14話:阪神淡路大震災、投資、薬害エイズ
1995年が明け、1月17日、明石海峡を震源とするマグニチュード7.3の直下型大地震「阪神・淡路大震災」が発生が、早朝に発生した。この地震は、最大震度7と言う大地震であり6434人の死者が出て多くの建造物が倒壊した。この年、熊坂真利愛、熊坂健闘は、高校受験のため進学塾に通い始めた。3月20日、地下鉄サリン事で大勢の犠牲者が出た。
その後、オウム真理教による一連の凶悪事件が次々と明るみに出てきた。4月に入り5月16日、オウム真理教教祖の麻原彰晃が逮捕された。4月、シティバンクから超円高だと連絡が入り81円で米ドルを買った。その結果、熊坂夫妻のシティバンク口座が24万ドルと56万円ずつになった。4月1日、国内初の商用検索サイト「Yahoo!JAPAN」が、日本でサービスを開始した。
4月1日から日本初のインターネット株取引「オンライントレード」を大和証券が開始した。7月13日、大阪府堺市で腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒である堺市学童集団下痢症が発生した。そこの学校給食が原因で患者数9523名、学童3名が死亡した。それを見て、厚生省は7月31日、伝染病に指定した。
11月21日、阪和銀行が経営破綻し戦後初めて預金の払い戻し以外の業務停止命令を受ける事態となった。10月4日『新世紀エヴァンゲリオン』が放送開始された。これが第3次アニメブームのきっかけとなりアニメ文化に影響を与えた。1996年が明け、1月11日、NASAのスペースシャトル「エンデバー」が打ち上げられた、
そのエンデバーに若田光一が日本人初の搭乗運用技術者として乗船した。1996年2月2日、大和銀行がニューヨーク支店巨額損失事件によりFRBから命令で米国から撤退させられた。同じ頃、熊坂真利愛、熊坂健闘は、横浜市立大学経済学部を受験した。その後の横浜市大の合格発表で合格を確認した。そして自宅からバスと京浜急行を使い約1時間かけて通い始めた。
2月16日、菅直人厚相、薬害エイズ事件で血友病患者に直接謝罪した。この事件は、血友病とは止血に必要な凝固因子が不足しているため、出血した場合に止まりにくい病気の事。そのため、不足している凝固因子によって血友病A「第8因子」、血友病B「第9因子」に分類される。出血した場合の治療として用いられるのが血液製剤である。
1970年代末になると国産のクリオ製剤よりも簡便な濃縮凝固因子製剤が登場し治療に使用されるようになった。しかし、これらの製剤にはウイルスを不活化するための加熱処理はされてなかった。この中にあのエイズ原因ウイルス「HIV」が混入していた。1980年代前半、米国から輸入された非加熱製剤は、血友病専門医や製薬会社の社員の指導の下、大量に使用された。
しかも加熱製剤の認可後も危険な非加熱製剤は、直ぐに回収されず使用され続けた。その結果、HIV感染になった患者が1982年から85年にかけ、これを治療に使った血友病患者の3割、約1400人もがHIVに感染した。被害者はいわれなき偏見により差別を受け社会から排除され、さらに感染告知が遅れ発病予防の治療を受けなかったことに加えm二次・三次感染の悲劇も生まれた。
こんな状況の中、被害患者と遺族は1989年東京と大阪の地方裁判所に非加熱製剤の危険性を認識しながらも、それを認可・販売した厚生省と製薬企業5社を被告とする損害賠償訴訟を起こしました。裁判では厚生省や製薬企業がひた隠しにしてきた事実が次々に明らかになり、また提訴者も次第に増えた。社会からの支援も日増しに大きくなり、『薬害エイズ事件』は一大社会問題に発展した。
その後、日本国中を巻き込んだ社会の大きなうねりは裁判所も揺り動かし、1996年3月被告が責任を全面的に認め、和解が成立した。国は、被害者救済を図るため原告らと協議をしながら各種の恒久対策を実現させることを約束した。和解成立後、安部英帝京大学教授、ミドリ十字元・前・現社長、松村明仁厚生省生物製剤課長が相次いで逮捕され、薬害エイズ事件に捜査当局のメスが入った。
そして、「帝京大学ルート」、「ミドリ十字ルート」、「厚生省ルート」の3ルートの刑事裁判が始まり真相究明がより進むことが期待された。薬害エイズ事件の反省から1999年8月には厚生労働省内に薬害根絶『誓いの碑』が建立され、この様な悲惨な被害が二度と起こらない様に国の薬務行政に厳しい監視の目を光らせた。ちなみに薬害エイズ被害者数は、合計1475例だった。
幼くして亡くなった被害者数は、合計103名であった。1990年代は、エイズ発症による死亡が多数報告されたが、それ以降、HIV/HCV重複感染による肝硬変や肝がんの死亡が多い中、近年、生活習慣病の合併、頭蓋内出血例が多く見られる様になった。この薬害エイズを忘れないように砂時計という本が1997年10月6日、河出書房新社から出版された。