踏みしめていく、その先に
僕達は学校の天使界から、宇宙、魔王、未来からきた等で検索、場所を特定した
。月の近くらしい。異界の扉をくぐったが、そこは宇宙ではなかった。
ただただ平らな地面と空、山があるのみの世界だ。晴美が、
「ハッ、こいつぁ、異界の扉の転送ルートがねじ曲げられてるな」
と、言い、その直後、
「気をつけろ、魔石が反応している」
と、怜君の警告とともに、いきなり、何の音沙汰なしにウ〇ト〇マンくらいの大
きさはあろうか、という、ゴーレム(レンガの巨人)が現れた。
「あんなのありかよ!」
光秀は驚きのあまり、腰を地面についた。
「勝てる気がしないわ」
級長も額を手でおさえている。
晴美が、
「なーに言ってんだ、お前らには魔王を倒してもらうんだぜ。調べたが、魔王
にたどり着くまでに一つの道のりになっているらしい。だが、道のりは短いとみた!
ここは俺に任せて先に行け! 後を、頼んだぜ」
そう言うと、晴美は右手をかざして異界の扉を開いた。
級長が、でもっ、こんなの一人で勝てるわけないじゃない、と言い、
光秀は、行こうぜ、翔、魔王を倒すんだろ、と言い、怜君は、どうするんだ、翔
?
と言った。僕は、
「行こう、晴美の死は無駄にはしない」
途中、死んでねぇよ、という声が聞こえたので、後ろを振り向くと、巨大ゴーレ
ムが右足で晴美を踏みつけようとしていた。
「晴美!」
怜君は叫んだが、間に合わず、晴美は……。かと思ったら、ゴーレムの右足が破
裂した。
重心を崩したゴーレムは右前方に倒れそうになっている。って、僕達の
方に倒れるー! 早く行け、とのみんなの声に押されて、次の天使界へと入って
行った。その際見た、後ろの光景は、右人差し指を天につきだしている殺し屋、
デスと、しりもちをついているが、グッジョブの合図をとっている晴美だった。
ゴーレムの右足は再生しかけていたが、あの二人なら。僕はなんだか安堵した。
そして、次の天使界。
山が噴火し、地面にところどころ亀裂があり、亀裂から、溶岩が流れているそん
な世界だった。
「気をつけて、魔石が反応しているわ」
と、級長。その直後、突然、さっきのゴーレムと変わらない大きさのドラゴン、
それもところどころにアーマーを装着しているドラゴンが現れた。……めっちゃ
かっこいい。怜君は、
「アーマード・ドラゴン、神々に使える神獣だ。何故ここに」
そのドラゴンは、大きく息を吸い込むと、小さな山ぐらいはありそうな火球をはいてき
た。盾で吸収しようとしたが、巨大すぎて、一度に吸収しきれない。終わりかっと
半ば諦めていた時に現れ、炎を斬ったのは、薫さんだった。
炎を僕達の逆から斬ったようで、盾を避けるように火球は飛んで行き、
後に爆発した。
「薫さん!」
僕は声をかけた。
「ここは私に任せろっといいたいところだが、一つ、子供た……いや、翔、お前
に聞きたいことがある」
僕が首をかしげていると、
「お前の覚悟はっ!」
「必ず、未来の僕を倒す! そして、みんなで幸せな未来を掴みとるんだ!」
薫さんはフッと笑い、
「少々、お前をみくびっていたようだ。さぁ、行け、後に勇者と謳われる者達よ
。もう、用はないっ!」
と言うと、次の光の扉を開いてくれた。
僕達は今度は迷わず先に進んだ。薫さんなら、信頼できる。そして、最後に見た
、薫さんが、ウォォォォォ、と、ドラゴンに突っ込んでいく姿は、後々まで、僕
の目に焼き付いていくことになる。
そして、異界の扉をくぐると、そこには、妖艶に光る赤い月を前にして、僕達に
背を向けている魔王がいた。
白いスーツを着て、背も高い。180近くありそうだ。これが魔王。
僕はいろんな思いを馳せながら、とうとうその名を叫んだ。
「魔王!」
魔王はゆっくりと振り向くと、
「魔王だなんて、仰々しいな、お前は僕だぞ。まあいい、僕と怜、美智子に光秀
、メンツはそろっているようだ。しかし、君達は知っているかい?これからの未
来が二通りあることを。一つは君達が僕に負けた場合の絶望の未来、もう一つは
僕がいた未来だ。どちらにせよ、救いはない。諦めないかい?」
あ~、ラストが近い注意報です。
終わったら、どうしようかっていう
不安感が強くてなかなか次の話が進んでおりません。
しかし、終わるとなると、本当に寂しいしだいでございます。
終わりよければ全て良しということわざもあるように、
ラストは重要なんだと思います。
よーく考えて作っていきたいと思います。
筆者、頑張ります。
ちなみに、前話、セリフを一部変えたので、もう一度、見てやって
ください。