1話 山の中の出会い
初投稿です。
素人なのでお目汚しはご勘弁下さい。
ペースが分からないので中途半端になってしまいました。
「お母さん!行ってくるよ!」
そう言って立て付けの悪い扉を壊さない様にそっと開け外に飛び出す。
家の中からお母さんの返事が帰ってきた。
「気を付けてね。暗くなるまでに帰ってくるのよ。」
お母さんは心配性だ。
私ももう9歳、そんなに心配するほど小さな子供じゃない。
でも、お母さんはいつも私を子供扱いする。
同じ9歳のジャンなんておじさんと狩りにも行ってるのに。
私ももう少し大きくなったら狩りに行きたいな、一緒に行ってくれるお父さんはいないけど。
お父さんは私が物心つく前に病気で亡くなったらしい。
私にはお父さんがいないのが普通だけど、お母さんは時々寂しそうにしてる。
お父さんがいたら狩りに連れて行ってくれたかなとか思うと、ちょっと残念な気持ちになった。
「あ、早く薬草取りに行かなきゃ」
村の裏にある山に足を向ける。
時々村の人とすれ違うけど目を落としてすれ違う。
「チッ」
舌打ちをされたので頭を下げたまま足速にそこを離れる。
よかった。今日は舌打ちだけで助かった。
山に入って暫く歩くとけもの道があるので、それに沿って歩く、すると少し開けた場所にでる。
ここが私の秘密の採取場だ。村の誰も知らない。
ここで取れる薬草はカゴ一杯でお母さんと私の食事一日分と交換して貰える。麦がゆ2杯分だ。
私がもう少し大きくなればカゴも大きく出来るし狩りにだって行けるかもしれない。
お母さんにもっとご飯を食べさせてあげられる。
ここの秘密のは守らないと、と思った時、後ろの方からガサゴソと音がした。
総毛立ち後ろを振り返る。
人だったらこの場所を知られてしまうし動物だったら襲われるかもしれない。
とりあえず急いで木の裏に隠れる。
木の影から音のした方を覗いていると「参ったなぁ」と言いながら私より大きい女の子が現れた。
さっきのセリフから道に迷っているのかと思ったけど、何故こんな山の中にいるのかと分からなくて怖くなってきた。
女の子はこの辺りでは見たことの無い白くて少しカールした肩口ほどの長さの髪で、赤くて男の人の服の上下を繋げたような奇妙な服を着ていた。
女の子はしばらく周りを見回した後、まっすぐこちらを見て「大丈夫だよ。何もしないから安心して出ておいで。」と声をかけてきた。
私はしばらく迷ったが諦めて出ていくことにした。
何度も野犬や熊から逃げおおせていたので隠れる自信はあったのに・・・