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2話:投資成功と国鉄闘争に乗客の暴動事件

 その後、山里さんには、ソロバンを教えてもらった。この件について熊坂は、両親に女の子供以外の事は、正直に話した。両親は、農家の手伝いで忙しく山里さんの家に連れて行けなかった。そのため、御礼する時間をとれずにいた。しかし、両親は、宜しく言ってくれと言い、熊坂俊茂に大根や白菜をお土産に持たせた。


 ソロバンをやっていると暗算が早くできるようになる。これが、投資の時に役立つのだと笑顔で言った。暗算が、人より早くできれば、金儲けに直結するというと熊坂は一層、真剣にソロバンの練習に打ち込んだ。その後、1年、2年が過ぎるとソロバンの腕が上がり頭の中にソロバンがあるような感じがした。


 熊坂は、ソロバン練習を真剣に続けて行くと暗算が早くなったのを感じた。その時、おじさんが、これから日本も復興するから株で稼げと言った。山里さんがN証券で口座があるから君も証券口座を開いて一緒にやろうと言われた。そこで、口座を開き、株投資を教えて下さいと熊坂は山里さんに頭を下げた。


 すると笑顔で、わかったと答えてくれた。1968年1月を迎え熊坂俊茂も26歳を迎えた。この頃、熊坂は20万円貯めていた。1968年1月5日の金曜日、早朝、山里さんの家で朝を迎ると証券会社の担当者から山里さんに電話が入った。そして三菱商事株が43円と言われ成り行きで2万株買いと言い注文し山里さんが86万円で買えたと笑顔で言った。


 この頃、熊坂は、山里さんの家で一緒に生活を始めた。そして炊事、洗濯、買い物など多くの仕事を引き受けた。山里さんが熊坂にお前は自分で稼いで法政大学の通信大学講座を受け勉強してみろと言われた。でも、どうやるか知らないと熊坂が答えると私が教えてやると山里さんが告げた。それを聞いて、やってると熊坂が真剣な顔で言った。


 その後、山里さんが電話で法政大学通信講座の資料を取り寄せ通信高校講座を受講する様になった。中古の小型ラジオを手に入れて熊坂が勉強を始めた。すると、まるで浜砂が海水を吸い込むような感じで習ったことを吸収した。それを忘れないようにもう一と復讐すると熊坂は、多くの知識を吸収していった。


 そして経済の知識を吸収して経済で難しい事を山里さんに聞くと懇切丁寧に教えてくれた。これにより1年もすると見違えるようになった。1972年12月には法政大学の通信教育を終了した。その後、卒業試験を受けて合格点を取り修了証書を手にした。これで学士となった。その後、1973年が明け1月8日の朝、証券会社の担当者から山里さんに電話が入った。


 そして、三菱商事株の気配値が425円と高く売りと言われた。山里さんが同意し全株売りを指示すると三菱商事株が保有中に1.2倍の株式分割をした。そのため、2万株が2万4千株に増え、税引き後利益が908万円となった。そして、山里さんが熊坂が株で儲けたのを知り喜んでくれた。


 大学出たのだから三菱ドックの入社試験を受けたら良いと言われ、三菱ドックの会社へ行き入社試験に応募、受験して合格した。こうして、三菱ドックの経理部門で働くことになった。1973年2月14日、為替レート、1ドル・308円の固定相場制から変動相場制に移行した。


 最初は、1ドル・277円から開始された。3月20日、熊本地方裁判所、水俣病訴訟でチッソ水俣工場の廃液が原因であったことを認める判決が出た。しかし、この頃、国鉄と労働組合との紛争が起き、乗客とのトラブルが多発した。


「1973年の春闘で国労と動労は、運転安全規範などの諸規則を厳格に遵守した」

「これが、かえって列車の運行が遅延する事を逆手に取り諸規則を必要以上に遵守」

「そして、ダイヤを混乱させる順法闘争を争議戦術として経営当局に対抗」

「この順法闘争は利用客からは批判と反発を招くだけだった。そして3月13日朝、爆破」

「上尾駅で動労による順法闘争を原因とするダイヤの乱れに激怒し乗客が暴動となった」


「その後、国鉄の車両や駅施設を激怒した乗客達が破壊し駅周辺を占拠」

「いきさつは、4月24日も順法闘争のため国鉄のダイヤは、慢性的に混乱していた」

「特に、この日から4月27日の交通ゼネストを控え順法闘争を強化していた」

「16時半頃、大宮駅では、列車が順法闘争によるダイヤの大幅に乱れていた」

「1時間以上も遅れ帰宅時間と重なりホームに乗客が溢れ出した」


「その乗客達が駅長室を占拠など険悪な状況となった」

「しかし、埼玉県警への警備出動のと東武野田線・バスへの振替誘導で何とか沈静化」

「それでも赤羽駅の東北・高崎線下りホームには列車で一向に到着しない」

「それに対して国鉄の利用客の不満が高まり、やがて爆発」

「20時頃、急行『津軽1号』を宇都宮駅まで普通列車扱いにすると放送が流れた」


「もし定刻であれば『津軽1号』は上野駅19時半、出発するはずだった」

「だが、順法闘争と荷物積込みの遅れから20時15分に上野駅を発車」

「しかも上野駅を発車した時点で、既に超満員であった」

「『津軽1号』の到着前、赤羽駅列車ホームで上り中距離電車が停車中」

「この時、既にホーム上の乗客1500人が待っていた」

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