表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様のなりかた  作者: フルーツ牛乳
13/28

12話 殲滅

子供に襲い掛かるゴブリン向かって全速力で駆ける。

前には5匹以上のゴブリンが子供に向かって走っている。


全て切り捨てている間に先頭のゴブリンは子供に襲い掛かってしまうだろう。


先頭のゴブリン以外は無視して走り抜ける。

そして先頭のゴブリンが子供に達するぎりぎりまで追いすがりステップを踏みながら剣を振りかぶる。


「当たれい!!」


祈りながら全力をのせて剣を撃ちだす。

剣はまっすぐ吸い込まれるようにゴブリンの背中に突き立った。


よし!と思う間もなく勢いの付き過ぎた私はつんのめって転ぶ。

転んだ勢いのまま前転する。

回転しながら予備のナイフを抜き自分が来た方向に勢いよく振り回した。


たまたまそこに後続のゴブリンの頭があった。

ナイフはゴブリンの両目を切り裂いた。


「逃げろ!早く!!」


子供の方を向かずに叫ぶ。

そこにさらに次のゴブリンが襲い掛かってきて絡み合うように転ぶ。

つかみ合った状態でゴブリンの石斧がごつごつと頭に当たる。

少なくとも他に2匹がこちらに向かっていた。


私は助からないだろう。

陛下の剣となり盾となる事を望み子供の頃から剣術を習ってきた。

夢だった騎士にも取り立てられ幸せだった。


しかし、それもここまでの様だ。

ならばせめて子供達だけでも逃がそう。

悪くない。子供を助けて死ぬなんてちょっとした英雄だろう。

そう思ったら肝が据わった気がした。


小隊の皆には悪い事をした。少しでも逃げてくれればいいが・・・


一匹でも多く道連れにして子供達が逃げる時間を稼いでやる!


「ぬおおお!!」


気合をいれ、私の上に馬乗りになったゴブリンの腕を膂力で押し返す。


その時「カルネ!!」女の子の声がした。

くそ!逃げてなかったのか!?と思った瞬間、ゴブリンの頭が弾け飛んだ。


それは赤い花が咲くように目の前に広がっていった。


何が起きたか分からず弾けた勢いで飛んで行ったゴブリンを目で追うと、後続のゴブリンが同じように弾け飛ぶ姿が見えた。


「ごめんなさい、もう無理。」子供達の方から聞こえた。つまり今ゴブリンを倒したのは子供達ということか?何をした?全く理解が追い付かない。


「残りは私がやるわ。」


そう聞こえたので子供達の方を振り返ろうした時、ゴンッと空気が揺れた。

空を見上げると青白い球体が在った。

球体から稲妻がほとばしり近くの木を焼いた。


その稲妻は突然方向を変え近くにいたゴブリンに襲い掛かった。

バンッと音を立ててゴブリンが崩れ落ちた。ゴブリンは黒焦げになっている。

稲妻は次々とゴブリンに襲い掛かり、薙ぐ様に打ち倒していった。


何が起きているのか分からない。


100数える時間もかからずゴブリンは全て黒焦げの炭になっていた。


小隊の皆を見ると私と同じように呆然としている。

とりあえず、一番の疑問の解消を試みる。


「今のは君たちがやったのか?」


のっそりと起き上がりながら聞いてみた。


「はい。」と背の高い方の子供から返事があった。


そこで改めて子供達を見た。

二人とも女の子だ。

背が高い方は白い髪が特徴的で、顔は整っているが子供らしい容姿をしている。背の高さから年齢はフランツと同じくらいか?14歳といったところか。

背の低い方はこの辺りで多い金髪、同じく顔は整っていて子供らしい容姿をしているが姉妹というには似ていない。年齢は7歳くらいか。

ただ笑顔なのが気になった。笑顔というより微笑むと言った感じか?


そこで背の高い子供の方から質問してきた。


「あの、倒しちゃって良かったんでしょうか?」


「え?あぁ、もちろん。おかげで助かったよ。ありがとう。」


情報量が多くて処理が追い付かない。


「ゴブリンをどうやって倒したか聞いても良いかい?」


「はい、この子は石を飛ばしてゴブリンの頭を撃ち抜きました。私は電子を一点に集中させる事で」


「お姉ちゃん、伝わらないと思うよ。私達が使ったのは魔法です。」


お姉ちゃん?やはり姉妹か?いやいや今はそれどころではなく魔法だと?

我が国、ゴースアーティグス王国でも魔法使いはいる。しかし全員合わせても5人。それがこんな子供で、しかも二人とも?


そこまで考えた時、復活した小隊の皆がやってきた。


「フェリックス様、お怪我はありませんか?ところで、先ほどの雷はいったい何だったのですか?」


「うん、ちょうど今その話をしていたところだ。こちらの二人が使った魔法だそうだ。」


「え?こんなに小さいのに魔法使い様なんですか?」


年齢は関係ないと思うが・・・しかし、稲妻を操り40匹のゴブリンをなぎ倒すなど聞いたことがない。

私の知っている限り、もっとも殺傷力のある魔法でも炎を生み出し一人二人を焼き殺す程度だ。


そう考えるとそら恐ろしくなってきた。あの稲妻を向けられたら成すすべなく燃え尽きるだろう。

近くに倒れているゴブリンの姿に自分を重ねてしまった。


うん、敵に回さないようにしよう。というか助けられているので敵にはならんか。


しかし、魔法使いという事はどこかのご令嬢か?しかし二人の服装を見る限りいかにも平民という感じだ。

ここで名前を聞いてない事を思い出したので聞いてみる事にした。


「二人の名前を聞いてなかったね。教えてもらえるかい?」


「私はエマ、この子はカルネです。」


「家名は?」


「ありません。」


やはり平民なのか。

平民の魔法使いとなると上に報告する必要があるな。

これは貴族を含め全ての国民に課された義務である。

報告のためには領都へ連れて行く必要がある。この齢の子供なら親の同行が必要だろう。


「君たちはどこの村の子供だい?親御さんに会えるかな?お礼もしなければならないし。」


「二人とも親はいません。ビューレンの村から領都に行くため旅をしています。」


「え?君たちだけでビューレンの村から来たのかい?」


子供の足なら1か月はかかるだろう。それに荷物もほとんど無い。

よく無事で・・・いや魔法を使えるからか。

しかし領都に向かっているなら都合がいいな。

いやいや、その前に本人に合意を取る必要があるか。


「君たちが知っているか分からないんだが平民の中に魔法使いがいた場合、国に報告する必要があるんだ。魔法というのはある意味凶器だ。もし凶器を持っている人間が町中にいたら怖いだろう?一緒に領主様の所に来てくれないだろうか?」


エマとカルネは少し顔を見合わせた後こっくり頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ