強くなる資格
一瞬、時間が止まったかのように思えた。いや、確かに止まっているのだが。
源さんがやれやれ、というと、
「ワシが優先順位をつける。確かに、孫は敵で、強くなっているようじゃ。他に
敵がいるとも限らない。よって、まず、特訓、次に秘霊石、最後に情報を集めが
てら、孫を追う、ででどうじゃ?」
皆、賛成した。
しかし、必殺技ってどうやって会得するんだろう?
源さんは、ワシに任せとけ、それぞれにいい特訓場(天使界)がある、と言い、僕
達は後について行った。
「まず、ここ。オオイヌノフグリによく似た花じゃが、
小さいからと言って侮ることなかれ。特性がある。与えた攻撃を三倍にして返す
、カウンターフラワーじゃ。ここにはたくさんある、怜、お前さんが使うといい
」
「わかった、源爺」
そして、移動する間、光秀が、ちなみにオオイヌノフグリっつーのは実は犬のき
〇た〇、に似ているからつけられた名前らしい。とウンチクを披露して、級長に
殴られていた。まあ、ピーマンにされるよりいいだろう。
そして、次の場所。
「これは戻り玉」
源さんは直径十センチの白いボールを取り出した。
「この玉は自分の形を記憶している。グーで殴っても、この通り」
源さんがボールを殴るとボールにはグーの後がついたが、瞬時に、ボンッと元に
戻った。
「元に戻る。美智子ちゃんはこれで特訓するといい」
「わかりました」
そして、次の場所へ。
「光秀君はここ」
光秀は源さんに詰め寄った。
「おいおいおい、じーさんよ、ここはじーさん家じゃん」
「飛ぶ、という特異な能力、どんなことができるのか、想像すると楽しいじゃろ
う? ワシは光秀君の想像力に賭ける」
……それって、つまり。
「自分で考えろ、ということか」
光秀は期待が外れたのか、肩をがっくりと落とした。まあ、君の気持ち、わから
なくもない。
そして、源さんは最後の場所へ移動しながら説明してくれた。
「ワシは翔君の能力はおそらく、進化する可能性があると思っている。盾に触れ
ていると以前見たものに戻せる能力にプラスα、盾自体に付随している能力が何
かあると思うんじゃ」
「え!?それって、源さんみたいに?」
「ワシのとは微妙に違うが、翔君のはおまけみたいなものじゃろう。だがおまけ
にしちゃあ、使えるおまけじゃな。そして、そのおまけの力を引き出すには、自
分の能力と話し会うことじゃな」
ん?僕が不思議そうに首をかしげていると、源さんは天使界の扉を開き、僕をそ
こに入るように促した。
そして、中に入ると真っ暗な世界にどこまでも続く一本の光の道があった。
どこからか、声が聞こえてくる。
「わたしは守る能力をつかさどる天使。お前は力を得たいのか?」
「うん」
僕は力強くうなずいた。
「ではいくつかの質問に答えてもらおう。扉を進め」
いきなり、光の扉が道中に出現した。僕はそれをくぐる。
またしても、真っ暗闇の世界。声が聞こえる。
「この娘は」
病院で寝ている静とその病室だ。その部分だけ、スポットライトが当たっている。
「病気で死ぬはずだった。神が定めた運命だ。それをお前がねじ曲げた。何故だ
?」
それは……。
「好きだから、家族だから、死んでほしくないからだ」
僕は虚空に向かって叫んだ。
「それは神を敵にしてもか?」
「当たり前だ!」
先程よりも強く、僕は叫ぶ。
「では、次だ。何故、力を求める?娘だけでよければ、時の縛りから解放してや
ろう」
僕は一瞬悩んだが、悩むまでもなかった。
「それは嫌だ!僕は、いや、僕達は、全ての人達を助ける」
「全てを助ける、と言ったな。私には見える、お前達に待ち受ける過酷な運命を
。神が定めたもう、残酷な未来が。ここでもう、休まないか?お前はもう十分頑
張った。それでもまだ、戦う道を選ぶのか?」
「僕は全ての人が幸せになれる道を選びたい。例え、お前が諦めろと言ったって
、僕が諦めない、それが戦う道なら、それを選ぶさ」
資格といえば筆者は運転免許ぐらいしか持っておりません。
あれも、取るのにだいぶ苦労したのですが……。
みなさんはどのくらいもってますか?
それと、評価や感想が欲しくなる今日このごろであります。
どしどし応募ください。
なんちゃって。