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戒さんの意識

僕は、

「諦めるもんか、お前を、倒す!」

と言った。魔王は軽く溜め息をはくと、

「そうかい、他のみんなは?」

光秀は魔王を指さして、

「翔は好きだけど、お前は嫌いだ!」

と言い、級長は大きな声で、

「私は、今の翔を信じる」

と言い、怜君はあざけるように、しかし、冷静に、

「フッ、未来のお前は馬鹿だな、翔。お前を倒すためにここまできたんだ」

と言った。魔王は、

「そうか、なら仕方ない。我が力、存分に思い知らせてやろう」

そう言うと、魔王は右手を右へ左へまるで指揮者のように振り始めた。

僕達は身構えた。怜君がまとまってるとやられる、散れっと言ったが、その時、

魔王は、四人に分身していた。

「邪影石を手に入れた僕の力は二つある。一つは想像を実現する力。つまり、夢

を現実にする力だ。もう一つは……出すまでもないな。僕、四人相手に、勝てる

かな?」

四人が同時に話す。とても不気味だ。

光秀は

「一人一殺でちょうどいいな」

ツッコミたくなったが、その通りだし、今はそれどころではないので、目の前の

魔王に全神経を集中した。僕の前にいる魔王は再び手を振る。すると、遠くから

凄い音がして、何か、キラッと光るのが見えた。

僕は反射的に盾を出した。すると、盾にぶつかり、爆発し、

僕はそれを吸収した。

僕が瞬きをしていたぐらいの時間だったが、高速、いや、光速で何かが飛んでき

たのだ。

「そう、小隕石だ」

魔王がそう言った時、次々と音があちこちからしたので、このままでは全滅だ。

躊躇してる暇はない、と思い、

「リバウンド・ゼロ!」

リミットブレイクを使ってしまった。僕の体と盾が一瞬、炎のように緑色に煌め

いたと思ったら、すぐに戻った。

魔王は

「くっ、夢を実現する力にリバウンド・ゼロ、だと!? 力が出せない! なる

ほど、地球への隕石もこれで、止められた訳だ。僕の野望、こんなことで止めら

れるとは」

怜君が

「おかしい、さっきから奴の体をすり抜ける」

級長は

「分身だからじゃない?」

と言っていたが、魔王は、

「そうではない、元々が、意識体なのだ。肉体など、

邪影石の力を手に入れた時に持っていかれた」

みんな、びっくりしたみたいで、動きが止まった、僕もだ。

級長は、

「幽霊!? そんなの、勝ちようがないじゃない」

魔王は、だからだ、と、手を振り、左手を額にあてて、

「この時代では僕の勝ちが確定していたはずなのだ……なのに。なんてな。フッ

、クク、クックッ、ハーッハッハッハッ。隕石はすでに私の手を離れ、軌道は確

定している。もう一つの力でも、お前らをほふることは十分できる」

魔王達は、ハァァァァァ、と力をためている。その間に、光秀のグラビティバウ

ンドを当てよう、と思ってもすり抜け、級長も同じ。

怜君は、試してみるか、と言い、怜君の加重カウンターももちろん、

効果なかった。

どころか、力の行き場を無くした倍にする力は怜君自身に暴発した。

「怜君!」

僕達は近寄ったが、胸に凄いあざが出来ていた。怜君は片膝をついて、

「心配するな、しくっただけだ」

しかし、心配するな、という方が無理ってものだが今は、魔王を倒すことが先決

かもしれない。僕も、時を止める力と倍にする力を合成、覚悟を決めて、時を急

激に加速する力の能力刀を魔王にあてよう、と思ったが、すり抜けてしまった。

どうすれば……。

魔王は

「永遠に夢を見させる奥義、これで、終わりだ!」



ここはどこだろう?広い草原に、風が吹いている。

なんだか気持ちがいいや。僕はそこで寝ることにした。しかし、目をつぶってか

らすぐに声がした。

「君は、それでいいの? 未来を、幸せな未来をつくるんじゃなかったのかい?

はっと目が覚めた。戒さん、確かに戒さんの声だった。隣を見ると、どうやら、

みんな同時に目が覚めたようだ。



ああ、わが子が離れていくような感覚を覚えます。

次でラストです。

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