました!」執務室に入って敬礼をする。


「フェリックス、任務ごくろう。大変だったようだな。」


「は!」


「ゴブリンの数が報告より多かったそうだな。」


「ゴブリンの総数は44匹でした!」


「報告の9倍か・・・数が違った原因も調査が必要そうだな。しかし良く死者が出なかったものだ。よくやった。」


「ありがとうございます!しかし私は少なくとも2回判断ミスをしてしまいました。」


「そうか・・・どんな判断ミスをしたのか聞いておこうか。」


「1つ目はゴブリンを待ち受けるために馬車の休憩所を使用したことで退路を断たれてしまった事です。」


「・・・難しいところだな。街道沿いで接敵したのだろう?敵の全容が分からない状態ならば退路を確保しておくのは必要だな。まぁ次に生かせ。2つ目は?」


「2つ目は、子供の救出のため部隊から離脱した事で部隊を危険に晒したことです。」


「そうだな、指揮官自ら部隊を離脱する事はあってはならん。どうするべきだったか分るな?」


「兵士2名以上に救出するように指示するべきだったと考えます。」


「そうだ、指揮者は常に部隊全員を指揮できなければならない。お前が離脱する事で部隊は全滅する可能性があった。まぁ、分かっているようだし、これも次に生かせ。で、子供は助けられたのだろう?魔法使いだったと聞いているが本当か?」


「はい、連れてきていますのでお会いいただけますでしょうか。」


「分かった。連れてきなさい。」


3人を連れてくるとフライブルグ様は少し驚いた顔をした。


「こちらが領主のフライブルグ様だ。2人共、自己紹介できるかい?」


「私はエマ、12歳です。」え?12歳だったのか?背が高いな。


「カルネです。9歳です。」7歳じゃなかった。


「先ほど紹介があったとおり、私はオイゲン・フライブルグ、フライブルグ領の領主をやっている。で、どちらが魔法使いなのかな?」


と、フライブルグ様が2人に尋ねるので横から口を出す。


「二人ともです。」


「二人とも!?」


フライブルグ様は少し考えてから、どの様な魔法を使うのか?と質問をした。


カルネが「私はまだ礫を飛ばす魔法しか使えません。」


次にエマが「だいたいなんでも使えると思います。」と言ったところでフライブルグ様が


「なんでも?私は魔法を使う事が出来ないから詳しくは無いのだが、魔法というのは一人一種類だと聞いた事がある。そうでは無いのか?」


エマは不思議そうな顔をして「そんな縛りは無いと思いますけど・・・」


「ふむ。」とフライブルグ様は顎を撫でながらエマを見つめた。


「二人の魔法を見せてもらえるか?」とフライブルグ様。


「はい、大丈夫です。」


「今日はもう日が暮れる。明日、訓練場で見せてもらおう。」


「今でもいいですよ。」


「部屋の中で見ても安全なのかね?」


「小さい物なら、大丈夫です。」


「ほほう、頼む。」


フライブルグ様は好奇心を見せて目を輝かせた。

エマは手の平を上に向けて開いた。

その手の上には青白い炎がともっていた。


あまりにもあっけなく魔法を使ったのでフライブルグ様は固まった。


「もっと集中するのに時間を使ったりするのではないのか?」


「魔法の複雑さによります。この程度なら時間はかかりません。」


「そ、そうか、しかしこの程度の炎では戦闘では使えんな・・・」


「フライブルグ様、彼女の魔法はこの程度ではありません、彼女は40匹のゴブリンを秒殺するのです。」


「な!?それは本当か?」


「はい、私は彼女が稲妻を操りゴブリンを殲滅するところを目撃しましたし、その魔法で私達は助けられたのです。」


「では、今回のゴブリンを倒したのは彼女か?」


「はい、その通りです。」


フライブルグ様はしばらく考えた後「ならば、訓練場での確認は必要だな。」と言い、明日訓練場を確保するように指示を出した。その指示を聞いたフランツが手続きをするため部屋を出て行った。


「二人の宿は確保しているのか?」


「いえ、二人が魔法使いである事を考えると民間の宿に泊まらせる事は問題があるかと思いフライブルグ様にご相談したかったのです。」


「ならば、ここに泊まってもらおう。二人とも良いかね?」


エマが「はい。」と答える。カルネは黙ってうなづいた。


「フェリックスも今日はここに泊まれ。フランツにも泊まる様に伝えておけ。」

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